2012年7月11日 (水)

6月27日は、フルート専攻4年のKさんとMさんが、それぞれのテーマで40分ずつワークショップをしました。

2人は、去年1年、私の通年の箏講座をとってくれていて、まじめで優秀な生徒で、学級委員のような存在です。

よって予想道り落ち着いた素敵なワークショップをしてくれました。

2人とも、ホワイトボードを上手に活用していました。また、アイスブレイクから本ワークショップへの流れも上手にできていたし、視聴するCDも自分で購入したりしてみんなを驚かせていました。

2人とも教育実習直後というのもあり、堂々としていて内容も良く、みんなの様子をよく見ながら立派にやってくれました。ワークショップの時間が短くてかわいそうでした。後期は是非2人とも1コマずつ使って、今回のテーマを深めるのも良いとおもいました。

以下、2人に作成してもらった報告書です。

授業担当 吉原佐知子 記

~Kさんによるワークショップ報告書~

★授業テーマ★「ケチャのリズムで和楽器を演奏しよう。」
★使用楽器★筝、打楽器
★授業の目的★普段、親しみのない諸外国の伝統音楽に興味をもってもらい、そのリズムを日本の楽器で演奏するとどのような音楽になるのか感じてもらいたい。

①アイスブレーク

リーダーが単純なリズムパターンを4拍子でたたき、リーダー以外のメンバーは、その逆のリズムパターンをたたく。(常に八分音符に聞こえるように。)
リーダーを変えて数回行う。

②実際にインドネシアの伝統音楽であるケチャをCDで聴いてもらう。
ケチャを聴いた後に、数人に感想をきき、それをもとに音楽づくりのヒントを導き出す。(間合い、強弱、速さ、・・・などの特徴)

③あらかじめホワイトボードに書き込んでおいた、ケチャのリズムをパートにわけ、手拍子で実際に演奏してみる。
できたら、手拍子したところを「チャ」と言葉にしてやってみる。
できたら、リーダーの指示に合わせて強弱をつけてみる。

④音楽づくり。
人数が少なかったため、いつもと違い、1グループで行ってもらった。邦楽コースの方を中心に、グループで話し合ってもらい、「間合い、強弱、速さ」を意識して、ケチャのリズムをつかった音楽づくりをしてもらった。使用する楽器は、自由に選択してもらった。




YouTube: 邦楽ワークショップ ケチャ

★まとめ★
今回の授業は二人でW,Sを行ったため、普段より時間が少なかったため、アイスブレークや音楽づくりで、ゆっくり時間をとることができませんでした。
音楽づくりの発表の際、とても新しく楽しいものがつくれましたが、もっと時間をかけて、グループの中で深く話し合いや練習ができていたら、もっといいものができていたと思います。
そこが皆の実力を全力で出してあげられなかったのが、残念でした。
しかし、ケチャを初めてしった人、久しぶりに聴いた人、様々な人がいた中、積極的に楽しんでケチャに親しんでいただけたのでよかったです。

~Mさんによるワークショップ報告書~

実施日:6月27日水曜日4限
◇授業の目的・目標
 
・今までのワークショップで得た知識や経験を使い、グループごとに“カノン”を用いた曲を作り邦楽器で表現すること。
◇実施対象
・大学生以上
◇使用楽器
・琴 8面 調弦:ドレミ調弦 
 
◇授業の流れ(45分)
 
プログラム実施の前に、楽譜と奏法を書き出しておく。
 
①アイスブレイク (楽器不使用、歌で行う) 5分
・「カエルの歌」を輪唱する。
誰でもやったことがあるだろう、かえるの歌で輪唱を行い、輪唱を短に感じてもらうのが目的。本当は、ただ楽譜通り輪唱した後に、強弱の変化等1人1人工夫をしてもらい、再度輪唱を行いたかったが今回は省略した。
②CDを聴き、音楽づくりの参考にする 5分
・「パッハベル」のCDを聴き、“カノン”のイメージを掴む。
今回のテーマとなる「パッハベルのカノン」の琴での演奏を聴いてもらった。曲の流れを知るのと同時に、弦楽器の曲というイメージがあるが、琴で演奏することで、また違った素敵な演奏になることを感じてほしかった。
③音楽づくりの準備 10分
・「パッハベル」の3つのフレーズを琴で演奏し、みんなで輪唱?させてみる。
ホワイトボードに書いてある楽譜を、邦楽コースの方にサポートしてもらいながら行った。
④音楽づくり 20分
・2グループに分かれて、約10分間音楽づくりを行う。(実際は、音楽づくりに約20分かかってしまった。)
・できた音楽を発表し合う。 
<音楽づくりのルール>
◆“カノン”を必ず用いること。
◆琴の様々な奏法を取り入れること。

