■実施日:5月29日 ■担当:山口賢治 ■ゲスト: 山本和智(作曲家)
■テーマ:山本和智 作曲「Doldrums Ⅲb ~尺八と聴衆のための協奏曲~」を題材に
■概要
AIC/Mostly Modern国際作曲コンクール第一位、JFC作曲賞受賞、 武満徹作曲賞第2位等、数々の作曲コンクールで受賞経歴を持ち、邦楽器の作品も斬新なコンセプトで多く手がける気鋭の作曲家 山本和智 氏を招きワークショップを行った。
6月19日(水)舞台初演に先立ち 山本 氏の作品「Doldrums Ⅲb ~尺八と聴衆のための協奏曲~」の試演も兼ねたワークショッププログラムを実施した。
■狙い
① 演奏家と作曲者が組み共同でワークショップを行う。
② ワークショップを通じた演奏試行により、新しい作品が産み出される過程を
体験し、また作曲に対する作曲家の考えを知る機会を提供する。
■実施スケジュール
1、 山本和智 氏と氏の作品の紹介。
2、 紙を使っていろいろな音 (擦る、振る、叩く、丸める、破る 等)
を出す音探し。
3、 紙や息音を使って、音を重ね合わせ音響づくり。「風」、「雨」、「雨風」
4、グループに分かれて創作発表1
ルール:「風」、「雨」、「雨風」をメンバーの共通認識に置いて、
音楽づくりを行う。
5、グループに分かれて創作発表2
創作1に尺八・リコーダー上部管、ペットボトル等を加える。
音色のヴァリエーションを拡げる。
6、聴衆参加型の作品例の紹介
坪能克弘 作曲
「”みんなのコンチェルト”~チェロとオーケストラと市民参加による~」
7、「Doldrums Ⅲb」の試演。
授業ダイジェスト動画
YouTube: 邦楽ワークショップ 作曲家 山本和智 氏を招いて
■ワークショップを振り返って
作曲家として様々な指摘や発言が加わることにより、音楽づくりに対する取り組みに新たな視点を得ることができたことは大きかった。また、作曲家にとっても新しい発見や次に繋がるヒントや材料が得られたようであった。集団での音づくりの場面において様々な音色を組み合わせによって音に立体感を出す等、学生達の課題対応力や表現力、音楽的センスについて非常に高い能力を有していると山本 氏より評価された。「Doldrums Ⅲb」はワークショップの題材としても活用できることを前提に作られた作品なので、初演後も様々な場所でコンサートやワークショップでの活用が期待出来る。今年度初の外部ゲストを招いての授業だったが、学生からは好評だった。授業終了後も作品の仕掛けなどについて何人かの学生が山本 氏に質問があり、刺激的な授業にすることができた。
初演の動画
演奏指示書は下記からダウンロードできます。
YouTube: DoldrumsⅢb ~尺八と聴衆のための協奏曲~山本和智 作曲
同じ紙、テーマだったのに一人一人演奏の仕方が違うことが面白かった。
その後の尺八やリコーダーペットボトルでもその人によって違うやり方を見つけて演奏していることが音楽科らしいと思った。
同じ素材でも発想によって様々な音を創り出す事が出来ておもしろかった