音楽 Feed

2012年11月 1日 (木)

10月17日は、音楽デザインコース4年のK君による、「クラブミュージックの展開を用いた音楽づくり」でした。

彼は前期も面白いテーマでワークショップをしてくれていて(確か制限事項をきめて音楽づくりをしてみるとどうなるか!?というものでした)、今回もとても斬新で楽しいワークショップをしてくれました。

前期にリーダーをした時は「どうしようどうしよう」「え~っと」みたいな時間が多かったのですが、今回は流れもスムーズで立派なリーダーぶりを見せてくれました。

音楽づくりはメンバーを入れ替えて、2グループを2回やりました。

生徒達もとても楽しんで、興味深々でやってくれました。

内容は以下です。

授業担当 吉原佐知子 記

テーマ:クラブミュージックの展開を用いた音楽づくり

アイスブレイク
1、bpm120程度で4拍1小節のパターンの手拍子を繰り返し、4小節毎に次の人が重ねていく
2、上と同じだが8の倍数小節目だけ奇数番目に手拍子を叩いている人は手拍子を1小節間だけやめ、次の小節で手拍子を再開する
3、ずらしてもう一度(奇数番目にやっている人がやめることが重要)
4、上記のパターンの休み1小節を、休みではなく「激しい1小節」に変えてもらう(具体的には音の数を増やす)
5、さらにずらしてもう一度行う




YouTube: クラブミュージック、アイスブレイク 邦楽ワークショップ

ワークショップ
1、クラブミュージックの展開について解説する
・クラシック音楽とは全く違うもので、本来はDJが曲と曲を繋ぐ為の展開になっていること
・音を変形させるのではなく、ループされているパートを付け足したり消したりする事で展開すること
・「ビートのみ→ベースとなる音→コードやアルペジオ→ブレイク(殆どのパートが消え、特徴的なリフなどのソロになり、サビのようなメインの役割となるパートへ向かって盛り上がる)→メインのパート→パートを減らして盛り下げていく→ビートのみになって終わる」が基本だが、ブレイクは大抵の場合何度か訪れるうえ、この基本形は組み替えたり、組み合わせの自由度が高い
・大切なのは徐々に盛り上げていくことと徐々に盛り下げていくことだが、ブレイクでは大胆にソロにしたほうが好ましい
2、実際に曲を聴いてみる
・Syntheticsax - Ky Ky (Funky Truckerz Remix)
・Jamiroquai - Cosmic Girl (Tom Belton Remix)(冒頭の展開が早い)
3、グループに分かれてアイスブレイクを思い出しつつクラブミュージックの展開を使った音楽づくりをしてもらう
(リズムを刻むパートがあると楽)




YouTube: クラブミュージック 作品① 邦楽ワークショップ




YouTube: クラブミュージック作品② 邦楽ワークショップ




YouTube: クラブミュージック 作品③ 邦楽ワークショップ




YouTube: クラブミュージック 作品④ 邦楽ワークショップ 洗足学園音楽大学

→今回は上記の音楽づくりに「徐々に展開していく」「展開にブレイクを設ける」といったような条件を加えて発表をしてもらいました。2グループに分かれて各2回演奏をしてもらいましたが、どの発表でもクラブミュージックの盛り上がりを表現出来ていて、自分自身演奏を聴いていて楽しかったので本当に驚きました。
特にグループ2の1度目の発表は打楽器がなく邦楽器ばかりだったのに展開が美しく、既存の曲であるかのような完成度だったと感じるほどでした。
 