◇邦楽ワークショップの計画・実施をした感想   
今回の反省点としては、音楽づくりの前に、奏法の確認や、何か違うフレーズを使って、強弱の変化やバリエーションの仕方を考える等の場面を設けることで、よりスムーズに音楽づくりを行うことが出来たのではないかと思います。また、みなさんが熱心に音楽づくりを行ってくださっている中で、どこで時間を切ればいいか悩んでしまいました。 今回の反省を次回に生かすことができれば…と思います。 今年度、初めて邦楽ワークショップを履修し、様々な邦楽器に触れ、奏法を学ぶと同時に、普段当たり前のように演奏したり、聴いたりしているはずの「音楽」についても考えさせられています。ワークショップを通して、有拍と無拍の音楽や対話、模倣、バリエーション等、音楽の要素をピンポイントに取り出して音楽と向き合うことで、曲を演奏する時に生かすことが出来ています。  今回は、対位法の授業で、丁度カノンやフーガについて学習していて、これをワークショップで行うと面白いのでは?と思い計画しました。ワークショップでは、色々な場面で私が勝手に焦ってしまい、計画通りではなかったですが、先生方、邦楽コースの方、そしてみなさんの音楽性に助けられ、思い描いていた以上にすばらしい“カノン”が教室中に溢れました。本当にありがとうございました。
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2012年6月25日 (月)

2012年6月20日に行われた授業の様子をご報告いたします。

今回は、邦楽ワークショップ2年目の音楽音響デザインコース4年生のKくんによる授業でした。
Kくんは以前から邦楽ワークショップに強い関心を示しており、音楽づくりでは毎回さまざまなアイデアで私達を驚かせている、才能あふれる学生さんです。今回の授業も、みんなで実験をしながら授業を進め、学生さんからも授業中にアイデアを提供してもらうという、今までになかった授業形態をとり、私達を大いに驚かせてくれました。

授業担当:中香里・記

以下、Kくんによる授業報告書です。

☆授業タイトル:行動の制限(縛り)による音楽作り

☆実施日:2012年6月20日

☆実施対象:大学生8名

☆使用楽器:箏(平調子)・三味線(本調子)・尺八・小鼓

☆授業の目的:曲作りにおいてアイディアを生み出す方法の一つとしての「行動の制限」(縛り)による音楽作りをテーマにワークショップを行いました。

☆アイスブレイク
1、まず皆さんで「何の制限もなく」音を出してもらう
→身体を叩いたり、声を出してみたり、身の回りにあるものから音を出したり、中には椅子を投げ付ける方(山口先生)もいました。このように「無制限」から音楽を作ろうとした結果、とても無秩序で混沌とした演奏になりました。
2、手拍子だけで自由に音を出してもらう
→手拍子だけ、という条件を設けることによって出せる音色が制限されました。無拍と有拍が混ざった、混沌としたリズムによる音が生まれました。
3、手拍子で一人ずつ順番に自由な4拍のリズムを重ねていく
→先程のものを有拍のリズムに限定する事により、一定のテンポ感で様々なリズムが混じり合った結果が得られました。
4、手拍子で今度は4拍を回していく ただし、必ず全て4分音符で叩くこと
→すごくつまらないことをやらせているように見えますが、山口先生だけはこの中に「強弱の自由」がある事に気付いていました。
5、もう一度上と同じ内容を行うが、「強弱」に関しての自由があることを強調してから行う
→この指示をしただけでつまらなかった手拍子回しがとても面白くなりました!それぞれの方が音の強弱を変えるポイントを工夫していて聴いていてとても面白かったです。
6、上の流れを声でもやってみる
→今回は声で、順番に「いち、に、さん、し」と言ってもらって回しました。自分は声になると音程が自由になる点に着目してこれを行ったのですが、言葉の「言い方」を変える方がいてとても驚きました。同じ言葉でもニュアンスが変わるだけで声による音の印象が全く変わるということに気づかされました。
・予定には無かったのですが、上記の流れをやってみた所、声で「喜怒哀楽」を表現してみてもいいのではないか、という意見があったので「いち、に、さん、し」を喜→怒→哀→楽の順番で回してもらった
→皆さんの喜怒哀楽の演技はとても面白く、さらにこれによって喜怒哀楽それぞれの特色が掴めました。


YouTube: 2012年6月20日アイスブレイク①


YouTube: 2012年6月20日アイスブレイク②

☆ワークショップ
1、まずは楽器を出してもらう(箏、三味線、尺八どれでも)
→箏を出す方が多かったです。理由としては、邦楽器専門の方を除くと「爪で弾くだけで直感的に音が出せる」という点で箏が優れていたからだと指摘されました。
2、調弦などが終わったら様々な「縛り」を加えて、同時に演奏してもらったり重ねたり回したりしてもらう
・全員同じ音程の音だけを使って演奏
→比較的出しやすい「レ」の音で縛った結果、様々なオクターブ、音色のレの音がかき鳴らされましたが、音が同じでもごちゃごちゃしていて聴いていられない印象でした。
・上記の演奏の反省より、耳を傾けて静かに演奏
→すると先程より美しく聴こえました。特殊奏法を使う方もおり、際立ってそれが聴こえました。演奏が良くなった理由を皆さんに聞いてみた所、「耳を傾ける事によって自分の演奏ではなくみんなの演奏という意識が芽生えた」という意見がとても印象深かったです。
・リズムを縛って演奏
→音はなんでもいいので、と4分音符(休みもなし)で全員同時に演奏してもらった所、聴こえ方は悪くなかったものの、リズムが単調なため「面白みに欠ける上に演奏がつらい」という意見がありました。
・音程とリズムを縛って演奏
→レの音と4分音符という非情とも言える縛りで全員同時に演奏してもらった所、強弱の要素が残っているとは言え全員同時にバラバラな音の強さで鳴らしていて強弱が全く際立たなかったのでこれ以上つまらない演奏はないんじゃないかと言っていいほどつまらない結果が得られました。
・上記の演奏の反省より、全員同時ではなく、一人ずつ回して演奏
→16拍で回してもらいました。すると強弱や特殊奏法がちゃんと伝わり、音程とリズムを固定していても、それぞれが面白い演奏になっていました。
・意見があったのでさらに「喜怒哀楽」という縛りを加えて上記の演奏をしてもらった
→音の強弱、音量の時間的変化(アタック、リリースなど)、音色感など、それぞれの感情ごとに特徴が出ていて面白かったです。これを板書で纏めてみようとしましたが、テーマから少し脱線する事だったので時間が若干押してしまいました。

