2017年4月10日 (月)
2016年10月 5日 (水)

9月28日は音楽音響デザインコースの学生にワークショップを担当してもらいました。以下に学生による実施報告を記します。

 

◆ワークショップのタイトル

「“YO,YO”は卒業!」日本語ラップ概論WITH邦楽器

〜邦楽器を使って日本語ヒップホップに挑戦〜

 

◆ワークショップのテーマ


現代の音楽文化であるラップを体験し日本語とは?普段とは異なる視点で再認識する。

 

◆用意する楽器や人員


邦楽器なら何でもよい。打楽器もあればなおよいが、なくても十分にワークショップができる。事前に韻用の単語を準備しておく必要がある。4単語を1くくりになるように制作する。たとえば、(スイカ、追加、着いた?、六日)など4つほど用意しておく。

 

◆実施対象


中学生以上

 

◆実施プログラム


◎ラップhiphopに関する説明 10分(導入)


ラップとは何か、HIPHOPとは何か、どこからどこまでがラップなのか、どうしたらラップになるのかについて簡単に説明し、この際に音源など聞いた。ここでは、韻を踏むことがラップでは重要であり、韻とは何か(すいか=SuiKa、追加=TSuiKa)以上のような例を出して母音の共通な順序を伝えた。さらにトラックメイカー、とラッパーの2人制の音楽であることを説明した。


◎リズム作りゲーム  10分 (アイスブレイク)


円になりキック、スネア、ハイハット、邦楽器一人が一つ役割を持ちビートを作った。 一人ひとつに分担し(人数は多い場合グループで分ける。)、各チームでリズムを作り聞かせあった。

◎ビートに言葉を乗せるゲーム 15分 (ラップの形を覚える)


「たらたらたら」などの擬音語で他チームが奏でているリズムにラップのように載せていった。これはFLOWと呼ばれている言葉の音形を習得するのに役立つ。


◎作詞作曲タイム   15分


こちら側で用意した韻に数字を振り、グループにひとつ選択させた。選んだ番号の韻をグループに与え前後に作詞をさせた。韻と韻の意味がつながるように空欄を埋めてもらうと考えるとやりやすい。 


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◎発表タイム   10分


二つのチームに分かれて一つはビート、一つはラップをし、それを交互に発表した。

 

◆ワークショップ実施によって得られた効果


ラップは、韻ありきなのだと実感してもらえる。ラップとはなんなのかを理解することができ、「言葉でこれほど遊べるのか!」との実感を持ってもらえたと思う。


 

◆実施してのさらなる改善点


実施する参加者にゆかりのある言葉や楽器を使い韻、リズム作りができれば参加者により親しみを持ってもらえると思う。


YouTube: 邦楽器を使って日本語ヒップホップに挑戦

【担当講師からのひとこと】

自分の得意な分野の題材と邦楽を結びつけたところが評価できる点であった。自分が詳しく好きな分野を中心にワークショップの流れを組み立てているので、リーダーが自信を持って話をし、進行できていた。受講生の殆どが私も含めて”ヒップホップ”について知らなかったのでヒップホップ入門としての意味合いもあり有意義であった。日本の音楽や歌とヒップホップについての関連性について、具体的な例を挙げられれば更に邦楽ワークショップのテーマに沿った内容になったと思う。例えば日本の伝統音楽の枠を広げて、ヒップホップの影響を受けたと思われる演歌やJポップの作品紹介などがあるとより興味深い内容になると思う。(担当:山口賢治)

2016年8月 4日 (木)

◆実施日:7月27日   ◆担当:山口賢治

◆テーマ

音の密度や強弱から音楽をつくる

~クセナキス 作曲「アホリプシス」を参考に音楽づくり~

 

旋律やモチーフ、和声、リズムなどから音楽を作るのではなく、音の密度や強弱の要素をコントロールすることにより音楽をつくることを試みた。音楽づくりワークショップにおいて参加に楽器や音具から様々な音を探してもらい、発見した音や音響を発表してもらうことが良くある。しかし、これらはあくまで音や音響であって、音楽ではない。これらの音や音響を制御して音楽として構成する方法を試した。

参考としてギリシャの作曲家 ヤニス・クセナキスの作品「アホリプシス」の作曲の課程において用いた音の平均の密度や強弱の配置を記した設計図を援用して、曲づくりの大枠を決めた。