まとめ
クラブミュージックにはとてもシンプルなパターンのみで構成されている曲も少なくありません。それなのに退屈しない理由は「展開」に秘密があるのです。
始めのアイスブレイクや展開の説明で行った事は「引き算による展開」です。基本徐々にパターンが積み重なるだけの構成の中に、瞬間的に音数が減る部分が現れると、それがコントラストとなりシンプルなパターンを引き立てるのです。
特に「ブレイク」はこの展開の中で一番音数が少なくなる要素です。この「ブレイク」の役割は、一番の盛り上がり所への期待を聴いている人に感じさせるためにあります。そして期待通り(または期待を超えるもの)のものがブレイクの直後に来ると人は音に快感を感じるはずです。
今回このワークショップを行って、これからのクラブミュージックの聴き方が変わったかもしれない、という言葉を頂きました。しかし自分が一番主張したかった事は「クラブミュージックの展開はどんな音楽づくりにでも簡単に応用出来てしまう」という点です。
これから音楽づくりで迷った時にはどんどんこの方法を使っていい音楽を作って欲しいです。

 

 

2012年10月24日に行われた授業のご報告です。

今回はフルート専攻4年の間嶋祐未さんによるワークショップでした。授業では良い点もあり、反省点もありと間嶋さんにとっていい経験となる授業でした。大変素晴らしかったのは、授業終了後に作成してもらった報告書です。なぜこのテーマにしたのか、授業の反省点や改善点などが明確に記されており、きちんと自分を見つめ直している様子がよく伝わってくる報告書でした。

担当:中香里

以下、間嶋さんの報告書です。

◆テーマ

音楽で◯◯を表現しよう

◆目的

音楽で絵、ストーリーを表現する

◆対象

大学生以上

◆使用楽器

箏 6面、三味線、フルート、サックス

◆調弦

ドレミ調弦

◆授業の流れ

⓪これまでの復習として、音楽で「秋」を表現する。

1秋といえば、どんなイメージがあるか全員に聞く。

→運動会、落ち葉が舞う様子、紅葉などさまざまな意見。

2 一人一人、思い描くイメージを箏で表現する。

① 音楽で「情景」を表現する。(教科書『中学生の音楽 1』を参照)

1 3枚の絵を見て、イメージを膨らませて簡単なストーリーをつくる。

2 場面ごとにグループで音楽づくり。

→今回は、1枚の絵につき2人で音楽づくりを行いました。

3 全体で繋げて発表

② 音楽で「絵本」を表現する。

1 おはなしコンチェルト(絵本に音楽を加える活動)の映像を観る。

2 全体で絵本に音楽を加えていく。

→今回は、皆さんにも意見を聞いて「ねずみくんのチョッキ」という絵本を選びました。動物が沢山出てくる絵本なので、動物ごとに担当を決め、それぞれどんな音がほしいか言ってもらうことにしました。

3 発表


YouTube: 邦楽ワークショップ「音楽で○○を表現しよう」

4 まとめ


    今、音楽教育の中で「日本の伝統音楽」が重視されると共に、「創作」の活動も大切にされています。その「創作」を授業で行う際に、全ての生徒が演奏出来る楽器があるわけでもなく、ピアノも1台という環境の中でどうやって行なうのか?とここ2年ほど、ずっと考えていました。そして、この邦楽ワークショップの授業を通して、箏であれば、比較的誰でも音を出すことができ、学校が所有している数が多いのではないかと思うようになりました。今回は、その音楽教育の「創作」を意識して、私が絵本に音楽を加える活動をしていることもヒントにしながら「音楽で◯◯を表現しよう」というテーマにしました。

    実際にワークショップを行ってみて、心残りはみなさんを上手く導くことが出来なかったことです。この授業を通してこれまでにいくつもワークショップに参加して、ある程度ベースとなる音であったり、リズムであったり、ルールや縛りがあると音楽づくりがしやすいと学んでいたにも関わらず、私の頭の中で上手く整理出来ていなかった為に、みなさんに的確な指示が出来ませんでした。人の前に立つ時、臨機応変に対応できる力も必要ですが、事前に頭の中でもっと具体的に反応を予測して、準備しておくことが大切だと改めて思いました。音楽づくりは、参加する人によってどんな化学反応が起こるかわからないという面白さがある反面、自分で進み方を全てコントロール出来ない難しさがあると痛感しました。

    反省点は沢山ありますが、先生や皆さんの音楽的センスの支えによって、素敵な音楽がつくられました。ストーリーと共に、音楽に変化があって面白かったです。ありがとうございました。