☆音楽作り
・2グループで分かれて何らかの「縛り」を考えて、行動を制限する事によって生まれるアイディアを生かした音楽作りをしてもらう
→まず10分程度何をするか考えてもらい、演奏をしてもらってから、どのような縛りを演奏に加えたかそれぞれ尋ねました。その後、それぞれのグループに縛りを加えた結果出来た事、出来なかったことを尋ねました。演奏は両方のグループ共にとても音楽的で面白い印象を受けました。
・縛りによって出来たこと
→絶え間なく演奏を続ける事が出来る、統一感が出る、繰り返す事によりトランス状態になれる、喜怒哀楽という縛りによって喜怒哀楽の表現が出来た
・出来なかったこと
→要素を統一する事で沢山の要素が入り混じった演奏が出来なくなった、演奏がつらかった


YouTube: 行動の制限(縛り)による音楽づくり


YouTube: 行動の制限(縛り)による音楽づくり②

☆まとめ
アイディアはそう簡単に思いつくものではないので、手段の一つとしてこういった方法もあるということを提示して今後の音楽作りに生かしてもらう、という事を目的にこのワークショップを行いましたが、最後に「目の見えない人が耳に敏感になるように、いくつかの要素を縛ってみる事で見落としがちな要素に気付く」といったような説明をしたら納得してもらえました。特に、音楽において重要な音程とリズムが縛られた時、ダイナミクスや、特殊奏法によって生まれる音色に着目してもらえた事がこのワークショップ一番の収穫でした。
反省すべき点は、実験的なワークショップだったためスケジュールをはっきり決めなかった事により話が脱線してしまって時間が押してしまった事でしたが、「流れを完全に決めてしまってワークショップしている時よりも、皆で考えて授業をやっている感じがあって面白かった」という感想も頂きました。やはり自分の授業を進めてゆく力不足だったのだと反省しています。ですが結果的に伝えたい事が伝わったのでこのワークショップの意義は大きなものだったと思います。

2012年6月22日 (金)

2012年6月13日に行われた邦楽ワークショップ授業のご報告です。

今回はジャズ科4年生のTくんによる、4バーストレードをテーマにした授業でした。Tくんは今年初めてこの授業を履修した学生さんで、授業直前まで準備に追われるなど少々心配もしましたが、初めてということを感じさせない、ジャズ科ならではのアドリブ感満載の授業でした。テーマも自身の専攻を活かしたものを選び、ジャズ科のTくんだからこそできる、ジャズと邦楽がうまく融合したとっても楽しい授業になりました。また、普段は邦楽器を弾くのに奮闘しているジャズ科の学生さん達がみんなをリードして音楽づくりする姿も見られ、とてもうれしく感じました。ただ時間配分がうまくいかず、次の動作へスムーズに移行できなかったことと、テーマである4バーストレードの説明が不十分だったことが残念でした。Tくんはあと1回授業を担当する予定ですので、この反省点をしっかりふまえて、次回の授業に活かしてほしいと思います。

授業担当:中香里・記

以下、Tくんによる授業報告書です。

☆実施日:2012年6月13日

☆実施対象:大学生以上約10名

☆授業の目的
jazz内でのルールのひとつとして、4バーストレードというものもあるということを知ってもらう。
今後の音楽作りにも活用できるようにする。

☆使用楽器
箏10面、調弦:平調子

☆授業の流れ
①アイスブレイク 15分
内容:普通の手拍子回しをしたあと、全員同じリズムで譜面通り手拍子を刻み、合間合間で4バーストレードをいれてみる。そのトレードを3つのリズムパターンを使ってソロも取り入れて行う。


YouTube: 2012年6月13日

②4バーストレードの説明 5分
小説の流れで4小節ずつソロを回す奏法。

③CD試聴 10分
ジャズのスタンダードナンバーを聞いてもらう。その上でイメージをつくってもらう。
CD:枯葉/マイルス・デイビス

④箏の基本奏法の復習 5分
邦楽の箏専攻Mさんに手伝っていただきました。

⑤グループ実習 30分
内容:5人ずつ2グループに分かれ、ジャズのスウィングのリズムパターンとソロ回しを取り入れてひとつの曲作りをしてもらう。テーマは自由。

⑥発表 10分


YouTube: 4バーストレードを使った音楽づくり①

一番目のグループはさくらをモチーフにリズムパターンやソロ回しをスウィングアレンジしていて、なおかつ筝以外にも打楽器を取り入れ作成していて、よくまとまっていました。


YouTube: 4バーストレードを使った音楽づくり②

二番目のグループは調弦を変えてブルーノートで取り組む姿勢が見えましたが、時間が足りなくまとまりが難しそうでした。
パターンをもう少し変えてみて取り組んだらより良くなったと思います。