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図1 クセナキス 作曲「アホリプシス」設計図

   音楽之友車刊 名曲解説全集 管弦楽曲Ⅳ より

 

  

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図2 演奏に際して作成した設定図

 

参加者を三つの群に分け、音の平均の密度や強弱、演奏イベントをAからの枠に定め、音楽を進行させた。一つの枠や約4秒。これをもとに様々な演奏のヴァリエーションを試みた。


YouTube: クセナキス 作曲「アホリプシス」を参考に音楽づくり

◆まとめ

音響を個々の音の発生状態の平均値としてとらえ、これを群として捉えて音楽の進行を制御することを試みた。学生達が様々な種類の楽器を持参してくれたお陰で、多彩な音色が得られた。このような音楽では音色的な工夫でポイントで、音色の違いにより個々の楽器の動きが聞き手に認識しやすくしている。また、図2に示される同じ設定図で演奏しても群の楽器編成の組み合わせを変えることで、また違った音楽となり興味深い点であった。各奏者は指定された音密度や強弱に従いつつも、優れた音の断片をそれぞれが創意工夫して披露してくれた。本年度の参加学生の音楽的センスの良さを感じさせてくれた。

2016年7月 1日 (金)

通常の歌声でなく日常の話し言葉を題材に音響空間をつくることを試みた。会話の中の言葉の響きやニュアンスをあらためて音素材として取り出し、再構成した。また様々な工夫をして声の変調を試みた。

【実施日】2016年6月29日

【実施プログラム】

声遊び 
YouTube: 声遊び

① 0:00 〜 リズムに合わせて発声練習を行った。

 アエイウエオアオ  カケキクケコカコ


 サセシスセソサソ  タテチツテトタト


 ナネニヌネノナノ  ハヘヒフヘホハホ


 マメミムメモマモ  ヤエイユエヨヤヨ


 ラレリルレロラロ  ワエイウエヲワヲ  

これを題材に様々な声によるヴァリエーション展開を試みた。

 

② 0:17〜 輪唱形式で重ねた

 

③ 0:42~ ①を題材にリズムを十六分音符2個と八分休符のリズム単位で唱えた。

 

④ 1:21~ 

  グループAは八分音符の連なりで唱え、グループBは③で行った十六分音符2個+

  八分休符のリズム単位で唱えた声を重ね合わせた。

  ズレの効果によりエコーのような響きが得られた。

 

⑤ 1:45 ~ 

  ④の試行を発展させ、さらにグループCとして、付点八分音符+十六分音符の

 リズム単位を重ね、さらに複雑な響きを得た。

 

⑥ 2:31~

 「あいうえお」の中から声の断片を選び、下記の二つルールで声を重ね合わせた。

   ルール1:一人ひとつのことしかしてはいけない。

    例)Aの人は「あー」のみ、Bの人「うえうえうえ」のみ、、、発声する。

      声の高さやニュアンスは自由に変えて良い。

   ルール2: 声は繰り返して出す。繰り返しの周期は自由。時々休んでも良い。

 他人の声を良く聞き、全体の音空間の中で自分の声をどのような音質、高さ、

 タイミング、ニュアンスで発すれば効果的かつ音楽的になるか常に意識させた。

 

⑦ 3:15 ~ ⑥の試行を歩き回りながら行った。空間的な響きの移動企図した。

 

⑧ 4:12 ~

 ⑦のヴァリエーションで、各自が定めた発声テーマとはまったく別のサウンド

 イベント(別の言葉やボディーパーカッション、パフォーマンス)を1回だけ

 行っても良いルールを加えた試行を実施した。

 どのタイミングでどんなことをすれば目立てるかを課題とした。

 

⑨ 5:01~

 基本的に⑦のルールに従うが、途中で発声のテーマを変更を可とし、音響の変化や

 発展を狙いとした。

 

⑩  6:09 ~

 湯浅譲二 作曲「ヴォイセスカミング」を観賞後、この作品を参考に電話の呼び出し

 や会話を想定して声遊びを行った。

 

⑪ 7:34 ~

 声を変調する様々な方法を試みた。紙コップ、セロハン、ボイスチェンジャー、

 ヘリウムガス(パーティーグッツ用の安全なガス)などの手段を試した。

 

