2012年6月 4日 (月)

「津軽じょんから節を弾いてみよう」

5月23日は現代邦楽コース、津軽三味線専攻3年のIさんによる、津軽三味線によるワークショップでした

Iさんは先週のSさん同様、邦楽ワークショップ2年目です。

昨年、Iさんが初めて津軽のワークショップリーダーをした時はCD視聴や津軽の民謡を細かく説明しすぎて三味線にさわる時間がなくなってしまい、時間配分がうまく出来ていませんでしたが、今回はそんなこともなく、話し方もはきはきとしていてわかりやすく、みんなの様子をみながら臨機応変に進めていて、堂々たるワークショップぶりでありました。

さまざまな津軽の手を教えてもらったり、まねっこができて、生徒達もとても楽しくやっていました。

津軽はまさにパターンの集まった音楽なので、今後もいろいろなバリエーションが期待できると思いました。

授業担当、吉原佐知子・記

以下Iさんの授業後の報告書です

◆実施日
5月23日
◆テーマ
「津軽じょんから節を弾いてみよう」
◆目的、目標
前回、日本の民謡について触れたが、少し範囲が広く民謡を紹介する時間が多かった。そのため、楽器に触れる時間が短くなり、十分に音楽づくりが出来なかった。今回は曲を津軽じょんから節だけにしぼり、より多く楽器に触れてもらうことが目標である。また、楽器の奥深さや難しさなどが伝われば良いと思う。
◆用意する楽器
三味線10丁(二上り CGC)
◆実施対象
大学生以上
◆実施プログラム
プログラム実施の前に、ホワイトボードを活用し、今日の一連の流れと奏法を書き出しておく。随時指をさしながら説明したりする。
1・楽器の説明
青森県の楽器であること、どんな人達が演奏していたか、また細三味線との違い(大きさ、バチ、糸巻き、さわり)の説明。実際に細三味線と比べながら説明する。約7、8分
2・楽器を使いながらアイスブレイク
一の糸、二の糸、三の糸の主に開放弦で音合わせの意味も含めてのアイスブレイク。4拍私自身がが弾いたあとその4拍を次の人に真似してもらい、あとの4拍を自身で自由に作る。あとの4拍を次の人が真似をしてまた自身で4拍自由に作り、…の繰り返し。この後、実際に津軽じょんから節でも出てくる音合わせをみんなで真似して押しバチを習得してもらう。
一旦楽器を置いてもらい、津軽じょんから節とはなにかの説明。津軽三味線全国大会のCDの中の2曲を紹介し、先程の音合わせがあることを確認してもらう。音を聞いてもらったあとで、次は、実際に手がどのように動いているかを実演で見てもらう。
再び楽器を構えてもらい、奏法の練習と説明。主に曲中に出てくる奏法(ハジキ、スクイ、押しバチ、打ち指、消し)に加え、三味線の基本的な奏法も含めて説明。次に音楽づくりに必要な津軽じょんから旧節のリズムを習得してもらう。




YouTube: 5/30 邦楽ワークショップ創作1

3・津軽じょんから旧節のリズムで音楽づくり
音楽づくりの手順は、
音合わせ→自由(対話、パターンなど)→開放弦で終る
人数が少なかったというのもあり、グループにはせず全員参加で私も参加する。約40分
4・発表
前に述べた手順で、音合わせの始まりは学生の掛け声(はっ!)から二の糸にうつる時、三の糸にうつる時、曲の始まりにそれぞれ掛け声を掛けてもらう。自由のところは私対個人の対話をした。私が合図を出したところで、開放弦のジャンで終る。約10分

◆まとめ
弦楽器の苦手な学生や津軽三味線を知ってはいたけど、やってみたら難しかったなど、やはり津軽三味線は全く無知のところから始めるには難易度が高いです。音楽づくりでは急遽私も参加しましたが、グループにするより曲の流れや構成もまとまって出来たのではないかと考えます。じょんから節の自由さや激しさを理解してもらえたのではないかと思います。また時間も目一杯使わせて頂きました。一生懸命ついて来て下さった学生の皆様に感謝です。また、私一人では見きれなかった部分をサポートして下さった先生や先輩にもこれまた感謝です。



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