⑦まとめ 10分
ジャズのスウィングとソロ回しを取り入れると言う、邦楽楽器での演奏にはあまりないことをするに当たって、難しいことは多々ありましたが、楽しんで音楽作りに取り組んでいてよかったとおもいました。
また、今回は題材が難しかっただけに難航していたので、分かりやすく又楽しい音楽作りをしていきたいと思います。また、時間配分も曖昧になってしまったので、計画的にいきたいと思います。

2012年6月14日 (木)

2012年6月6日(水)の邦楽ワークショップのご報告です。

今回は管楽器コース2年生のSさんがワークショップを担当しました。

Sさんはこの授業の最年少で今年が初めての履修の学生です。本人は自信がないと言っていましたが、いざ、ワークショッ

プ案を持ってくると、やりたいことが明確で音楽的芯のある学生でした。

今回のワークショップは「肥後手まり唄」と「重ねて」がキーワードでした。そして、今年初めて邦楽器以外の楽器が音

楽づくりに登場します。Sさんの専攻するファゴットです。ファゴットと邦楽器?と思われるかもしれませんが、Sさんに

「なぜファゴットを使うの?」と聞いたら、「同じ『木』(ファゴットは木管楽器ということで)でできた楽器なので、

音が合うのではないかと思った」ということでした。

Sさん、とても緊張していましたがワークショップのながれが導入からとてもスムーズ且つそれぞれの活動を有機的に結び

つけていて素晴らしかったです。詳しいワークショップの内容はSさんの報告をご覧ください。

 授業担当 味府美香・記

<授業報告(Sさんによる報告)> 実施日:2012年6月6日

◇目的・目標

誰もが耳にしたことがあるだろう「肥後手まり唄」を用いて、音(フレーズでありリズムであり)をどのように重ねるこ

とが、1つの曲としてのまとまりや聴きやすさを引き出すことができるのかを意識する。

それぞれの、感覚、今までのワークショップで得た知識や経験を使い、提示されたテーマの音楽を上手く活かしたオリジ

ナルの1曲を作り出すこと。

◇実施対象

大学生以上約10名

◇実施プログラム

①アイスブレイク(楽器不使用、手拍子で行う):約10分

リーダーが基本になるテンポ・リズムを常に刻み、そのうえから1人ずつ、既になっているリズムを活かしたリズム打ち

を重ねていく。

上記の基本形で持ち拍を4拍にしたり2拍にしたりする。本活動で用いる「肥後手まり唄」に多用されるリズムパターン

をリーダーが叩き、全員で(1周で)音量の強弱をつける…などのルールを追加したりする。これによって、本活動での

音楽作りのルールになる事柄に自然に慣れてもらうことが目的。

②CDを聴き、音楽作りの参考にする:約10分

・『日本の現代音楽の古典』

→いくつもの違うメロディーが上手く一度に重なり、1つの曲になっている(「重ね」)。その中に「肥後手まり唄」も

組み込まれていて、曲の音量の強弱も激しく、邦楽ワークショップらしい、民謡が中心の曲である。また、今回は提示し

なかったが、今までのワークショップで何度も出てきた「対話」もたくさん入っている。

Galopp』『Sweet swing』『Tango

→全てファゴットのアンサンブル曲。音楽作りでファゴットを入れる際の参考として取り入れた。ファ

ゴット自体はあまり馴染みのない楽器ではあるが、幅広い音楽に適用できるとい雰囲気をなんとなく

掴んでもらいたかったので、最後まで流さず曲の触りを少しずつ聴いてもらった。 

③「肥後手まり唄」に慣れる:約15分

箏の基本的な奏法をおさらいしてから、「肥後手まり唄」のワンフレーズを箏で弾いてみる(邦楽コースの学生にサポート

してもらい、奏法や「肥後手まり唄」の運指などはホワイトボードに記しておいた)。

*実際のワークショップでは②と③の順番は上記通りではなく、混同した(「肥後手まり唄」を聴いて箏の奏法や曲のワン

フレーズの練習→ファゴットの曲の鑑賞→グループでの音楽作り)

④音楽作り

2グループに分かれて、約20分の時間を使って音楽づくりを行った。その後、出来た音楽を発表し、互いに間奏を伝えあっ

た(つくる作品の長さは指定しなかったが、発表後の感想も含め1グループ約5分ずつだった)。

<音楽づくりのルール>

▼どの様な使い方でも良いので、「肥後手まり唄」に出てくる[付点八分・十六分・八分]のリズムを入れること

▼箏の様々な奏法を取り入れること

▼音やリズムの「重ね」を意識すること(特にファゴットの「肥後手まり唄」と重ねるとき)

▼どこかに音楽のピーク(山場)を作る(強弱を作る)

