7月3日 邦楽ワークショップ
今回は、箏を全音音階に調弦して、拡大と縮小をテーマにして音楽づくりをした。
最近の学生の作品を聴いていると、フィーリングだけで音楽をつくっている傾向になっているので、構造に着目したテーマを与えて音楽をつくってみた。
内容は以下です。
使用楽器 箏10面 発表の時に一人はピアノにまわった。
調弦 全音音階 A B C♯ D♯ F G A~
参考楽曲 ドビュッシー作曲 「映像」第2集 1曲目
内容
1、全音音階の紹介
2、上記の参考楽曲をピアノ科の生徒に弾いてもらう
3、箏で拡大(2倍ゆっくり弾く)と縮小(2倍速く弾く)を練習して、重ねてみる。
4、逆行(音型を逆に弾く)を練習して、さらにそれを拡大、縮小して重ねてみる。
5.箏の奏法の確認
6、独自の奏法を考えて、それを使って対話してみる。
7、今までの技を使って、拡大縮小をテーマに2つのグループに別れて音楽づくり
8、発表、感想を言い合う
感想
2つのグループのうち、拡大縮小をわかり易く発表してくれたグループの作品のみアップした。
ピアノ科の生徒がピアノで参加してくれて、音楽的に幅が広がった。
拡大縮小をテーマにしたことで、いつもはフィーリングのみで作ってしまいがちな学生たちがちゃんと構造を考えて良く聴き合って、それぞれの役割がはっきりした音楽ができた。
これからの音楽づくりにも是非役立てていただきたい。
授業担当 吉原佐知子 記
みんなでその日に考え、即興で作品を製作するとそれっぽくフィーリングになってしまいがちだが今回は、「拡大・縮小」というテーマを元に行ったの
でテーマの中での構成にこだわりを持って発表に臨めたのかなと思う。
内容として、4人がお琴、1人がピアノという構成で拡大の担当、縮小の担当、普通の速度で同じことを続ける人に装飾オンリーの人とある程度自分の役割分担をしながら行っている。
最初に普通の速度の人から入って行き、拡大、縮小の人がそれに合わせて入る。少しずつ装飾もつけ始める。
だんだんと拡大担当と縮小担当の人が、普通の速度の人に寄り添うようにテンポを早めたり遅めたりして、ぴったり合う瞬間がある。
これは、少し後に行った花言葉を使ってずれているものを少しずつ波の様に引き寄せたりずらしたりする物とよく似ている。
図で表すのなら砂時計を横に置いた感じだろうか。砂がパラパラと落ちる所がまさにぴったり合う瞬間だと言える。
こういう類のものは、あやふやに打ち合わせるとどうしてもフィーリングになってしまいがちだが、
課題を元に起承転結、始まりと終わり、構造を話し合って計画的に行うと、それに見合ったクオリティの作品が出来上がると思う。