ねずみくんも、素敵な音楽が加わってきっと喜んでいるようようにおもいます♪

2012年10月19日 (金)

2012年10月3日は現代邦楽専攻のOさんのワークショップでした。

今年度に入って、Oさんと組むのは2回目でしたが、今回のワークショップでは楽器の数が参加者より少ないという制約がありました。箏の代わりになる楽器を入れる、手づくり楽器をつくって用いる、柱の左側(音程が定まらない部分)も使って現代的な音楽をつくるなどのアイディアが出ましたが、Oさんと打ち合わせを重ねるうちに、これらのアイディアは今回はできないよねということになりました。その理由を簡単にまとめてみると、

・箏の代わりになる楽器を入れること→楽器選び(箏以外の楽器)の理由が必要で、今回はその理由がうまく見つかりませんでした。

・手づくり楽器をつくる→箏よりもいい音のする楽器(箏と同じくらい音の出る楽器)をつくることができるか、また、楽器の数が少ないからその分を手づくり楽器にするという理由だけで手づくり楽器と箏を組み合わせることに意味があるかという疑問が出てきたために今回はやめました。

・柱の左側も使って現代的な音楽にする→現代音楽との関わりが本当にあるのかという疑問にぶつかり、また同じようなアイディアの納得いく音楽作品が見つからず今回はやめました。

その結果、他の楽器などは入れず箏だけで複数人(3人以上)が一緒に使って面白いアイディアをもう一度考えようということになり、出てきたアイディアは「1面の箏を4人で使ってさくら」のワークショップです。ワークショップでは、参加したみんなが「面白い!」と声をあげる音楽づくりになりました。

Oさんの報告書で、ワークショップのながれなどご覧ください。

授業担当:味府美香

◆テーマ

みんなで協力して“さくら”の音楽つくり

 ◆目的

 箏の数が少なくても、みんなで楽器に触れることができ、音楽づくりもできる。

 ◆使用楽器と人数

 箏2面用意 、8人(1面を4人で使う

 ◆調弦

平調子をもとに調弦。

Photo

 

Photo_3

◆授業の流れ

1.1面の箏に4人つく

 2.調弦に慣れてもらう

 ・一人の担当する弦は6本か7本。そのうちしっかりと調弦(チューニング)されている弦(2本~4本)がある。しっかりとした調弦の場所は4人それぞれで異なるが、4人に必ず共通してG音とA音が入っている。

 3.ドローン、パターン、メロディーに分かれ、しっかりと調弦されている音のみを使用して4人で音楽づくり

 4.発表①




YouTube: 4人で一面の箏を使う音楽作り1(導入)

5.しっかりと調弦されていない弦も使用し、音楽づくり

6.発表②

 7.4人で協力して“さくらさくら”を演奏する

 ・調弦に慣れてきたら皆で協力してさくらさくらを最後まで演奏する(メロディーを分けて演奏する)

 ・リーダー(O)のパターンにのせて“さくらさくら”を演奏

 8.“さくらさくら”を使って音楽づくり

 《ルール》

 ・皆で協力して弾いた“さくらさくら”のメロディーを生かしつつ、音楽に厚みをつける

 ・調弦されていない弦を使ってもよい

・始め方と終わり方決める

 ・最後のワンフレーズの前にグループの個性をだす(メロディー以外を工夫する)

 ・歌ってもよい

9.発表③




YouTube: 4人で一面の箏を使う音楽作り3(分担してさくらフレーズ)

◆感想、反省

三味線を専攻しているので、箏を使用した音楽つくりは少し難しかったが、皆が考えながらも楽しそうに音楽づくりをしてくれたので嬉しかった。

最初、調弦を理解してもらうのに少し時間がかかってしまったので、伝え方の工夫を今後の課題にしたい。

2012年10月 3日 (水)

2012年9月26日フルート専攻のKさんが「春の海」を題材にワークショップを行いました。以下にKさんからの報告を記載します。

【Kさんからの報告】

◇授業の目的・目標

邦楽しかなかった日本の時代では考えられない楽器のセッション(東×西)を、「春の海」の一部を使って楽しみ、音楽づくりを行う。

 