 →曲として1つのまとまりにすることに難易度が少し高いように感じるが、どんな曲でも何らかの音楽の頂点があると思い、

  今回は音量の強弱をつけることで、あまりその部分を意識しなくても、1つの音楽として曲全体を上手くまとめやすくする為。

~音楽全体の流れ~

最初は箏だけで始まり、途中からファゴットが「肥後手まり唄」で参加(四分の二拍子、28小節)し、最後はまた箏だけで終わる

▼邦楽ワークショップを計画・実施した感想

実は、ワークショップ当初に「春の海」を弾く為の箏の調弦をみて、自分のワークショップには「肥後手まり唄」が使えるのでは

と考えました。そして、自分の専攻の管楽器(クラシック)だけれど、クラシックは使わずに、専攻楽器「ファゴット」を持ち込も

と考えました。参考資料の『日本の現代音楽の古典』は、自らがオーケストラ・吹奏楽で実際に演奏した経験があり、曲の構

成も充実していて、個人的に好きな曲なので皆さんに聴いてもらいたかった・・・という理由があります。ワークショップ実施に

至るまでの経緯を色々と書きましたが、何より楽しく、自由な発想・感覚で音楽作りをしてもらいたかったので、自分がこのワ

ークショップを受ける立場だったらと考え、ホワイトボードに書く字の大きさから、最後の音楽作りの際どうすればファゴットの

「肥後手まり唄」を28小節数えずに済むか・・・など、できるだけ配慮したつもりです。

皆さんの音楽センスが素晴らしく、多くを説明しなくても自分の計画を理解してながれにそってもらえたので、とてもワークショ

ップを進めやすかったです。最後の音楽作りは、聴いていているときも、ファゴットで一緒に参加させてもらっているときも楽し

かったです。

皆さんのおかげで予想以上に完成度が高くなって嬉しかったですし、ワークショップ中に様々な発見もありました。

このワークショップの計画にいろいろ協力くださった、味府先生、授業前に箏を準備していただいたり授業中にお手本や箏の

運指をお手伝いしてくださった邦楽コースの先輩・先生方、ワークショップに参加してくださった皆さん・・・全ての人に感謝して

います。

長くなってしまいましたが、これからの邦楽ワークショップも楽しみにしています。また、今回のワークショップへのご意見や感

想などありましたら、色々勉強したいと思っているのでお願いいたします。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


YouTube: 邦楽ワークショップ「肥後手まり唄」と「重ね」1


YouTube: 邦楽ワークショップ「肥後手まり唄」と「重ね」2

2012年6月13日 (水)

 2012年5月30日(水)の邦楽ワークショップのご報告です。

今回は現代邦楽コース4年の三味線専攻Oさんによるワークショップでした。

2年生のときからこの授業に出はじめたアイディアマンのOさん。今回のワークショップでは、自身の専門である三味線を

使って音楽づくりをしました。三味線特有の「サワリ」の音を音楽づくりに取り入れたら面白い、ということでした。

初心者にとって、三味線で即興的に旋律をつくったりするのは難しいかもしれないと思ったのですが、「サワリ」に着目

したことで、使う音が限定され、それがかえって自由な旋律づくりにつながっていたのではないかと思われます。

Oさんのワークショップ進行も落ち着きがあり、中先生との迫力の演奏に学生も聴き入っていました。

今回、一つもったいなかったのは、活動の最初にあったアイスブレイクがそれ自体はとても面白いアイディアなのですが、

本活動とつながりにくかったことです。しかし、このアイスブレイクによって新しい音楽づくりのアイディアがうまれた

ので、次回のOさんのワークショップにご期待ください。

  授業担当 味府美香・記

<授業報告(Oさんによる報告)> 実施日:2012530

◆目的

・三味線の特徴であるサワリというものを知ってもらう。

・そのサワリの特徴を活かして音楽づくりすることにより楽器に親しんでもらう。

◆用意するもの、実施人数

・三味線6丁(DGDの本調子)、学生6名

◆内容

・アイスブレイク

・三味線を出す所から調弦、奏法の確認

  スクイ、ハジキ、スリ、ウチ、ケシ、カエシ撥、ウラハジキ、アテハジキ、トレモロ、

 ソトオサエ、コスリ、オトシ、スリ上げ、スリ下げ、重音

・サワリの説明

  三味線には、「さわり」と呼ばれる独特の構造がある。これは、一の糸だけをあえて本体に触れさせ、その音とともに

 軽い雑音を生じさせるものである。この構造により、その音の4度・5度・8度(1オクターブ)上の音で、雑音が共

   鳴する仕組みになっている。三味線が、良く鳴る・鳴らないは、この「さわり」の調整によることが大きい(サワリの

  仕組みについて、東サワリ、サワリがよく響く勘所)。

・サワリを生かしたソロまわし

 サワリがよく響く勘所{4610}を使用してソロまわし、終わり次第開放弦のドローンにうつる。

・模擬演奏 ジャワリ/玉木宏樹作曲

 ジャワリのⅠ章を演奏、インドのシタールという楽器にも三味線のサワリと同じ効果がありそれをジャワリという。こ

   の曲はサワリがとても活かされた曲なので選択した。

・音楽づくりの説明(3つのルール)

①サワリのつく音のドローン、1音または重音を入れる

 ②DGAD(ジャワリによく使用される音のパターン)のパターン又はメロディーを入る

 ③強弱の差をしっかりつける

*調弦のポイント

 調弦が変わりやすいので、サワリをよく響かせる為に演奏前にしっかりと調子をそろえる 

2グループに分かれて音楽づくり、発表

 3人×2グループ

◆ワークショップを実施してみて

私の説明でサワリの構造について学生さんたちに理解してもらえたのか不安でした。それでも学生さんたちなりに、構造を

理解し話し合って沢山の奏法を用いて音楽づくりをしてくれました。今後三味線に触れる機会はあると思うので、少しでも

サワリについて意識してもらえたらうれしいです。




YouTube: 5/30音楽づくり1




YouTube: 5/30音楽づくり2

 

