2014年7月

2014年7月31日 (木)

今回は前に採り上げた六段調の二回目ということで替手に着目し、音楽づくりをしました。前回で六段調の基本は学んでいたので、そこから発展させて自分たちで替手を作ってもらい、調弦も工夫しておもしろい六段調ができました!下記、授業の様子です。
授業担当:市川香里 記
『六段にチャレンジ2』
実施:2014年7月9日
対象:大学生
使用楽器:箏(平調子)
目的:箏曲の古典的雰囲気を味わいつつ、調弦や曲づくりの工夫をして音楽の発展を目指す
授業内容
①楽器準備・調絃
②六段本手の初段冒頭の復習
③頭の一小節を使ってパターン・飾り・ソロで展開
④六段の替手試聴
⑤グループ実習
☆調弦を自分たちで決め、その調弦の特徴を生かすようなパターン・飾り・ソロで展開 ☆スピードや強弱を工夫しながら、六段本手の冒頭が必ず入っていることを約束に、六段の替手づくり
⑥発表

今回は箏曲の基本がギュッと詰まった『六段調』を採り上げ、音楽づくりをしました。
初段の半分までをみんなで練習しましたが、難しいかなと思いきやみんなすぐに楽譜を見ながら弾けるようになり、さすが音大生だなという感じでした!そこからの音楽づくりは特殊奏法に加え自分で考えた奏法もふんだんに盛り込んでくれて、お箏の新たな可能性がまた広がった授業になりました。せっかく新しくておもしろいことをしてくれているので、もう少し長く演奏してもらいたかったという意見も出ました。吉原先生からの音楽づくりアドバイスもいただいたので、また次回からの授業で活かしていってもらいたいと思います。
授業担当:市川香里 記
『六段にチャレンジ!』
実施:2014年5月28日
対象:大学生
使用楽器:箏(平調子)
目的:六段調で箏の基本を学び、そこから音楽づくりに発展させる・箏曲の古典的雰囲気を味わう
授業内容
①楽器準備・調絃 
②奏法復習
③六段の初段練習
④好きな一小節を使ってパターン作り
⑤飾り、ソロを入れて展開させる
⑥グループ実習 ・オリジナル初段を作る ・六段のモチーフが常にきこえていること
⑦発表
2014年7月22日 (火)

7月16日は前期の最後の授業ということで、これまでの邦楽ワークショップを振り返りつつ、後期に学生自らがワークショップ案を作成し、それを実践していくので、そのヒントとなるようなワークショップを実施しました。

吉原の論文「音楽づくりにみる箏の教材化の可能性についてー邦楽ワークショップ授業の分析を通してー」で記載されているワークショップ一覧の表を分析し、音楽づくりに必須の、題材、調弦、構成を振り返った後、それらを駆使して、夏らしい全音音階の調弦の上で、オリジナル奏法、特殊奏法を駆使しつつ、様々な構成にチャレンジしました。

作品は以下です。

曲名は「Summer 2014」です。

邦楽ワークショップ 2014.7.16 全音音階による音楽づくり
YouTube: 邦楽ワークショップ 2014.7.16 全音音階による音楽づくり

反省点としては、まず邦楽器だけでつくってから邦楽器以外の楽器を加えて作った方が、構成に着目した音楽づくりがしやすくて邦楽器での音楽づくりの特徴が実感できたと思いました。

いつもの音楽づくりでは学生に丸投げ状態が多い感があったので、今回は構成をしっかり考えて音楽づくりをさせたかったのですが、それが学生に浸透していないため、なかなか音楽が構築されず、学生たちはてこずっていました。このワークショップを実施して、音楽を構造的につくるという手法がよく理解されていないのがわかりました。もっと前期の最初の段階でパターンミュージックの手法などを手拍子などで実践するべきだと反省しました。後期の初めにもう一度手拍子から音楽づくりをしていこうと思いました。

また、後期は音楽づくりの段階でもう少し講師が音楽的な構造を考えてつくれるようにうまくアドバイスしていきたいと思います。

以上

授業担当 吉原佐知子

以上

2014年7月 3日 (木)

■実施日:7月2日 ■担当:山口賢治

■テーマ:箏でブルース

■概要 箏を使ってブルーススケールでジャズのアドリブ演奏の雰囲気を楽しむことを試みた。今回は履修2年目のクラリネット専攻(4年生)の学生が計画を立案しワークショップリーダーを務めた。ジャズ実習の授業で取り上げた教材を箏に適応することによってどんな音楽がつくり出せるかを試みることが狙いとのことだった。

 

■アドリブの構造

 1)使用モード  C E♭ F F♯ G B♭ C(箏の調弦に適応)

 2)コード進行  C7 C7 C7 C7 F7 F7 C7 C7 G7 F7 C7 C7

  (12小節)

 3)バッキングとして十七絃で容易に C7 F7 G7のコードが演奏できるように

   調弦を工夫した。 下記の写真のように四本づつの糸のグループに分け、

   二〜五はC7、七〜十はF7、2〜5はG7のコードを割当て(わかりやすように

   間を糸1本分空けて配置)、各割当部分の糸を弾けば自動的にコードが

   奏でられるようにセッティングした。

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■実施プログラム

・ブルーススケールとコード進行の基本説明

・リフの紹介とリフの練習演奏(ジャズらしい演奏にするコツの習得)

・12小節の循環コードに乗ってアドリブ演奏試演

・尺八、キーボード、リズムボックスも活用して演奏

 

■まとめ 過去にブルーススケールを用いた音楽づくりはあるが、今回はバッキング用に十七絃の調弦を工夫した点が画期的であった。通常の音高の順番に並んだ調弦にてコードを正確に演奏することはある程度の演奏訓練が必要であるが、上記のようにコード別にグルーピングにより誰でもコード演奏の担当ができる。 今回、リズムの刻みにより正確に合わせてアドリブができればさらに良い演奏になったと思われるが、経験が浅い奏者にとって困難な課題である。使用する糸を制限し(例えば2音や3音程度)、限られた音でリズム主体の音楽づくりの段階を設定し、使用音高数を徐々に広げていく手順を加える方法が考えられる。

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箏でブルース
YouTube: 箏でブルース