⑫ 7:59 ~ ⑪で試した方法を組み合わせて⑩を行った。

 

【まとめ】

特に詳細な打ち合わせを行わなくても、お互いが感応し合い、自然に声の重なりのピークが形成されたり、暫時的にフェイドアウトして終止するなどの現象が起こり、受講学生の感受性と豊かさと繊細さにあらためて感心させられた。日常の言葉は通常”意味や内容”と”語感や声質”が一体的に結びつけられている。しかし、これを一旦分解し再統合する作業を通じて声や言葉についての新しい発見や、自覚が促されると思われる。今後の課題として、これらの声遊びのワークショップから日本の伝統芸能の<声><語り>へと繋げらるワークショッププログラムを考えたい。(担当:山口賢治)

2016年6月22日 (水)

「越天楽 箏×ジャズピアノ」

雅楽の越天楽をもとに箏とピアノで音楽づくりをした。

調弦

平調子から四六九斗を一音上げ。

D、G、A,C,D,F,G,A,C,D,F,G,A

内容

1、越天楽のメロディーを箏で弾けるようにする。

2、越天楽のメロディーをカノンで弾いてみる。

3、越天楽のメロディーに伴奏パターンを重ねてみる。

4、3の上にさらに即興で飾りを入れてみる。

5、ジャズピアノ専攻の学生がいたので、ピアノと箏で越天楽をモチーフに音楽づくりをする。

6、最初は全員箏で、途中からピアノも入れること。という約束で、発表。


YouTube: 箏による音楽づくり(仮)

まとめ

箏でおなじみの越天楽であるが、今回はジャズピアノとコラボしたことで、とてもおしゃれな作品となりました。はじめは箏を弾いていた学生(専攻は邦楽器ではない)もピアノにどのように箏を重ねようか戸惑っていましたが、練習を重ねるにつれてうまく即興で太刀打ち?していました。画像は二回目の発表のものです。

ジャズ科の学生の感想で「前から箏の五音音階は、ジャズのGマイナーペンタトニックスケールに似ていて、取り入れやすいと思っていた」とのことで、私もとても納得し、勉強になりました。

後期はそれぞれの学生がワークショっプ内容を考え、その案をもとに学生がワークショップリーダーをしてもらうので、今回のように自分の専攻を生かしてそれぞれワークショップ案を考えて来てほしい、と学生に伝えました。

吉原佐知子 記

2016年6月15日 (水)

〈Seaモチーフを使って音楽づくり〉

武満徹の「海へ」で使われている、SEA(Es,E,A)モチーフの音階をちりばめて調弦された箏による音楽づくり。

 

担当 吉原佐知子

 

使用楽器 箏1人1面

調弦 Es,E,A,B♭,D,Es,E,A,B♭,D,Es,E,A

 

[内容]

武満徹の「海へ」で使われている、SEA(Es,E,A)モチーフの音階をちりばめて調弦された箏による音楽づくり。

1、 いろいろな奏法を見せるため、「鳥のように」を吉原が弾いて聴かせる。

2、 いろいろな奏法の練習

3、 武満徹の「海へ」の3楽章を楽譜を見ながら試聴し、構造などを知る。

4、 SEAモチーフがAパターン(Es,E,A)と、完全4度違いのBパターン(A,B♭,Es)の2種類が調弦にかくれていることを説明し、A→B→Aの順で展開することだけを約束に即興で音楽づくり。(映像の前半5分)

5、 本当に即興だけで作ったので、2回目はコンサートだと思って、モチーフの変わり目や終わり方を打ち合わせして、2回目の発表。(映像の後半5分)

6、 感想

生徒の感想

  「いつも即興でばかり発表していたので、かえって話し合って音楽を作るのが新鮮だった。」

  「構造を話し合ってつくったので、何をするのか明確で良かった。」

  「楽しかった」

[まとめ]

今回は調弦が素晴らしかった。調弦にAのSEAモチーフが3つ(一二三、六七八、斗為巾)、展開型のBモチーフ(三四六、八九斗)が2つかくれていて、一から巾まで順番に弾くだけで雰囲気があり、現代音楽的な音楽づくりが難なくできた。

箏による音楽づくりでは、調弦の影響力が大きい(ほとんどそれにかかっているとも言える)ので、みなさんもワークショップをするときは、調弦が大きなキーワードとなることを心得てほしい。と学生に伝えた。