2012年6月 4日 (月)

5月23日は現代邦楽コース、津軽三味線専攻3年のIさんによる、津軽三味線によるワークショップでした

Iさんは先週のSさん同様、邦楽ワークショップ2年目です。

昨年、Iさんが初めて津軽のワークショップリーダーをした時はCD視聴や津軽の民謡を細かく説明しすぎて三味線にさわる時間がなくなってしまい、時間配分がうまく出来ていませんでしたが、今回はそんなこともなく、話し方もはきはきとしていてわかりやすく、みんなの様子をみながら臨機応変に進めていて、堂々たるワークショップぶりでありました。

さまざまな津軽の手を教えてもらったり、まねっこができて、生徒達もとても楽しくやっていました。

津軽はまさにパターンの集まった音楽なので、今後もいろいろなバリエーションが期待できると思いました。

授業担当、吉原佐知子・記

以下Iさんの授業後の報告書です

◆実施日
5月23日
◆テーマ
「津軽じょんから節を弾いてみよう」
◆目的、目標
前回、日本の民謡について触れたが、少し範囲が広く民謡を紹介する時間が多かった。そのため、楽器に触れる時間が短くなり、十分に音楽づくりが出来なかった。今回は曲を津軽じょんから節だけにしぼり、より多く楽器に触れてもらうことが目標である。また、楽器の奥深さや難しさなどが伝われば良いと思う。
◆用意する楽器
三味線10丁(二上り CGC)
◆実施対象
大学生以上
◆実施プログラム
プログラム実施の前に、ホワイトボードを活用し、今日の一連の流れと奏法を書き出しておく。随時指をさしながら説明したりする。
1・楽器の説明
青森県の楽器であること、どんな人達が演奏していたか、また細三味線との違い(大きさ、バチ、糸巻き、さわり)の説明。実際に細三味線と比べながら説明する。約7、8分
2・楽器を使いながらアイスブレイク
一の糸、二の糸、三の糸の主に開放弦で音合わせの意味も含めてのアイスブレイク。4拍私自身がが弾いたあとその4拍を次の人に真似してもらい、あとの4拍を自身で自由に作る。あとの4拍を次の人が真似をしてまた自身で4拍自由に作り、…の繰り返し。この後、実際に津軽じょんから節でも出てくる音合わせをみんなで真似して押しバチを習得してもらう。
一旦楽器を置いてもらい、津軽じょんから節とはなにかの説明。津軽三味線全国大会のCDの中の2曲を紹介し、先程の音合わせがあることを確認してもらう。音を聞いてもらったあとで、次は、実際に手がどのように動いているかを実演で見てもらう。
再び楽器を構えてもらい、奏法の練習と説明。主に曲中に出てくる奏法(ハジキ、スクイ、押しバチ、打ち指、消し)に加え、三味線の基本的な奏法も含めて説明。次に音楽づくりに必要な津軽じょんから旧節のリズムを習得してもらう。




YouTube: 5/30 邦楽ワークショップ創作1

3・津軽じょんから旧節のリズムで音楽づくり
音楽づくりの手順は、
音合わせ→自由(対話、パターンなど)→開放弦で終る
人数が少なかったというのもあり、グループにはせず全員参加で私も参加する。約40分
4・発表
前に述べた手順で、音合わせの始まりは学生の掛け声(はっ!)から二の糸にうつる時、三の糸にうつる時、曲の始まりにそれぞれ掛け声を掛けてもらう。自由のところは私対個人の対話をした。私が合図を出したところで、開放弦のジャンで終る。約10分

◆まとめ
弦楽器の苦手な学生や津軽三味線を知ってはいたけど、やってみたら難しかったなど、やはり津軽三味線は全く無知のところから始めるには難易度が高いです。音楽づくりでは急遽私も参加しましたが、グループにするより曲の流れや構成もまとまって出来たのではないかと考えます。じょんから節の自由さや激しさを理解してもらえたのではないかと思います。また時間も目一杯使わせて頂きました。一生懸命ついて来て下さった学生の皆様に感謝です。また、私一人では見きれなかった部分をサポートして下さった先生や先輩にもこれまた感謝です。



2012年5月30日 (水)

5月16日の邦楽ワークショップのご報告です。
今回は現代邦楽コース3年の箏専攻Sさんによるワークショップでした。
昨年に引き続き、2年目の履修となります。
昨年は古今調子を用いて箏のみのワークショップをしてくれました。それがとっても良かったので、今年は唄も付けてみることになり、履修者に好きな和歌を持ち寄って、みんなで弾き歌いにチャレンジしました。
何年もやってきましたが弾き歌いをするワークショップは初の試みでして、とても画期的だったとおもいます。
内容は以下です、(Sさんに報告書を書いてもらいました。)
授業の進め方は落ち着いていてとても丁寧でしたが、グループに分かれる前にもう少し唄の付け方などのアドバイスがあれば尚よかったです。出来上がった作品は現代邦楽コースの学生のリードもあり、素敵なものになりました。
学生たちが音楽づくりに入る前の模範演奏に、随分ヒントを得たようで、目の前で実際に聴いてもらうのはとても意義深いと再確認しました。
ともあれ、ほとんど初心者の学生が半分くらいいるのに、古典奏法と唄付けまで出来たことは、ワークショップリーダーも受講生もよく頑張ったと思います。
授業担当、吉原佐知子・記
報告書
 