◇実施対象

大学生以上

 

◇使用楽器

筝、三味線、尺八、フルート、サックス

 

◇授業の流れ

 

①youTube でさまざまな楽器や、アレンジの「春の海」を鑑賞し、音楽づくりの材料を見つける。

・バイオリンと筝 春の海

・春の海 幻想

・Jazzアレンジ  春の海

・サックス4重奏と尺八 春の海

 

②Kと吉原佐知子先生で、「春の海」フルート、筝のバージョンを実演。

 

③アイスブレークとして、「春の海」の冒頭10小節を抜粋し、音楽づくりに生かせるように各自の楽器で演奏できるようにする。

(事前に楽譜を配布。)

・フルート、サックス、三味線、尺八は旋律。筝は伴奏を練習。

 

1 春の海の伴奏をドローンとし、アイスブレークで習得した旋律を生かして、一人ずつアドリブを回していく。

 

2 1のドローンを、ジャズのリズムに変え、旋律もジャズにアレンジしてアドリブを回していく。


YouTube: 「春の海」による音楽づくり1

 

3 A(サックス1、三味線1、筝2)B(サックス、フルート、三味線、筝)の2グループに分けて、音楽づくりを行う。

 

  音楽づくりのポイント!

  グループの中で、旋律、伴奏、アレンジ(飾り)に分担をわけてもらい音楽づくりをする。

 

 ◎1、2でやったようにアドリブをまわしたり、ジャズのリズムに変えたり、特殊奏法を使ったり、班の中で話し合いを行ってもらった。

 

⑤各グループの発表会。


YouTube: 邦楽ワークショップ 春の海(jazz風)


YouTube: 邦楽ワークショップ 春の海(jazz風)

 

◇邦楽ワークショップを実施した感想

今回のワークショップでは、「東と西の音楽の融合」に着眼点を置き、発展させたものを内容にしました。邦楽曲を、洋楽器で。はたまた、洋楽曲を、和楽器で。

邦楽器しかなかった時代に生まれたら味わえない程の、音楽や楽器がある今だからこそできる音楽体験をし、音楽づくりを行いたいと思ったからです。

今回は「春の海」を使用して行いましたが、ほかの有名な日本の曲でも応用して行える内容だと思います。

実際に授業をするときは、前々回、前回とJazz科の方が行っていたので、Jazzの要素も入れました。今回の授業のメンバーだからこそ、即興的なアドリブやジャズアレンジで果敢に挑戦できたと思います。

ほかの場面で実施するときに、誰もができるように、ジャズのアレンジの仕方のレクチャーの時間もいれるとさらに取り組みやすい課題になると思い、反省点となりました。

音楽づくりでは、AグループとBグループで、対極の音楽ができ、どちらもとても素敵でした。

前期では、グループ活動に入ると邦楽科の方が中心で行うことが多かったのですが、後期に入ってからは、邦楽科以外の人も積極的に自分の技術を生かして参加してる様子がみられ、一年を通して行う授業だからこその成長があり、とても嬉しいです。

先生方のフォローや、生徒のみなさんの音楽性に支えられ、無事授業を終えることができてよかったです。ありがとうございました。


【担当講師からのコメント】

「春の海」を題材としたワークショップは過去に何度か行われましたが、今回は「春の海」のオリジナル形式(箏、尺八)以外の様々なアレンジを活用することに着眼した部分が注目点でした。


