2019年9月

2019年9月25日 (水)

◆実施日 2019年9月25日
◆担当ワークショップリーダー:邦楽コース学生
◆テーマ:日本の箏と中国の箏による音楽づくり 〜箏の音色の違いを体感する〜
◆用意した楽器:箏、古箏、打楽器(桶胴、鈴)
◆実施概要:今年度最初の学生によるワークショップは現代邦楽コース所属の中国からの留学生が担当。古箏(中国箏)の奏者で日本の箏を勉強するために来日し、研鑽を積んでいる。音楽づくりを通じて、日本の箏と比較しながら古箏について知ってもらい、日本の箏との合奏も試みた。打楽器と組み合せることにより箏の即興演奏をしやすくする工夫が行われた。

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古箏と日本の箏の組合せは邦楽ワークショップの授業では初めてであり、絃、爪、楽器の構造、奏法などの違いを知ることができ、参加学生の興味を惹くことに成功した。下の写真は古箏の爪を装着している様子。日本の箏は爪に装着された皮の輪っかに指を押し込むの対して、古箏は爪をテープで指に巻き付ける装着する。

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事前に資料(プリントや視聴覚資料)を事前に用意して、分かりやすい解説とワークショップリーダー自身による古箏の見本演奏があれば、より充実した内容になったと思われる。このワークショッププログラムを完成させれば、日本では古箏、中国では日本の箏について知ってもらえる教材として活用が期待出来る。


YouTube: 日本の箏と中国の箏による音楽づくり 〜箏の音色の違いを体感する〜

      

ワークショップリーダーを務めるのは今回が初めてであり、不慣れな点が見受けられたが、経験を積めば古箏および日本の箏の両方を弾く奏者としてオリジナリティのあるワークショップが実施できると感じた。将来母国中国での実施を望む。

記載:山口賢治

2019年9月19日 (木)

【実施日】2019年9月4日  
【担当】山口賢治
【テーマ】打楽器を使って音楽づくり 〜コール&レスポンスとその応用〜
【概要】
手拍子および現代邦楽コースの備品として保管してある様々な打ち物(太鼓、鼓、木鉦、木魚 等)を使って音楽づくりを行った。コール&レスポンスの手法を使い、徐々に小節の拍数が減じてゆく構造やランダムにアドリブを指名する等、参加者の緊張感を誘う工夫を試みた。


YouTube: 打楽器を使って音楽づくり 〜コール&レスポンスとその応用〜

【実施プログラム】
① 0:00〜0:18
A,Bの二つのグループに分け、4/4拍子で2小節(8拍)づつA,B交互に自由なリズムで手拍子を叩いてた。
② 0:18〜0:40
A2小節(8拍)→B2小節(8拍)→A&B1小節(4拍)の繰り返しで手拍子を叩いた。
③0:40〜1:00
 A(8拍)→B(8拍)→ A(4拍)→B(4拍)→ A(2拍)→B(2拍)→ A(1拍)→B(1拍)の区切りで手拍子を試みた。交互の手拍子の拍数を順次縮めることにより集中力が求められる工夫をした。
④ 1:00〜1:24
A(8拍)→B(8拍)→ A&B(4拍)→A(4拍)→B(4拍)→  A&B(4拍)→ A(2拍)→B(2拍) → A&B(4拍) → A(1拍)→B(1拍)と叩いた。 ③の発展系で、拍数の変わる境に A&B(4拍)を挿入した。
⑤ 1:24〜2:22
A(8拍)→B(8拍)→ A&B(4拍)→ A(7拍)→B(7拍)→ A&B(4拍)→ A(6拍)→B(6拍)→ A&B(4拍)→ A(5拍)→B(5拍)→ A&B(4拍)→ A(4拍)→B(4拍)→ A&B(4拍)→ A(3拍)→B(3拍)→ A&B(4拍)→ A(2拍)→B(2拍)→ A&B(4拍)→ A(1拍)→B(1拍)。順次拍数が減じる形式とした。
⑥2:22〜3:05
A(8拍)→B(8拍)→ A(7拍)→B(7拍)→ A(6拍)→B(6拍)→ A(5拍)→B(5拍)→ A(4拍)→B(4拍)→ A(3拍)→B(3拍)→ A(2拍)→B(2拍)→ A(1拍)→B(1拍)。⑤の構成から A&B(4拍)を抜いた形。
⑦ 3:05〜3:17
打楽器選び。
⑧ 3:05〜3:39
打楽器を使って②を実施した。
⑨ 3:39〜4:22
打楽器を使って⑥を実施した。
⑩4:22〜4:55
 全員で4拍→aさん個人の8拍のアドリブ→ bさん個人の8拍のアドリブ→全員で4小節→ cさん個人の8拍のアドリブ→ dさん個人の8拍のアドリブ→全員で4小節→以下同様。アドリブを行うaさん、bさん、cさん、dさんはランダムに指名した。何時自分にアドリブの順番が回ってくるか予測出来ないので、各自緊張感を持って演奏に参加できる仕組みとなっている。アドリブ奏者の指名が1人に重なることがあるが、その際は8拍×2回=16拍のアドリブを行うこととした。

【考察】
今回はコール&レスポンスの応用の一つとして試みとして、様々な応答の枠組みでリズムによる音楽づくりを行った。参加者の音楽的レベルに合わせて応答の枠組みを設定することにより、様々な場で活用出来る方法論であることが確認できた。特に ⑩ の方法はある種のゲーム性があるので、参加者にとって良い意味で緊張感や緊迫感があり、場を盛り上げることができた。反省点としては、打楽器を選ぶ際に各自が自由に好きな楽器を選んでため、AグループとBグールプで音群として音色の違いが明確でなかったが悔やまれた。例えばAグループは高音、Bグループは低音の楽器でまとめるなど、予め音楽的効果を計算して楽器選択の仕掛けや準備をすることにより、より面白く構成が明確な音楽になると思われる。