「呼び掛けと応答、循環」要素による音楽づくり
~声、手拍子、トーンチャイムを使って~
担当:山口賢治 実施日:2015年10月7日
概要:声、手拍子、トーンチャイムを使って音楽づくりを行った。基本的な音楽づくりから、段階的に高度な課題を課した。ワークショップ参加者の年齢や音楽的能力に応じて、援用される方法論を実施した。
目的:受講学生に音楽づくりの主要素である”呼び掛けと応答、循環”を認識もらうことを念頭においた。今後、学生が自分の専門や得意な分野を応用、活用してワークショップ案を計画、作成する上で、骨格を示すことが狙いであった。
実施内容
音楽づくりの素材として、下記のテーマを示した。
【基本テーマ】 呼び掛け「○○ちゃん、遊っびましょ。」→応答「あとで、」→ブリッジ「手拍子」
これを繰り返す。(循環)
上記の基本テーマとして、様々な展開を試みた。
YouTube: 「呼びかけ、応答、循環」要素による音楽づくり
以下に動画の説明をする。
① 円陣を組み、基本的テーマを受け渡す。[00:00~]
② 手拍子部分に” 呼び掛けと応答”を付加する。[00:55~]
③ Bの手拍子部分をボディーパーカッションに発展させる。[01:36~]
④ 基本テーマの動きを加える。「あとで、」の応答を行った人は後ろに下り、次の人に受け渡す。これを繰り返すことによって、円陣が自動的に広がっていく。空間的な音の広がりが形成され、学校の体育館など広いスペースで効果があがる。[02:15~]
⑤ ④を発展させ呼び掛けの対象者を隣の人に限らず、任意に指名出来るようにする。呼び掛ける人Aは指名した人Bに向かって前に3歩近づく。指名された人Bは後ろに一歩下がる。一歩下がった後、Bは次に任意の人C向かって3歩近づき、Cは一歩下がる。これを繰り返す。これによって揺らぎの要因が付加される。[05:00~]
⑥ ひとり一個ずつトーンチャイムを持ち、①の基本形の手拍子部分をトーンチャイムの打音に置き換える。これにより和音の要素が加わる。[06:58~]
⑦ ④の手拍子部分をトーンチャイムの打音に置き換える。[07:28~]
⑧ ⑥のトーンチャイム打音部分について、円陣の並びの順番に打音を1回ずつ回す。これによりトーンチャイムの音の連なりによる旋律要素が加わる。[08:27~]
⑨ トーンチャイムを一人2本持ち、⑧を行う。和音の連なりの要素が加わる。[09:00~]
⑩ 基本テーマの変形型として「○○ちゃん遊ぼ」→「はーい」→手拍子と定める。
このテーマの手拍子部分の打数を5回、4回、3回、2回、1回と変化させていく。これにより音楽的持続の中での凝縮感を体験させる。[10:36~]
⑪ 二つのグループA,Bに分けけて⑩を同時進行で行う。但しAグループは手拍子を5回、4回、3回、2回、1回と打数を順次減らしていき、Bグループは1回、2回、3回、4回、5回と増やしている。出来上がった音楽のユニットをさらに組み合わせて、より発展させた音楽づくりの一例を示している。[11:14~]
⑫ ⑪での組合せ例の提示を受けて、学生からの提案があり、⑩の手拍子部分を全員が同時に叩くのではなく、円陣に沿ってひとりずつ叩く方法を試みている。[11:37~]
⑬ ⑩の手拍子部分をトーンチャイムで行う。最初は円陣に沿って『呼びかけと応答』を行い、次に任意に『呼びかけと応答』をしている。[12:26~]
まとめ
音楽づくりの基本要素『呼び掛け、応答、循環』によって音楽づくりを行い、これに『変化、揺らぎ』を加えることによって、音楽を発展させることの実例を示した。今年度は受講学生数が少ないが、参加学生は協力的でやりやすく、また課題に対する対応力の高さが評価できる。意欲ある学生には、参加人数の多いワークショップの場を経験させる機会を与えたいと感じた。
この授業は私はやりませんでしたが、是非やりたかったです。というのも、これは保育園でもとても役に立つと思います。教育に音楽はかかせないものだと思いますし、なにか数学だったり日本語だったり、リズムや音程やメロディを使うととてもわかりやすく楽しく子供たちに教えることが出来る時がきっと多いし、私たちもそうやって育てられてきたと思います。この動画のような授業を、遊びとして取り入れたら今の子供はより一層ものや音楽を楽しめるのではないかと感じました。私は保育園などに実習に行ったことは無いですが、もし行く時に自分で企画を考えなければならないとしたらこの動画を参考にさせていただくと思います。