評価出来た点として

①ヴァイオリンと箏、箏合奏群、ジャズアレンジ、サックスカルテットなど様々な様々な参考音源資料を集め、音楽づくりに役立たせた。

②吉原先生(箏)の協力を得て、自らフルートで「春の海」の見本演奏を行った。

③「春の海」の旋律から参加者各自が技量に応じて、即興演奏を導き出すことに成功した。

④箏、「春の海」という日本の伝統音楽要素や題材に、サックスやフルートによる邦楽器以外の楽器が加わるためのプログラムを提供することができた。

ジャズコースの学生が2名(サックス)おり、グループ別の分かれる際に、それぞれのグループにひとりづつ配置できたので、その後の音楽づくりが円滑に進みました。ジャズコースの学生の能力を上手く引き出せた点で良い結果が得られたと思います。実施対象者てして大学生以上を想定しているので、参加者それぞれの専門能力をどう組み合わせて活かすかが重要になりますが、その点では成功したと思います。ただ、本人の反省にもある通り「春の海」をジャズ的に扱うに際して、ジャズ足らしめる具体的な音楽的要素(スイング、テンションなど)の説明や演奏上の工夫についての言及がまったく無かったので、雰囲気や感覚のみに頼る結果になってしまいました。限られた時間の中でも、その点について分かりすく簡単に触れることができれば、さらに充実したプログラムになったでしょう。

今回は冒頭分のモチーフを活用しましたが、中間部の掛合の箇所など、別の部分から要素を抽出することもできるので、音楽づくりの題材として「春の海」は様々な応用の可能性があることを実感しました。

担当:山口賢治

2012年10月 1日 (月)

9月19日はジャズ科4年のOさんによる、コブラのワークショップでした。

今回で3回目となるコブラでしたが、Oさん一人でリーダーをするのは初めてでしたが、とても落ち着いたリーダーぶりでした。

最初のアイスブレイクでマジカルバナナをして頭を柔らかくしたり、実際のコブラの映像をみんなに見せたり、小道具のバンダナを買ってきたり、いろいろ工夫や努力がみられました。

全体の音楽を聴いて自分たちで音楽を作っていくコブラはいつもの音楽づくりと共通するところがたくさんあり、とても意義深いワークショップでした。

それぞれの専門の楽器に移って音出しをした瞬間はとてもシビレました。

以下、Oさんによる報告書です。

授業担当 吉原佐知子 記


★実施日2012.9.19日
★実施対象大学生
★授業目的、自由に表現して音楽を楽しむこと。
★使用楽器、琴・三味線・尺八・自分の専攻している洋楽器
★授業の流れ
アイスブレイク15分
マジカルバナナゲーム
頭を柔軟にして次々に変わるお題を連想してリズムに乗りながら答えていくゲームなので音楽にも繋がるところがあると思い選びました。

コブラ
コブラについて、、
アメリカNY出身のサックスプレイヤーのジョンゾーン発明のカードを使った音楽ゲーム。
演奏者が自分達で音楽のストーリーを決めながら演奏していくという音楽です
またカードの詳細、ハンドサインについてはジョンゾーンにより厳しく守秘義務がある。

コブラの実践

先週までのルールの復習の後、新しいルールを加えて実践

まずは全員、邦楽器で実践




YouTube: 洗足学園音楽大学 邦楽ワークショップ コブラ3

次にそれぞれの楽器に移ってコブラの実践




YouTube: 邦楽ワークショップ コブラ3 様々な楽器による

★感想
ワークショップを終えてみて三回目のコブラゲームだったのでみなさん慣れていて積極的にカードコールをしてくれました。
>新たにカードを増やしゲリラというコブラの中でもリーダーになれるものまでチャレンジしてもらい、更にコブラの楽しさをわかってもらえたと思います。
>実際にプランプターになってみてアイディアがたくさんあって、あっと驚くようなカードコールをしてくれてすごく勉強になりました。
>

2012年9月18日 (火)

2012年9月12日に行われた邦楽ワークショップ授業のご報告です。

後期になって第一回目の学生による授業、担当はジャズ科4年生のNさんでした。
Nさんは前期に行った、COBRAという音楽ゲームでの音楽づくりをもっと深くやりたいとのことで、COBRA②として授業を行いました。前期に一度経験をしていたことがしっかりと反映され、事前準備も授業進行もとてもスムーズでした。
ただ授業内容は、前期に行ったCOBRAのルールをいくつか増やしただけで、他は前期とあまり変わらない内容でした。二回目の授業を行うにあたっては、前期のものをさらに発展させた授業をしてもらいたかったです。本人も終わったあとに反省していました。一度行ったものを発展させて授業することはなかなか難しいと思いますが、次回の授業は同じジャズ科の学生さんによるCOBRA③だそうですので、今回の反省もいかし頑張ってもらいたいです!

