2012年10月3日は現代邦楽専攻のOさんのワークショップでした。
今年度に入って、Oさんと組むのは2回目でしたが、今回のワークショップでは楽器の数が参加者より少ないという制約がありました。箏の代わりになる楽器を入れる、手づくり楽器をつくって用いる、柱の左側(音程が定まらない部分)も使って現代的な音楽をつくるなどのアイディアが出ましたが、Oさんと打ち合わせを重ねるうちに、これらのアイディアは今回はできないよねということになりました。その理由を簡単にまとめてみると、
・箏の代わりになる楽器を入れること→楽器選び(箏以外の楽器)の理由が必要で、今回はその理由がうまく見つかりませんでした。
・手づくり楽器をつくる→箏よりもいい音のする楽器(箏と同じくらい音の出る楽器)をつくることができるか、また、楽器の数が少ないからその分を手づくり楽器にするという理由だけで手づくり楽器と箏を組み合わせることに意味があるかという疑問が出てきたために今回はやめました。
・柱の左側も使って現代的な音楽にする→現代音楽との関わりが本当にあるのかという疑問にぶつかり、また同じようなアイディアの納得いく音楽作品が見つからず今回はやめました。
その結果、他の楽器などは入れず箏だけで複数人(3人以上)が一緒に使って面白いアイディアをもう一度考えようということになり、出てきたアイディアは「1面の箏を4人で使ってさくら」のワークショップです。ワークショップでは、参加したみんなが「面白い!」と声をあげる音楽づくりになりました。
Oさんの報告書で、ワークショップのながれなどご覧ください。
授業担当:味府美香
◆テーマ
みんなで協力して“さくら”の音楽つくり
◆目的
箏の数が少なくても、みんなで楽器に触れることができ、音楽づくりもできる。
◆使用楽器と人数
箏2面用意 、8人(1面を4人で使う)
◆調弦
平調子をもとに調弦。
◆授業の流れ
1.1面の箏に4人つく
2.調弦に慣れてもらう
・一人の担当する弦は6本か7本。そのうちしっかりと調弦(チューニング)されている弦(2本~4本)がある。しっかりとした調弦の場所は4人それぞれで異なるが、4人に必ず共通してG音とA音が入っている。
3.ドローン、パターン、メロディーに分かれ、しっかりと調弦されている音のみを使用して4人で音楽づくり
4.発表①
5.しっかりと調弦されていない弦も使用し、音楽づくり
6.発表②
7.4人で協力して“さくらさくら”を演奏する
・調弦に慣れてきたら皆で協力してさくらさくらを最後まで演奏する(メロディーを分けて演奏する)
・リーダー(O)のパターンにのせて“さくらさくら”を演奏
8.“さくらさくら”を使って音楽づくり
《ルール》
・皆で協力して弾いた“さくらさくら”のメロディーを生かしつつ、音楽に厚みをつける
・調弦されていない弦を使ってもよい
・始め方と終わり方決める
・最後のワンフレーズの前にグループの個性をだす(メロディー以外を工夫する)
・歌ってもよい
9.発表③
YouTube: 4人で一面の箏を使う音楽作り3(分担してさくらフレーズ)
◆感想、反省
三味線を専攻しているので、箏を使用した音楽つくりは少し難しかったが、皆が考えながらも楽しそうに音楽づくりをしてくれたので嬉しかった。
最初、調弦を理解してもらうのに少し時間がかかってしまったので、伝え方の工夫を今後の課題にしたい。
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