●古今調子を用いて古典的な奏法とうたにもチャレンジ
●目的
・日本の音階に親しむ
・おことの古典的な奏    法を知る
・日本のうた(地歌)に    親しむ
・古典的な曲の構成を    知る
●対象
・大学生10名
●内容
・アイスブレイク
地歌が母音で音程の上げ下げをしていることに着目して ホワイトボードに文字と波線などを書いてその線の通りに声を出してみる
 
・調弦 古今調子の説明
 
・古今組の説明 曲の構成について
 
・基本的な奏法について説明 実際に弾いてもらう
 
・曲を聴いてもらう(手事)
 
・歌について説明
 
・曲を聴いてもらう(うたの部分)
 
・グループに分かれて音楽づくり
 
1テーマは古今組にちなんで春夏秋冬から選ぶ
 
2その季節を表す和歌を入れる
 
3先程練習した奏法を入れる
 
4曲の構成を考える
 
・発表
 
・まとめ
 
●ワークショップをしての感想 反省
 
想像以上に皆さんちゃんとうたを付けられていて驚きました。
 
少し欲張り過ぎたところがあり 時間もぎりぎりで最後の方の説明は駆け足になってしまいました。
 
グループのリーダーの方がしっかり皆をまとめて引っ張って下さったので本当に助かりました。
 
感想を聞いてみると皆さん楽しんで下さったみたいで何よりです。これをきっかけに日本の伝統的な音楽に少しでも興味を持ち 理解して頂けたら嬉しいです。
 
2012年5月17日 (木)

5月9日。今回から順次、実際に学生にワークショップをリーダーとして担当してもらうことになります。今年、初めて履修した学生には実施の様子を見てもらうため、複数年受講している現代邦楽コースの学生から担当してもらうことにしました。初回は4年生、箏専攻のMさんです。Mさんは受講3年目のベテランなので、ワークショップの計画、実行、報告までを課題としました。以下にMさんのワークショップ実施報告を記載します。

【Mさんの実施報告】
テーマ:「春の海」を用いてのコールアンドレスポンス
実施日:2012年5月9日

◆ワークショップの実施目的、目標
宮城道雄作曲「春の海」という馴染みのある曲を題材にし、楽曲中にもあるコールアンドレスポンスを用いて、楽しみながら和楽器に触れる。コールアンドレスポンスを通して人とのコミュニケーションを深め、楽しんでもらう。

◆用意する楽器や人員
箏・その他打楽器

◆実施プログラム
1、アイスブレイク
体をほぐしリラックスすると同時に、コールアンドレスポンスとはどういうものか、実際に手拍子をして体験してもらった。

・手拍子回し
 ①4拍叩き、4拍でレスポンスのリズム回し。
 ②最初の1拍を叩き、残りの3拍でレスポンス(計4拍)のリズム回し。


YouTube: 手拍子.MOV


2、「春の海」鑑賞、解説
山口先生と吉原先生に実際に「春の海」演奏していただき、曲中にコールアンドレスポンスがどこにあるかを確認した。

3、実習

・「春の海」の調弦

BDEFABDEFABDE
一二三四五六七八九十斗為巾
(音楽づくりで使用した箏の調弦は上記の完全四度上)

「春の海」冒頭部分に当たるBDE(一二三、六七八、斗為巾)を用いて実際に楽器に触れ、コールアンドレスポンスを実施した。

①BDEを用いてのドローン、ソロまわし。
②最初の1拍を弾く(ドローン)→残り3拍をレスポンス(計4拍)を回していく。





YouTube: 箏1.MOV

③最初の2拍を弾く(ドローン)→残り3拍をレスポンス(計5拍)を回していく。
④4拍好きなリズムで弾く→前の人の真似をし、さらに4拍好きなリズムでソロまわし。

4、グループ分け、発表

・2つのグループに分け、「冬の海」というテーマで音楽づくりをしてもらった。
ここで長沢勝俊作曲「冬の一日」を参考資料として鑑賞した。
冬の情景の表し方として、太鼓をドンドンと静かに叩き雪がしんしんと降っている様子や、高い音のグリッサンドなどを使って氷や雪が光を浴びてキラキラする様子などを解説した。
さらに条件として

◎BDEをどこかに入れる
◎コールアンドレスポンスを必ず用いる
◎様々な奏法を使う

と提示し、音楽づくりを行ってもらった。
Aグループは歌舞伎の雪のシーンで奏される太鼓のゆっくりとした連打をBグループは鈴の音を音楽の中に取り入れて、冬のイメージを形にした。






YouTube: 音楽づくり2.MOV


◆まとめ
準備不足もあり戸惑う部分もあったが、学生達の高い音楽性と適応力のおかげで授業が進んでいってくれたよかった。音楽づくりでは、1対1だけのコールアンドレスポンスではなく様々な形のコールアンドレスポンスを行ってくれた。さらに「冬の一日」ででてきた奏法などをさっそくたくさん用いてくれて、各々の冬の海がよく出来上がっていた。
以上。

