今回は三味線ワークショップ第2回目、「さくら」をテーマに音楽づくりをしました。
その模様をお伝えします。
『さくらモチーフで音楽づくり』
実施日:2022年5月25日
対象:音大生21名
使用楽器:三味線(HEAの三下り)
目的:三味線初心者が大半を占める中、簡単に会得できる「さ(A)く(A)ら(H)」のモチーフを使って三味線の基本的奏法習得から音楽づくりに繋げ、独自のさくらミュージックへと展開させることを目指す。
〜授業の流れ〜
①楽器準備、調弦、基本バチの練習
②基本奏法・特殊奏法の紹介と練習
⚫︎基本奏法→スクイ、ハジキ、ウチ、スリ
⚫︎特殊奏法→コスリ、アテハジキ、ウラハジキ
③基本奏法・特殊奏法を使用した独自のパターン作りと発表→4拍のパターン
④さくらモチーフの練習
⑤さくらモチーフを使用したパターン作りと発表
⑥グループ実習
7名ずつの3グループに分かれ、「さくらモチーフを使用する」「三味線の奏法を採り入れる」「始まりと終わりを決める」この3つを音楽づくりの約束とし、それぞれのグループでさくらモチーフを使用した音楽づくりをしてもらった。
中間発表でのアドバイスやお互いのグループの音楽観を踏まえてそれぞれのグループで音楽をまとめ、最後に発表会を実施。
グループ①は津軽三味線のさくらがリードする中、独自のさくらパターンを重ねて伴奏とし、正統路線のさくらミュージックが出来上がった。さくらパターンの変化やリズムの導入、拍の変化などをもっとつけるとより音楽が広がっていくと感じた。
グループ②はリーダーの特徴的なリズムに乗せて順番に自分の音楽を重ねていき、最後はコスリで統一して終わった。音楽が重なっていく度に複雑な音形となり、いなくなる度にシンプルな構成になっていく様は、強弱や拍での変化をつけなくとも音形のうねりが感じられ、印象的であった。
グループ③は邦楽の音楽観とは全く異なり、ジャズ的な音楽づくりであった。三味線を打楽器に見立てた部分や歌を採り入れたのもポイントであった。個人的にはLiveを見ているかのようで気持ち良く楽しめた。
このテーマは毎年初期頃に授業で扱っているが、今回の音楽づくりを聴いて改めて、三味線の打楽器的展開と和音展開の可能性の幅を感じた。
今後の授業でどのような三味線の可能性をみせてくれるか、非常に楽しみである。
授業担当:市川香里
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