2012年12月

2012年12月30日 (日)

2012年12月19日に行われた今年度最後の授業の様子をご報告いたします。

今回はジャズ科4年生のTくんによる、拍子に着目した授業でした。
最後ということもあってTくん自身気合を入れて授業に臨み、Tくんの明るいキャラで最後の授業を楽しく締めくくってくれました。しかし、やりたいことや思っていることが自分の中だけでとどまって学生さんには説明不足でうまく伝えられず、学生さんも何をすればいいのか終始戸惑ってしまいました。そこで私がうまく誘導できればよかったのですが、授業前に充分な打ち合わせを行えなかったためにTくんの意図をよく理解できず、吉原先生の的確なアドバイスで音楽づくりまでたどりついたという授業でした。今回、事前準備と理解してもらえるようにわかりやすく話す難しさと大切さが身にしみてよくわかりました。Tくんとともに私も反省点の多い授業でしたが、今回の授業を来年度に生かしていければと思います。
一年間、どうもありがとうございました!

授業担当:中香里 記

以下、Tくんによる授業報告書です。

さくらの楽曲を元に拍子を変えた音楽づくり

☆対象:大学生6名
☆使用楽器:箏6面、打楽器
☆授業の目的:いつものような自由な拍での即興ではなく、拍子をはっきりとし、拍数をかえて発展させ音楽づくりを行う。
☆授業内容
①アイスブレイク
・グループごとにリズムの違うパートを重ねていき、全員入ったつぎの小節で同じリズムを叩くと言うもの。
②参考資料を聞く
・バレエサクラを参考にリズムパターンや拍数を考えて曲づくりに挑む
③箏の基本奏法の復習
④グループ実習
さくらを元にした音楽づくり
さくらのメロディをはじめは三拍、次を雰囲気を変えるため四拍にしテンポもアップする。
四拍時は打楽器を取り入れて雰囲気を変えました。
☆感想
当初とは全く違う目的になってしまい、曖昧な順序で困惑させてしまいました。
人数は少ないにしろ、1グループで音楽づくりができたことはよかったと思います。
最後の授業だったので本来は楽器をもっと使いたかったです。
今までの授業があまり拍子をはっきりとしてない即興だったので、それについてはできたのではと思います。
そこに今までのような拍のない即興をとりいれたらもっと面白くなったのではと言うのが反省点です。
2012年12月12日 (水)

12月12日の授業は実際に小学校に出向いて行った音楽づくりワークショップを振り返り、各学生に感想や反省点、今後の課題や問題点についての討議を行いました。

12月の5日、6日、7日、10日の4日間に渡って川崎市立末長小学校にて、日本現代音楽協会 現代音楽教育プログラム研究部会事業「EPCoM ワークショップ in 末長小学校」(ワークショップリーダー:松尾祐孝[日本現代音楽協会事務局長/現代音楽教育研究プログラム研究部会])が行われ、サポーターとして本講座受講の学生の一部が参加しました。その他の参加者は洗足教員、日本現代音楽協会会員、現代邦楽研究所出身者やそれらの人達からの紹介で集まった方達でした。実施対象は3年生5クラスで各クラス45分のワークショップを日を置いて2回行いました。進行案は添付ファイル(suenaga.pdf)になります。

普段の授業では、受講学生の間でリーダー、サポーター、参加者と役割を決め、様々な状況を想定してワークショップを行ってきました。特に今期は原則、前期と後期それぞれ一回づつワークショップリーダーとしてワークショップの計画、実施、報告までを課題に学生に取り組んでもらいました。今回はそこで試した成果を現場で活かす絶好の機会となりました。

討議の中でワークショップ参加学生から挙った声を下記に列記します。

・昨年もサポーターとして参加した経験として、学年が上がるにつれて児童たちの理解力、集中力の成長を直に感じることができたのは貴重な体験だった。

・同じ学年でもクラスによって違いがあった。静かで落ち着いたクラスや自由闊達な雰囲気のクラスもあり、そういったクラスごとのキャラクターに合わせた対応の必要性も感じた。

・サポーターとして、子ども達が自らアイディアを導きださせるようにするためには、どのようにヒントを出したら(言い方やタイミング等)効果的か悩むところがあった。

・子どもから出された意見がバラバラの時に、如何にすれば各々の子どもの考えを尊重しつつ、最終的に一つの音楽にまとめられるのかが課題となった。

・2回目のワークショップで事前に演奏のための設計図を作成してきたり、熱心に自主練習してきたクラスがあり、この点はとても評価できた。ただ、事前練習を熱心にしてきたあまり、本来の狙いである各自が見つけた音素材を使って即興的に音楽を構築することから外れ、既存の曲をベースとした再現演奏に固執してしまい、そこから発展することが充分にできなかったグループが存在した。このような場合についての対策や対応について検討する必要があると思われる。

・どうしても自分が出している音に夢中になってしまい、他の人の音を聴く事ができなくなってしまう子どもがいた。常に周りの音を聴き、気を配りながら音を出すように子ども達に対して適切に指導しなければならいと思った。

・サポーターとしてどこまで子ども達に意見を言ったり、方向性を示したら良いのかについて迷った。子どもや状況によって様々なので、指示の度合いや加減が難しく、適切な判断を下すには経験が必要であると思った。

・今回の音楽づくりの過程で、理解力がついていけてない子どもが一部に見受けらた。そのような子どもに対してのケアーの方法についても考えなければいけないと感じた。


今回の経験を活かして、今後の活動の糧にしてしてくれることを望みます。

以上。担当:山口賢治


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