授業担当:中香里・記

以下、Nさんによる授業報告書です。

☆実施日:2012年9月12日

☆実施対象:大学生8名

☆授業目的:みんなにアドリブの楽しさを知ってもらう

☆使用楽器
箏・三絃(好きな調絃)、自分の専攻している洋楽器

☆授業の流れ
①アイスブレイク 10分
いつどこで誰が何をしたゲーム
コブラのルールにある目のカードを使ってアイスブレイクしました。

前回のルール復習 10分
・口のカード
P 何でも演奏出来る
R 指名された人だけが演奏する
S 演奏してない人が演奏できる
SX フェードインフェードアウト
・目のカード
C 目の合図で音つなげる
CO指されたらアクション起こす
・耳のカード 
M△ ミュージックチェンジ
G△ グループチェンジ
V ボリュームチェンジ
・手のカード
OUT 終了

新たなルール説明・手拍子でCOBRA体験 20分
・頭のカード
1 一個目のバンク
2 二個目のバンク
3 三個目のバンク
・手のカード
CODA 演奏していない人だけでCODAをつくり終了
全部のルールを含めて音楽作り[邦楽器]  15分
三味線と箏のグループに分けて音楽作りしました。


YouTube: COBRAで音楽づくり②-箏ver.


YouTube: COBRAで音楽づくり②-邦楽器ver.

全部のルールを含めて音楽作り[各楽器] 15分
邦楽器と洋楽器を混合して音楽作りしました。
今回、邦楽器も楽器ごとに分けて音楽作りしましたが、三味線は邦楽器なのに意外にjazzyになってとってもかっこよかったです。箏はキレイにまとまった音楽作りが出来ていたと思います。
混合でやった時は、やっぱり楽器の種類があると曲の流れが見えるので、音楽的に感じました。
みんな積極的にカードを呼んでくれたのでとてもスムーズに音楽作りができました。
みんなが楽しく音楽作り出来ることを目的にしていたのでもっとコブラに慣れて今以上の楽しみを知ってもらいたいと思います。
2012年9月 8日 (土)

後期最初の授業は前期の復習と、来週からの生徒によるワークショップの参考になるよう、吉原がワークショップをしました。

前期で出てきた、音楽づくりの手法(パターンかさね、コール&レスポンス、即興、対話etc.)や邦楽器の特徴(調弦、音色、技)

をみんなで思い出し、ホワイトボードに書きだした後、全音音階に調弦した箏で、ホワイトボードに書きだした音楽づくりの手法や技を実際にみんなでやってみて、最後に2つのグループに別れて音楽づくりをしました。

全音音階で、テーマは「夏の思い出」にしましたが、あくまでも音楽的になるように心がけるようにアドバイスしました。

出来上がった作品は、それぞれがしっかりした音で、各々が役割を意識し、様々な場面転換があり、素敵なものでした。




YouTube: 『夏』をテーマに音楽づくり①




YouTube: 『夏』をテーマに音楽づくり②

来週から生徒による音楽づくりが行われます。少しでも引き出しが増えたらよいと思います。

授業担当、吉原佐知子

2012年7月24日 (火)

実施日:7月18日
担当:山口賢治

前期最後のワークショップでした。
例年は前期が教員や複数年受講している邦楽コース学生が主にワークショップリーダーとして授業を行い、後期から受講学生に各自、原則1枠づつのワークショップを担当してもらっていました。しかし、今年は優秀な学生が集まり、前期から皆にワークショップを担当してもらいました。一部の学生には『計画書の作成→実施→実施後の報告書の作成』までをしてもらっています。
前期に学生が行ったワークショップを改めて振り返り、その中から音楽づくりのテーマを選び発表会を行うことをこの日のメインテーマとしました。
また、この日には荒川区の小学校の先生方11名が見学に来ました。皆さん熱心な先生方であり折角なので、学生と一緒に混じって参加してもらうことにしました。急なお願いにもかかわらず全員快く引き受けてもらえました。普段は仲間内だけでワークショップを行っていることが大半のですが、これだけ多くの外部の方達と一緒に音楽づくりができるのはとても良い機会だったと思います。
四つのグループに分け、前期実施したテーマの中から下記の方法を選んで、音楽づくりの発表会を実施しました。

