【実施日】2019年9月4日
【担当】山口賢治
【テーマ】打楽器を使って音楽づくり 〜コール&レスポンスとその応用〜
【概要】
手拍子および現代邦楽コースの備品として保管してある様々な打ち物(太鼓、鼓、木鉦、木魚 等)を使って音楽づくりを行った。コール&レスポンスの手法を使い、徐々に小節の拍数が減じてゆく構造やランダムにアドリブを指名する等、参加者の緊張感を誘う工夫を試みた。
YouTube: 打楽器を使って音楽づくり 〜コール&レスポンスとその応用〜
【実施プログラム】
① 0:00〜0:18
A,Bの二つのグループに分け、4/4拍子で2小節(8拍)づつA,B交互に自由なリズムで手拍子を叩いてた。
② 0:18〜0:40
A2小節(8拍)→B2小節(8拍)→A&B1小節(4拍)の繰り返しで手拍子を叩いた。
③0:40〜1:00
A(8拍)→B(8拍)→ A(4拍)→B(4拍)→ A(2拍)→B(2拍)→ A(1拍)→B(1拍)の区切りで手拍子を試みた。交互の手拍子の拍数を順次縮めることにより集中力が求められる工夫をした。
④ 1:00〜1:24
A(8拍)→B(8拍)→ A&B(4拍)→A(4拍)→B(4拍)→ A&B(4拍)→ A(2拍)→B(2拍) → A&B(4拍) → A(1拍)→B(1拍)と叩いた。 ③の発展系で、拍数の変わる境に A&B(4拍)を挿入した。
⑤ 1:24〜2:22
A(8拍)→B(8拍)→ A&B(4拍)→ A(7拍)→B(7拍)→ A&B(4拍)→ A(6拍)→B(6拍)→ A&B(4拍)→ A(5拍)→B(5拍)→ A&B(4拍)→ A(4拍)→B(4拍)→ A&B(4拍)→ A(3拍)→B(3拍)→ A&B(4拍)→ A(2拍)→B(2拍)→ A&B(4拍)→ A(1拍)→B(1拍)。順次拍数が減じる形式とした。
⑥2:22〜3:05
A(8拍)→B(8拍)→ A(7拍)→B(7拍)→ A(6拍)→B(6拍)→ A(5拍)→B(5拍)→ A(4拍)→B(4拍)→ A(3拍)→B(3拍)→ A(2拍)→B(2拍)→ A(1拍)→B(1拍)。⑤の構成から A&B(4拍)を抜いた形。
⑦ 3:05〜3:17
打楽器選び。
⑧ 3:05〜3:39
打楽器を使って②を実施した。
⑨ 3:39〜4:22
打楽器を使って⑥を実施した。
⑩4:22〜4:55
全員で4拍→aさん個人の8拍のアドリブ→ bさん個人の8拍のアドリブ→全員で4小節→ cさん個人の8拍のアドリブ→ dさん個人の8拍のアドリブ→全員で4小節→以下同様。アドリブを行うaさん、bさん、cさん、dさんはランダムに指名した。何時自分にアドリブの順番が回ってくるか予測出来ないので、各自緊張感を持って演奏に参加できる仕組みとなっている。アドリブ奏者の指名が1人に重なることがあるが、その際は8拍×2回=16拍のアドリブを行うこととした。
【考察】
今回はコール&レスポンスの応用の一つとして試みとして、様々な応答の枠組みでリズムによる音楽づくりを行った。参加者の音楽的レベルに合わせて応答の枠組みを設定することにより、様々な場で活用出来る方法論であることが確認できた。特に ⑩ の方法はある種のゲーム性があるので、参加者にとって良い意味で緊張感や緊迫感があり、場を盛り上げることができた。反省点としては、打楽器を選ぶ際に各自が自由に好きな楽器を選んでため、AグループとBグールプで音群として音色の違いが明確でなかったが悔やまれた。例えばAグループは高音、Bグループは低音の楽器でまとめるなど、予め音楽的効果を計算して楽器選択の仕掛けや準備をすることにより、より面白く構成が明確な音楽になると思われる。
今回のコール&レスポンスの面白いところは、
先に授業の概要をすべて話すが前半の段々拍が短くなって行き、
次くる!という緊張感が増していく部分と、後半の前半に加えていつ来るかわからない
即興性だろう。
最初は手拍子のみで拍のバトンパスを行なっていく。この時点で既に反応に遅れることが多々あった。笑
あと普通の音楽と比べてゲーム性を感じたので、楽しさもあった。
次に楽器を使用して、拍の受け渡しをおこなった。
手拍子から太鼓、チーンとなる金属楽器などにチェンジして音の幅、
楽しさがさらに広がっていった。
一気に音楽性が増して、かつここに即興性がプラスされる。
一番と二番の札があり、その拍の順番であるが、最も短い拍の一番が最も難しくみんな合わせるのに苦戦していた。
札を出す人も次に出す人は誰にしようなどと悠長に考えていたら出遅れてしまうので、瞬発力と一瞬の決断力が必要だろう。
今回はワークショップの中でもかなりワクワクするワークだと思った。