今回受講している学生はみな、ジャズや音楽教育などの、邦楽器以外の専攻の学生でしたが、それゆえに縛られることなく、自由に箏をかき鳴らし、独自の奏法を披露してくれている。今回の作品は邦楽ワークショップならではの素敵なところが顕著に表れていると思う。

 

https://www.youtube.com/watch?v=XCaMJG-YRuI

 


YouTube: 箏による音楽づくり

吉原佐知子 記

2016年6月 9日 (木)

◆テーマ:様々な長さの尺八を使って音遊び 

◆実施日:2016年6月8日

◆担当:山口賢治

◆概要

前回(2016年4月27日)尺八の基礎音である民謡音階を使って尺八に触れる機会をつくった。今回はこれを発展させ、様々な長さの尺八を用意して音遊びを行った。発音が困難な学生にはアダプターを装着し、シンプルなテーマを元にリズムや異なる長さの管を組み合わせて、音の響きを楽しんだ。

 

◆使用楽器

尺八の基礎音”ロツレチリロ”の上行音形を基本テーマとした。 用意した楽器は、

一尺三寸 G B♭ C D E F

一尺五寸 F A♭ B♭ C E♭

一尺六寸 E G A B D E

一尺八寸 D F G A C D

二尺一寸 B D E F♯ A B

◆授業ダイジェスト動画


YouTube: 様々な長さの尺八を使って音遊び

【0秒〜46秒】 

全員一尺八寸管を使用。 

八分音符、四分音符、二分音符で上行するの三つの音形の組合せで演奏。

 

【46秒〜2分21秒】

全員一尺八寸管を使用。

八分音符の一つ刻み、二つ刻み、三つ刻みの上行の組合せで演奏。

 

【2分21秒〜4分14秒】

一尺五寸管、一尺八寸管の組合せ、同じリズム、同じ運指で演奏。

一尺五寸管、一尺六寸管、一尺八寸の組合せ、 同じリズム、同じ運指で演奏。

 

【4分14秒〜4分46秒】

使用楽器は一尺五寸管、一尺六寸管、一尺八寸管。

八分音符、四分音符、二分音符で上行するの三つの音形の組合せで演奏。

 

【4分46秒〜6分34秒】

使用楽器は一尺三寸管、一尺五寸管 、一尺六寸管、一尺八寸管。

同じリズム、同じ運指で演奏。

八分音符、四分音符、二分音符で上行するの三つの音形の組合せで演奏。

 

【6分34秒〜最後】

一尺三寸管、一尺五寸管、一尺六寸管、一尺八寸管、二尺一寸管で「チューリップ」を演奏。

さらにホイッスルトーンをアドリブで重ねる。

 

◆まとめ

上記の他にも様々な試演を行ったが、複数の種類の楽器を重ねて音遊びをする際、シンプルな構成の方が音楽的効果が明確に現れた。リズムや管の長さの組合せにより様々な和音が次々と表出する音響効果が興味深く、学生の反応も良かった。但し、 一尺六寸管、一尺八寸管以外の長さの安価な練習管は少ないので、楽器の用意が難しい点である。しかしこの方法は箏でも調弦を工夫すれば実施可能であり、同じキーで弾いても様々な調に変換設定が可能な機能を有するipadやスマートフォンキーボードアプリによる音楽づくりワークショップにも転用できると思われる。

2016年4月29日 (金)

◆テーマ:尺八ワークショップ 〜尺八にチャレンジ 民謡音階を使って〜

◆実施日:2016年4月27日

◆担当:山口賢治

◆概要

尺八体験のためのワークショップを実施した。尺八は発音が最も困難な楽器のひとつと言われており、音楽づくりへの活用が箏に比べて遅れている。そのためアダプター付き尺八を使用し(写真)、発音の困難を避けつつ、誰でも尺八が奏でる旋律を楽しみながら体験できるワークショップを考えた。尺八アダプターをつけると、アゴの角度を調整し歌口に吹き込む息の入れ方を変化させることができない。そのことにより尺八の大きな特徴であるメリやユリなどの音程、音色を変化させる奏法ができなくなってしまう。しかし、そうした制限があっても、尺八の特質や表現法を知ってもらえるための方法論を試みた。

