2023年12月27日 (水)

2023.12.20

楽調子による音楽づくり

音楽デザインコースの学生による今年度最後のワークショップでした。

20231226946.jpgをダウンロード

流れ

1,楽調子について説明

2,楽調子で弾けるポップスの一部をリーダーが弾いてみせる(紅蓮華、Cling Cling、打ち上げ花火、夏祭り)

3,夏祭りをみんなで練習→合奏してみる

4,グループに分かれて、様々な楽器をまぜて音楽づくり(夏祭りにこだわらずに楽調子で自由に音楽づくり)

5,発表、感想


YouTube: 楽調子による音楽づくり2023.12.20-2


YouTube: 楽調子による音楽づくり2023.12.20-1


YouTube: 楽調子による音楽づくり2023.12.20-3

今回のリーダーの学生は、副科で箏を履修し、自身の作曲する作品にも箏を取り入れるくらい、箏が大好きで、とてもまじめで熱心な学生だったため、安心して授業を見守ることができた。

学生たちは1年間、様々な題材や、音階、音楽構造で音楽づくりをしてきたので、困ることなくのびのびと音楽づくりをしていて、最後にふさわしい、素敵な作品が出来上がった。学生全員の成長も感じられた。

この1年でこの授業で得られたこと、たとえば音楽の構造を考えたり、一緒に音楽づくりをしたことにより音楽を聴く力や、自身の音楽感の向上などを、自身のフィールドでも是非役立てて欲しい。

授業担当 吉原佐知子

2023年11月 9日 (木)

2023/11/8

様々な楽器でさくらで音楽づくり

学生によるワークショップ

流れ

1、アイスブレイク

手拍子で前の人がつくったパターンの一部を引用しつつ手拍子回し。4拍で回す→8拍で回す

2、自分の使う楽器でさくらのメロディ練習→それぞれ一部だけ発表

3、全員でサクラのアレンジをかさねる。

4、グループで音楽づくり。約束→さくらがどこかに入っていれば良い,途中なくなってもよい。

5、発表,感想

それぞれがサクラを練習したのちに音楽づくりをしたので、自然に音楽づくりに移行できた。

それぞれの音楽性が生かされ素敵な作品が出来ました。

授業担当、吉原佐知子


YouTube: さくらで音楽づくり2023.11/8-2


YouTube: さくらで音楽づくり2023.11


YouTube: さくら、様々な楽器で音楽づくり2023.11.8-4


YouTube: さくらで音楽づくり2023.11.8-3

かごめや通りゃんせのような昔遊びをもとによる

音楽づくり

学生によるワークショップ

流れ

1、昔遊びをおもいだす。実際にあそんでみる。

2,曲をアレンジ、箏を1面必ず入れて、あとは様々な楽器で音楽づくり

3,発表

様々な楽器が入り、素敵な作品が出来ました。


YouTube: 昔の遊び歌による音楽づくり2023.11.1-2


YouTube: 昔の遊び歌による音楽づくり2023.11/1-1


YouTube: 昔の遊び歌による音楽づくり2023.11/1-3

授業担当、吉原佐知子

2022年12月 2日 (金)

2022年11月30日はジャズギターコース専攻の学生によるワークショップでした。

箏は調弦が自由自在に替えられるという特徴を生かしたワークショップ案です。

学生のワークショップ案↓

●ワークショップのテーマ
琴をそれぞれの思う個性的な調弦にしてみる。そしてその調弦を用いて音楽作りをしてみる。

●実施の目的
琴という楽器の調弦の自由度に着目することで、和楽器への理解を深めると共に音楽の可能性を考える。(現代音楽的発想)

●用意する楽器
琴(グループに一台)
各専攻楽器

●対象
高校生〜大学生以上(音楽教育を受けていることが前提)

ーープログラムーー
内容説明&グループ分け☞10分
調弦作り☞15分
(チューナーやピアノ等使用可)
調弦とその特徴を発表☞10分
音楽作り(2グループに分ける)☞15分
発表&まとめ☞10分

学生の考えた調弦↓

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2022_12_02_7_57.MOVをダウンロード

2022_12_02_7_57_1.MOVをダウンロード

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学生による固定観念のない自由で柔軟な発想により、考えだした調弦も斬新で、その調弦を使った作品も既存の現代曲のように素晴らしいものができました。

学生による作品↓


YouTube: 自由な調弦による音楽づくり 2022.11.30-2


YouTube: 自由な調弦による音楽づくり2022.11.30-1

学生の感想も今までで一番楽しかった、という声もあり、ワークショップリーダーの学生のリーダーシップも的確で称賛の嵐でした。

箏専攻の学生は1人だけであとは他専攻の学生だったために、既成概念のない自由な発想やアイディアにより今回のような音楽ができたのだと思いました。

授業担当 吉原佐知子

2022年5月30日 (月)

