2012年10月24日に行われた授業のご報告です。
今回はフルート専攻4年の間嶋祐未さんによるワークショップでした。授業では良い点もあり、反省点もありと間嶋さんにとっていい経験となる授業でした。大変素晴らしかったのは、授業終了後に作成してもらった報告書です。なぜこのテーマにしたのか、授業の反省点や改善点などが明確に記されており、きちんと自分を見つめ直している様子がよく伝わってくる報告書でした。
担当:中香里
以下、間嶋さんの報告書です。
◆テーマ
◆目的
音楽で絵、ストーリーを表現する
◆対象
大学生以上
◆使用楽器
箏 6面、三味線、フルート、サックス
◆調弦
ドレミ調弦
◆授業の流れ
⓪これまでの復習として、音楽で「秋」を表現する。
1秋といえば、どんなイメージがあるか全員に聞く。
→運動会、落ち葉が舞う様子、紅葉などさまざまな意見。
2 一人一人、思い描くイメージを箏で表現する。
① 音楽で「情景」を表現する。(教科書『中学生の音楽 1』を参照)
1 3枚の絵を見て、イメージを膨らませて簡単なストーリーをつくる。
2 場面ごとにグループで音楽づくり。
→今回は、1枚の絵につき2人で音楽づくりを行いました。
3 全体で繋げて発表
② 音楽で「絵本」を表現する。
1 おはなしコンチェルト(絵本に音楽を加える活動)の映像を観る。
2 全体で絵本に音楽を加えていく。
→今回は、皆さんにも意見を聞いて「ねずみくんのチョッキ」という絵本を選びました。動物が沢山出てくる絵本なので、動物ごとに担当を決め、それぞれどんな音がほしいか言ってもらうことにしました。
3 発表
YouTube: 邦楽ワークショップ「音楽で○○を表現しよう」
4 まとめ
今、音楽教育の中で「日本の伝統音楽」が重視されると共に、「創作」の活動も大切にされています。その「創作」を授業で行う際に、全ての生徒が演奏出来る楽器があるわけでもなく、ピアノも1台という環境の中でどうやって行なうのか?とここ2年ほど、ずっと考えていました。そして、この邦楽ワークショップの授業を通して、箏であれば、比較的誰でも音を出すことができ、学校が所有している数が多いのではないかと思うようになりました。今回は、その音楽教育の「創作」を意識して、私が絵本に音楽を加える活動をしていることもヒントにしながら「音楽で◯◯を表現しよう」というテーマにしました。
実際にワークショップを行ってみて、心残りはみなさんを上手く導くことが出来なかったことです。この授業を通してこれまでにいくつもワークショップに参加して、ある程度ベースとなる音であったり、リズムであったり、ルールや縛りがあると音楽づくりがしやすいと学んでいたにも関わらず、私の頭の中で上手く整理出来ていなかった為に、みなさんに的確な指示が出来ませんでした。人の前に立つ時、臨機応変に対応できる力も必要ですが、事前に頭の中でもっと具体的に反応を予測して、準備しておくことが大切だと改めて思いました。音楽づくりは、参加する人によってどんな化学反応が起こるかわからないという面白さがある反面、自分で進み方を全てコントロール出来ない難しさがあると痛感しました。
反省点は沢山ありますが、先生や皆さんの音楽的センスの支えによって、素敵な音楽がつくられました。ストーリーと共に、音楽に変化があって面白かったです。ありがとうございました。
ねずみくんも、素敵な音楽が加わってきっと喜んでいるようようにおもいます♪
コメント