【担当講師からのコメント】
学生ワークショプの初回ということで、開始当初は緊張ぎみだったMさんでしたが、箏の吉原先生のサポートもあり後半は落ち着いて、進行していました。「冬の海」をテーマとした音楽づくりに際して、「冬」の音楽における表現例を実例に即して事前に提示した点が評価でき、これによって音楽づくりが単なる気分やイメージで音を出すだけに終わってしまうことを避け、音楽の形を明確にすることに役立ちました。今回は箏の奏法や表現法についての説明や見本演奏について吉原先生のサポートがありましたが、今後はこれも自身でできるようになれば、リーダーの役割が担えるようになるでしょう。
また音楽づくりの際、邦楽コースの学生がグループ内で上手くサポーターの役割を果たし、他コースの学生をまとめつつ発表に持っていきました。今まで研鑽を積んだ成果を垣間みることができましたが、今後は他コースの学生にもそのサポーターの役割が果たせるような仕組みを考える必要も感じました。
また、邦楽ワークショップの際に使える打楽器が少ないので、テーマに合わせて事前に借りて用意できるようしたいと思います。それによてつくられた作品のクオリティーも上がることが期待出来ます。

担当教員:山口賢治

2012年4月26日 (木)

目的:三味線に親しんでもらう、三味線の奏法を身につける、今後の学生WS活動の参考になるものを提示する

準備:三味線10挺(本調子)

1、アイスブレイク
☆手拍子&ボディパーカッションで4拍のリズム応答まわし
☆名前を呼び合いながらのリズム応答まわし

みんな頭とヒザを使ったボディパーカッションが大好きな様子です!
名前を呼び合うことにより、ワークショップで初めて出会った学生さん同士もすぐに仲良くなれます!

2、三味線の基本奏法と特殊奏法、手法の練習
☆スクイ、ハジキ、スリ、ウチ、ケシ、重音、カエシバチ、ウラハジキ、アテハジキ、トレモロ、ソトオサエ、コスリ、オトシ、虫の音(チンチリリン)

Image


初体験者も三味線にすぐに馴染み、色々な奏法を楽しそうに練習していました!

3、三味線の種類紹介と演奏視聴
☆太棹:津軽三味線「津軽じょんから節」(演奏:学生a)
☆中棹:地歌三味線「八千代獅子」(演奏:学生b)

三味線の生演奏にみんな圧倒されていました!

4、さらし地の練習と展開、さらし地を展開させた曲の視聴





YouTube: さらしの説明.MOV

☆さらし地の基本音型練習
☆さらし地をベースにソロまわし





YouTube: さらしの手で音楽づくり1.MOV

☆曲の視聴:「新ざらし」(演奏:中)

すぐに弾ける音型なので、スムーズにソロまわしにうつり、独自の新しいさらし地が沢山できました!

5、音楽づくりグループ実習
☆4人一組で
・さらし地を入れる
・三味線の奏法を入れる
・応答(対話)を入れる
・終わり方を決める
この4点を決まりとし、グループ実習


YouTube: さらしの手で音楽づくり2.MOV

各グループとも授業で学んだことを存分に活かしてくれて、ジャズベースを思わせるようなさらし地パターンあり、奏法と奏法を融合させた新たな奏法ありと、とてもおもしろいさらしミュージックが出来上がりました!

三味線を構えて弾く練習に少し時間がかかったため、音楽づくりの時間が短くなってしまったのが残念でした。それでも短い時間の中ですばらしい音楽を自ら生み出せるということは、学生さん達の高い音楽性のなせる技だと思います。今後の学生さんによる授業がとても楽しみです!

次回は山口先生による尺八の授業です。次回もお楽しみに~♪

4月25日担当 中香里

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2012年4月21日 (土)

今回の邦楽ワークショップは今年度の楽器にふれる第1回目ということで、基本中の基本で、箏でさくらのパターンミュージツクをしました。


内容は以下です。

ワークショップ題名「パターンミュージック入門!箏でさくらの音楽づくり」
準備 箏10面(平調子)

参加人数 10名。
目的
○音楽づくりの最も基本的な「パターンミュージック」を知識として知ってもらう。
○箏に親しんでもらう。
○これから学生がワークショップ案をかんがえる上で参考になるような内容にする。


ワークショップの流れ

1、邦楽ワークショップの目的をもう一度復習。
2、アイスブレイク





YouTube: 2012年4月18日邦楽WS1

○手拍子でパターンミュージックをしてみる(4拍、3拍、無拍)

3、箏の基本奏法の練習
4、特殊奏法の練習
5、箏を使ってパターンミュージックの実践。
4拍のパターンミュージックをしてみる。
6、色々な奏法をそれぞれ探してもらい、さくらのトレモロのドローンの上で発表したあと、様々な奏法をつかって対話してみる。
7、グループに別れて、さくらの音楽づくり。
ルールは、常にさくらが鳴っていること。有拍と無拍があること。はじめ方と終わり方を決めること。





YouTube: 2012年4月18日邦楽WS2

8、発表したあと、感想を言い合う。

以上です。

発表では、様々な奏法を駆使し、三拍子や対話など、全体ワークショップでやったことが上手に盛り込まれていました。
何より、今回初めて箏をさわる学生が3人も混ざっていたのにそれを感じさせないチームワークでした。
音楽を通して初めて会う学生もすぐになかよくなっていました。これもワークショップの成せる技です!

来週は中先生による三味線ワークショップです!みんなワクワクしながら、また自分たちのワークショップをどうしよう!!と今から作戦を練っている様子で帰って行きました。
以上、ご報告でした。

4/18担当、吉原佐知子


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