■「肥後手まり唄」と「重ね」
  https://blog.senzoku.ac.jp/hougaku/2012/06/post-bf21.html
■「春の海」を用いてコールアンドレスポンス
  https://blog.senzoku.ac.jp/hougaku/2012/05/post-5f1b.html
■ 津軽じょんがら節を弾いてみよう
  https://blog.senzoku.ac.jp/hougaku/2012/06/post-b027.html
■古今調子による箏と唄のワークショップ
  https://blog.senzoku.ac.jp/hougaku/2012/05/post-edf0.html


YouTube: 邦楽ワークショップ前期まとめ

荒川区の先生方も積極的に音楽づくりに協力してもらえ、発表後の評価の際もそれぞれの作品のコメントいただくことができました。ありがとうございました。
これからも、開かれた授業展開できれば良いと考えます。

後期も引き続き、学生にワークショップを各自担当してもらう予定ですが、課題として、
 
 ・邦楽コース以外の学生
  邦楽器を使用するかもしくは、日本の伝統音楽やその要素を活用したテーマ
  でワークショップを行う。

 ・邦楽コースの学生
  ワークショップを実施する外部の出先に箏や三味線がまったくない、もしくは
  参加人数に対して極僅かしか楽器が用意出来ない場合(リーダー自身は邦楽器の使用可)
  を想定してワークショップ計画を組む。邦楽器が少ないので、上手く少数の
  楽器を活用したり、声やリコーダー、ペットボトル等の身近な物を使う等の
  工夫を考える。

後期もどんなワークショップを実施してくれるか楽しみです。

2012年7月11日に行われた邦楽ワークショップ授業のご報告です。

今回はジャズ科4年生のNさんとOさんによる、COBRAで音楽づくりをしようという授業でした。2人は授業の事前準備もしっかり行い、授業中も堂々としたリーダーぶりでみんなを指導し、一体感のあるとてもいい授業になりました。

『COBRA』は、演奏者と一人のプロンプター(指揮者)によって行われるゲーム・ピースです。演奏形態を指定する数枚のカード、演奏者のサインによるカード・コールなど、参加者全員の合議制により音楽が進行していく、フリーな集団即興を行うにはもってこいのゲームです。洗足のジャズ科ではこのCOBRAを実際に授業内で行っているそうです。COBRAに慣れている2人も、邦楽器で行うのはもちろん初めてなので、どうなるのか楽しみですと授業前からワクワクしている様子でした。アドリブの力が試され、鍛えられるであろうこのゲーム、和洋ミックスでどのような音楽が生まれたのでしょうか。

授業担当:中香里・記

以下、NさんとOさんによる授業報告書です。

☆実施日:2012年7月11日

☆実施対象:大学生6名

☆授業の目的
和の楽器と洋の楽器をミックスして新しいジャンルの音楽を生み出す。アドリブの創造力を鍛える。

☆使用楽器
箏・三絃(調弦:好きな調子)、尺八、打楽器、自分の専攻している洋楽器 

☆授業の流れ
①アイスブレイク 10分
内容:COBRAのルールの中の1つを使ってアイスブレイク
一回目は、リーダーが指示した人に、テンポに変化をつけながら手拍子回し。
二回目は、アイコンタクトでランダムに手拍子を回す。

②ルール説明 15分

●口のカード
P→音を誰でも自由に出せる。
R→指名された人しか音を出せない。S→その時演奏していない人が演奏する。
SX→フェードイン、フェードアウト。

●目のカード
CO→リーダーが指示した人にテンポに変化をつけながら、音を回す。
CT→目合図で、音を回す。

●耳のカード
M△→ミュージックチェンジ
G△→グループチェンジ
V→ボリュームチェンジ

●手のカード
LAST→演奏終了。

③参考資料鑑賞 8分
実際にジャズ科の演奏会で演奏したDVDを見ました。

④邦楽楽器で曲づくり 15分
ルールに基づいてみんなで2曲演奏しました。


YouTube: COBRAで音楽づくり・和楽器ver.