今回は三味線ワークショップ第2回目、「さくら」をテーマに音楽づくりをしました。
その模様をお伝えします。

『さくらモチーフで音楽づくり』
実施日:2022年5月25日
対象:音大生21名
使用楽器:三味線(HEAの三下り)
目的:三味線初心者が大半を占める中、簡単に会得できる「さ(A)く(A)ら(H)」のモチーフを使って三味線の基本的奏法習得から音楽づくりに繋げ、独自のさくらミュージックへと展開させることを目指す。

〜授業の流れ〜
①楽器準備、調弦、基本バチの練習

②基本奏法・特殊奏法の紹介と練習
⚫︎基本奏法→スクイ、ハジキ、ウチ、スリ
⚫︎特殊奏法→コスリ、アテハジキ、ウラハジキ

③基本奏法・特殊奏法を使用した独自のパターン作りと発表→4拍のパターン

④さくらモチーフの練習

⑤さくらモチーフを使用したパターン作りと発表

⑥グループ実習
7名ずつの3グループに分かれ、「さくらモチーフを使用する」「三味線の奏法を採り入れる」「始まりと終わりを決める」この3つを音楽づくりの約束とし、それぞれのグループでさくらモチーフを使用した音楽づくりをしてもらった。
中間発表でのアドバイスやお互いのグループの音楽観を踏まえてそれぞれのグループで音楽をまとめ、最後に発表会を実施。


YouTube: さくらモチーフで音楽づくり①〜2022年


YouTube: さくらモチーフで音楽づくり②〜2022年


YouTube: さくらモチーフで音楽づくり③〜2022年



グループ①は津軽三味線のさくらがリードする中、独自のさくらパターンを重ねて伴奏とし、正統路線のさくらミュージックが出来上がった。さくらパターンの変化やリズムの導入、拍の変化などをもっとつけるとより音楽が広がっていくと感じた。

グループ②はリーダーの特徴的なリズムに乗せて順番に自分の音楽を重ねていき、最後はコスリで統一して終わった。音楽が重なっていく度に複雑な音形となり、いなくなる度にシンプルな構成になっていく様は、強弱や拍での変化をつけなくとも音形のうねりが感じられ、印象的であった。

グループ③は邦楽の音楽観とは全く異なり、ジャズ的な音楽づくりであった。三味線を打楽器に見立てた部分や歌を採り入れたのもポイントであった。個人的にはLiveを見ているかのようで気持ち良く楽しめた。

このテーマは毎年初期頃に授業で扱っているが、今回の音楽づくりを聴いて改めて、三味線の打楽器的展開と和音展開の可能性の幅を感じた。
今後の授業でどのような三味線の可能性をみせてくれるか、非常に楽しみである。

授業担当:市川香里 

2022年5月 3日 (火)

■実施日 2022年4月27日
■担当 山口賢治
■テーマ
宮島達男のデジタルアートから音楽を考える
〜《それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く》の作品構造から音楽づくり〜
■概要
発光ダイオードカウンターなどのデジタルデバイスを使用した作品が代表作がある現代美術家である宮島達男の作品構造をヒントに音楽づくりを試みた。
宮島達男


YouTube: SOPH.20th Project "SOPHNET. x 宮島達男"

宮島作品の《それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く》はデジタルカウンターが平面上縦横に配置されており、一定の周期で1から9までのカウント表示とブランク(数字表示がオフ)を繰り返す。表示周期は各々のカウンターごとに異なり、巨視的には赤い光による表示と明滅の揺らぎが立ち現れる。


・音楽構造と数列の関係について、フィボナッチ数列(1 1 2 3 5 8 13 21)によって組み立てられたバルトーク作曲『弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽』を鑑賞し、参考とした。


YouTube: Béla Bartók Music for Strings, Percussion and Celesta

・音楽づくりでは最も単純な等差数列であり《それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く》の「1から9までのカウントとブランク」の構造を活用して音楽づくりに取り組んだ。

【授業記録動画】


YouTube: 宮島達男の作品をもとに音楽づくり
コロナの状況でのマスクを着用のため聞こえるように大きな発声ができないためあまり聞き取れない点はご了承ください。
 ①0’00”〜0’29”
  全員で「1から9までのカウントと休符」を繰り返し唱えた。音楽づくりのベースとなる構造
  の確認作業となる。 
 ②0’30’”〜1’19”
  「1から9までのカウントと休符」を繰り返しを各々異なる周期で唱えた。
 ③1’20”〜1’55”
  ②を背景に声のによる自由な掛け合い(コールアンドレスポンス)を行った。
 ④1’56”〜2’44”
  ①で休符のかわりに楽器の音を挿入した。
 ⑤2’45”〜3’19”
  リズムドローンを加えて④を行った。
 ⑥3’20”〜4’03”
  ②の方法で休符のかわりに楽器の音を挿入した。
 ⑦4’04”
  「1から9までのカウント」に合わせて、数字が増えるにつれて音数、音程、音量がなどが
  漸次的に増大する発音イベントを重ねる試みを行った。あまり狙い通りの効果を実現する
  前に時間切れになってしまった。

