11月14日は現代邦楽コース、箏専攻4年のMさんによる「特殊奏法を用いての音楽づくり」でした。
Mさんは邦楽ワークショップの履修が今年で3年目なので、ワークショップリーダーぶりも板に付いていて、安心して見ていられました。お話の仕方もはっきりしているし、時折ユーモアのある雰囲気もかもしだして、とても和やかで臨機応変でスムーズな流れでした。
1面の箏を三人で使って発表したのですが、3グループともそれぞれの使い方でした。(さくらの音以外の調弦を変えても良いと言ったせいもあるかもしれません)創作中もMさんがアドバイスしたりしていて、とても良かったです。
2番目のグループで音楽デザインコースのK君が素敵なコードを作って創作してくれて、みんな感嘆していました。
箏は特に奏法がたくさんあるので、そこに焦点を当て、さらに楽器が少なくてもみんなで楽しめるワークショップという点で、とても良い内容でした。
以下、Mさんによるワークショップ報告です。
授業担当 吉原佐知子 記
テーマ:特殊奏法を用いての音楽づくり
◆目的
ワークショップで親しまれやすい特殊奏法が実際に音楽にどのように使用されているかを学び、そこから自分たちで新しい奏法を見つけ音楽づくりを行ってもらう。
◆用意する楽器
箏三面・その他打楽器
◆対象
大学生
◆実施内容
1,基本的な箏の奏法の説明
スクイ爪、合わせ爪、押し手などの奏法を今までの復習の意味も込めて簡単に説明しながら実際にやってもらった。
2,資料提示①
上記から押し手をピックアップ。押し手の奏法を細かく分類してみると
・オシ
・ツキイロ
・アトオシ
・オシハナシ
・ユリ
・カケオシ
これだけの奏法がある。これらを多用した、池辺晋一郎作曲の「凍る」を観てもらい、どのように使われているかを確認。
3,音楽づくり①
・「さくら」を題材にし、まずはリーダーのドローンにのせ、パターンを重ねていく音楽づくりをしてもらった。
・次に、先ほど観た押し手の奏法を使い、四拍子を三拍子に変えてみたりしながら同様に音楽づくりを行ってもらった。
YouTube: 押し手による音楽ゲーム 11/14邦楽ワークショップ
4, 資料提示②
実際に特殊奏法を使った楽曲を観てもらう。杵屋正邦作曲「綺羅」、石垣征山作曲「和の韻(ひびき)」
「綺羅」では途中でスティックを取り出し、絃の左側を叩くという奏法、「和の韻」では冒頭に爪の輪の部分で龍角の先端部分をカチカチと叩くという奏法が出てきた。
5,音楽づくり②
先ほど観た資料を参考にし、今度は自分たちで新しい奏法を見つけてもらい、「さくら」を題材にして音楽づくりを行ってもらった。
制約として
・「さくら」は全曲弾かず、フレーズの一部だけを用いてもよい。
・自由にやってよいが、楽器を傷つけない範囲で行うこと。
を提示した。
YouTube: 箏の特殊奏法によるワークショップ① 邦楽ワークショップ
YouTube: 箏の特殊奏法によるワークショップ ② 邦楽ワークショップ
YouTube: 箏の特殊奏法による音楽ワークショップ③ 邦楽ワークショップ
以上。
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