邦楽器で演奏したときは、1人1人の個性が見えた感じがしました。みんな、恥ずかしがらずカードを呼んでくれたので、初めは全体的に静かになるかな?と思ってましたが、COBRAのルールを上手に利用していて、とても面白い曲が出来ました。

⑤各自の楽器で曲づくり 20分
ルールに基づいて各自持参した楽器で2曲演奏しました。


YouTube: COBRAで音楽づくり・和洋ver.①


YouTube: COBRAで音楽づくり・和洋ver.②

各自の楽器で演奏したときは、邦楽器と比べて音数が増えました。専門の楽器はいつもの奏法だけなのでキレイにまとまった曲が出来上がりました。
邦楽器でやったときのように、面白い奏法が出てこなかったです。演奏自体すごくまとまっていたので、とてもいい曲が作れました。

⑥まとめ 10分

計78分

 

2012年7月4日の邦楽ワークショップのご報告です。

今回はヴァイオリン専攻のKさんがワークショップを担当しました。

現代音楽に興味を持つKさんは箏の特殊奏法に着目して音楽づくりをすることになりました。

最初はガチガチに緊張していたKさんも仲間に支えられながら少しずつ自分のやりたいことにむかっていけました。

この半期の授業を通して、邦楽ワークショップの受講生はとても頼りになる心強い仲間になっているのだなと改めて感じました。

では、Kさんのワークショップ詳細をご覧ください(報告:Kさん)

*授業の目的

 

普段のワークショップでは普通奏法を使って曲づくりをすすめることが多かったが、今回は特殊奏法だけを使うことでどのような違った音楽ができるのかを味わう。特殊奏法を使った音楽づくりに挑戦。

 *授業の流れ

①アイスブレイク 

4拍の手拍子で好きなリズムをつくり、一人ひとりにまわし。

次に手以外の体全体からでる音を使って最初にやった4拍で一人ひとりが音を探しリズムをつくる。

 →手拍子以外の奏法があることをわかってもらい、楽器を使う上での参考にしてもらった。

 ②2グループにわかって音づくり

2つのグループにわかれ、特殊奏法を使わない普通の奏法で音楽づくり、発表。

③奏法の発展

箏の特殊奏法の復習(押し手、かき爪など)

→実際に使われている特殊奏法

「押す・はじく・叩く」をキーワードに自分たちで奏法を考える

→新しい特殊奏法をつくり出す

74

④グループ

箏の特殊奏法+自分たちでつくり出した奏法を使ってグループで音楽づくりをする。

⑤グループの作品

「叩く」奏法を使ったグループは、箏の柱や箏本体を色々なリズムで叩いて出る音の違いを使って音楽をつくっていたのが効果的だった。ひっかいて音を出すだけではなく打楽器的な奏法が生きていた。

YouTube: 箏の特殊奏法による音楽づくり

「押す」奏法のグループは、押すスピードや回数、強さを様々に変えて微妙で不安定な感じの音で音楽をつくっていた。調性のない音楽づくりがとても不思議な音楽をつくりだしていた。

YouTube: 箏の特殊奏法による音楽づくり②

⑥まとめ

特殊奏法を使うこと、それを使って音楽をつくることなど、私の説明不足で皆さんには申し訳なかったです。ですが、どのグループも私が考えていたような音楽づくりよりも、もっとレベルの高い音楽をつくってくれて、驚きもあり新しい発見もでき、私自身とても楽しかったです。たくさん協力してくれた皆さんにはとても感謝しています。そして、事前準備の段階で分からないことだらけの私を助けてくださった先生方、ありがとうございました。