1月7日は今年度最後の邦楽ワークショップでした。
4年生の学生によるワークショップでしたが、「雪のおどり」を題材にするという視点は良かったのですが、準備不足で題材研究もあまりできていなくて、音楽づくりの指示もあいまいで、いきあたりばったりのワークショップになってしまい、ワークショップ中にたくさんアドバイスをしてしまいました。
ワークショップ内容は以下です。
【『雪のおどり(チェコ民謡)』を素材とした音楽作り】
実施日 1月7日
対象 大学生8名
使用楽器 箏 (調弦:DEFGA)・任意で小物打楽器
目的 今回は、邦楽器を用いた創作とともに、恐らく大学生が苦手とするであろう身体的要素や声なども、そこへつながる形で取り入れたいと考えた。 普段は20人前後の子ども達と邦楽器ではないものを用いて行っているため、それを邦楽器に置き換え、また少人数の音大生と行うことによってどのような効果が現れるかに興味を感じていた。 またこのワークショップでは、言葉だけではないコミュニケーションや協働性、重なり合う感覚やクリエイティビティを大切に考えた。
ワークショップ内容
〜アイスブレイク(円になり立った状態で)〜
① リーダーの動作コピー
② 拍を感じた中で、名前の呼応
③ ②にポーズを加える
④ 「雪のおどり」からとったリズムによるボディパーカッション
⑤ 「雪のおどり」の歌の冒頭をリズムに重ねる
〜創作(一人一面の箏とともに座った状態で)〜
①リーダーが弾く「DFAF」をベースにソロ回し
②「雪のおどり」の冒頭8小節につづく8小節のオリジナル創作
③中間発表
④手直し
⑤リーダーが奏でる冒頭のメロディにつなげる形で、通し発表
YouTube: 「雪の踊り」を題材に用いた邦楽ワークショップ
⑥振り返り
感想
限られた時間の中で邦楽器を用いた音楽創作だけでなく、その際に用いる素材の提示や導入にアイスブレイクとして身体的要素や声を用いる要素を入れ段階を踏むには、やはり時間が短く大変であった。 また、やはり大学生にとっては、体を動かす、声をだす、といった場面になると、抵抗が出てしまうのか固まってしまい、そこから私まで緊張につながってしまった。 創作においては、既存の曲につづく部分のオリジナル創作としたため、今回はある程度のしばりの中での難しさが出ていたように見受けられた。 対象者に音楽的知識が少ない方などの場合には、ある程度の型を用意することによって短時間で円滑に創作が進む場合もあるが、今回は音大生であったこともあり、そのバランスは難しいように感じた。 最終的な完成した作品を聞くと、素敵に出来上がっていたので嬉しく思う。
担当者より
題材は良かったのですが、最初に書いた通り、準備不足でリーダーをする姿勢が甘いと感じました。学生に感想を聞いたら以下のような意見が出て、この1年でみんな成長したことが分かり、嬉しかったです。
調弦を決めてしまうと統一感はでますが、それが窮屈というかそこから抜け出れないという不自由もあるということも私としては考えさせられました。
また、雪の映像や写真を見せると良かったという意見もありましたが、それはかえって音楽づくりが同じ色合いのものになるので危険であるともアドバイスしました。
以下、学生の意見です。
・なぜチェコの民謡を選んだのか知りたかった。
・チェコの歴史を知りたかった。
・題材研究が足りないと思った
・雪の映像などあるといいと思った
・調弦が決まってしまうと同じような音楽になると感じた
・8小節と決まられると縛られてしまって、もっと長くやりたかった〈最後は長さは自由にした〉
・ワークショップの流れが説明不足に感じた。
・統一感があって良かった。
以上、授業担当 吉原佐知子 記
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