■授業を振り返って
 音具や楽器を持参して参加したくれた学生が多かった。トーンチャイムに三味線、ヴァイオリン、ベースipadなどに加えて北欧の楽器であるニッケルハルパも加わった。様々な音色が混じり合い、とても色彩感のある音響を実現できたことに興味が持てた。
 この授業では単純なカウントに基づく音楽づくりであった。そのため子供でも老人でも、楽器がまったく演奏できない人でも参加できる方法論であり、様々な応用が可能なプログラムであると同時に、音楽と美術作品の関連について学ぶことができる話の流れも組み立てることができた。
 音楽づくりのテーマや手法は同じ音楽の世界の中から見つけ出すことが多いが、音楽以外の芸術分野から音楽づくりのコンセプトを取得することも考えられる。遊び、美術、さらには広くは建築や工芸とも音楽との相互関係を見出し、文化的に共通する背景を探ることによって新しい音楽教育プログラムを拡げることができる。音楽づくりワークショップ教育の研究や実践が普及している現在、さらなる発展のためには隣接する分野や文化にも目を向ける段階ではないと思った。
 

2022年4月 1日 (金)

コロナ蔓延により、対面授業ができなかった時期に実施したワークショップの記録をまとめた紀要論文「オンライン上での音楽づくりワークショップの実践報告〜学内 Google Meet を活用した音楽づくりの実験授業〜」が教職課程年報 第5号にアップされました(執筆:山口賢治)。

https://senzoku.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=2209&item_no=1&page_id=13&block_id=21

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2021年8月13日 (金)

箏を使ってブルースの音楽にチャレンジ

箏をブルースの音階にして音楽づくりをした。

調弦C,E♭,F,G♭,G,B♭,C,E♭,F,G♭,G,B♭,C

授業のながれ

1.まず調弦になれるために自由に箏を弾いてみる

2,色々な技も復習してみる

3,学生の一人にピアノで写真の基本的なブルースの伴奏を弾いてもらい、一人ずつ12小節の即興で回す

4,それに飾りやパターンを自由に加えてみる

5,小説数などに関係なく、グループで自由に創作、発表。

まとめ

爪の箱を持った学生が中央でリズムを刻み、他の学生はまさにブルースの音楽に浸りながら自由に即興していて、素晴らしかった。

学生自身もまさか箏でブルースができるなんて!!!と驚きつつも楽しく音楽をつくってくれて、とても嬉しかった。

2021_06_29_10_07


YouTube: ブルースによる箏の音楽づくり2021拍あり


YouTube: ブルースによる箏の音楽づくり(拍なし)


受業担当 吉原佐知子 記

箏を使ってソーラン節による音楽づくり

調弦 EGACDEGACDEGA

題材について

ソーラン節は北海道の有名な民謡である、今回はソーラン節を題材に音楽づくりをすることにより、5音音階で調弦された箏では簡単に音楽づくりができることを実感してほしい。

授業のながれ

1,ソーラン節のメロディの練習

2,特殊奏法の練習

3,独自の奏法を見つける

4,パターン重ね

5,ソーラン節の一部を使ったドローンの上で即興でメロディを重ねてみる

6,即興の上に飾りをする人も加えてみる

7.ドローンを無拍にしたり、有拍にして、その上で自由に即興してみる。

8,グループで今までやってきた活動を組み合わせて音楽づくり

結果

どこかでソーラン節のフレーズが流れている上でそれぞれがよく聴き合って自分の役割を考えながら、適材適所で音を構築し、素敵なソーラン節の音楽づくりができていた。

生徒達も5音音階で濁る音がないので、思ったより簡単に音楽づくりが出来た、という感想が多かった。


YouTube: ソーラン節による音楽づくり

授業担当 吉原佐知子 記

2021年7月19日 (月)

◆実施日:5月19日

◆担当:山口賢治

◆テーマ:オンラインので音楽づくりワークショップ

     〜音の密度の確率的制御による音楽づくり〜

以前に「音の密度や強弱から音楽をつくる〜クセナキス 作曲「アホリプシス」を参考に音楽づくり〜」を行なったが、

https://blog.senzoku.ac.jp/hougaku/2016/08/post-a970.html

この方法をオンライン上での音楽づくりに適用した。


YouTube: オンラインので音楽づくりワークショップ 〜音の密度の確率的制御による音楽づくり〜

この方法論を採用した理由は、オンラインによるタイムラグの影響をほとんど受けずに実施できると判断し、試行した。但し講義授業用のオンラインシステムでは、音楽的な質の高い音響や明確な音色感、音量の繊細な強弱をサウンドに反映させることには制約が生じる。なので今回は音の密度や高さ、発生する単語の意味が持つニュアンスを中心要素として音楽を組み立てた。参加者にはストップウォッチを準備してもらい、時間の刻みに従って音楽を進行させた。

演奏に参加できる人数制限やマイクデバイスの性能差によるばらつきの影響など、調整が必要な課題があったものの音楽づくりを進めることが可能であった。また今回の試行で得られた音響は、高音質ではないものの、かつてのテープ音楽やミュージックコンクレート的な音響世界が結果的に生み出された。このような体験をもとに、過去のテープ音楽やミュージックコンクレート作品の鑑賞に繋げるプログラムの可能性を見出すことができた。