今回、下記の2点の音楽的特質を取り上げ、簡単なアドリブ演奏を試みた。

① 尺八の基礎音が有する音階(民謡音階:DFGAC)とその音階がつくる旋律

② 尺八の運指による様々な技法と表現法

 

◆実施プログラムの流れ

1、尺八の音の出し方、構え方の説明と実習

2、日本の伝統音楽の音階と尺八の基礎音の解説

3、アドリブ演奏

ピアノ伴奏を伴いながら4小節ずつのアドリブ演奏回しを骨格に、様々な奏法の解説と試奏を行った。今回取り上げた技法は、連続音の運指による処理、スリ、コロガシ、押し指、コロコロ、アタリ。これらの技法を組み込みながら尺八らしい旋律を体験してもらった。

4、尺八の基礎音と様々な運指による技法を駆使した曲の見本演奏

    「深山ひぐらし」福田蘭童 作曲

 

◆まとめ

竹の尺八を持参した学生がおり、積極的な参加姿勢が見られたことが嬉しかった。また、持ち回りで学生にピアノ伴奏をして貰いながらアドリブ演奏を行ったので、音楽的に楽しい雰囲気を保つことができた。初心者の場合、尺八の音が充分に出ない時が多々有り、その際に生じる気まずさや白けた雰囲気を避けたり和らげる効果もあったと思われる。今回のワークショップは今後、尺八を使った様々な試みを展開していくための基盤となる。

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YouTube: 尺八ワークショップ 〜尺八にチャレンジ 民謡音階を使って〜

2015年11月14日 (土)

先日行われた授業の模様です。

10月28日と11月4日の2週に渡って民謡をテーマに音楽づくりをしました。

タイトル:民謡にチャレンジ!

使用楽器:三味線(HEH)

授業目的:日本に古くから伝わる民謡をテーマに、1週目では有名な山形県民謡「花笠音頭」を採り上げて日本的なリズムを体感・実践・創作し、日本的な音階や民謡特有の囃し言葉を学ぶ。2週目ではそれらを活かしてさらに色々な民謡に触れ、独自の民謡を創作する。

授業内容①花笠音頭にチャレンジ!  参加学生:3名

1、花笠音頭説明・試聴

2、花笠音頭の打楽器部分を実践

・慣れたら三味線のメロディーラインと合奏、囃し言葉にも挑戦「ヤッショウ マカショ」

3、花笠音頭に使われているリズムを参考に日本らしいリズムパターンを作成しパターン重ね

・ボディパーカッションをフルに使って

4、花笠音頭のメロディーラインを参考に三味線で4拍のパターン作成、パターン重ね

・3で創作したリズムも採り入れながら

5、オリジナル花笠音頭づくり


YouTube: オリジナル花笠音頭

・リズムや音の工夫に加え、音楽をふくらませるにはどうしたらよいか自分たちでじっくり話し合った結果、無拍部分も作り変化に富んだオリジナル花笠音頭となった。反省点としては次の展開へ移る時のキッカケにもうひと工夫欲しかったことと、演奏でいっぱいになってしまい囃し言葉が入れられなかったことが挙げられる。

授業内容②:オリジナル民謡にチャレンジ!  参加学生:2名

1、知っている民謡と使われている囃し言葉を挙げてもらい、その中からいくつか試聴

・ソーラン節、こきりこ節、炭坑節、新潟甚句など

2、三味線を使って日本的なパターンを作成

・囃し言葉も独自で考える

3、囃し言葉を積極的に入れながらパターン重ね、ソロまわし

4、オリジナル民謡づくり


YouTube: オリジナル民謡

・今回は参加学生が2名と少なかったため、市川も音楽づくりに参加し行った。テーマを「寒い冬からお正月が明けてあたたかい春となり、喜び浮かれての踊り」と決め、お互いのやっていることをよく聴き合いながらソロやリズムの工夫をし、囃し言葉を積極的に入れながらの音楽づくりでよくまとまっていた。また寒い冬を表現する無拍部分から踊りが始まる有拍部分への移行も、前回の反省を活かして熟考し実践できていた。授業の感想で、言葉を入れながらの演奏はやはり難しいとの意見が出たが、例年に比べると今年は声を出しての音楽づくりが少なかったように見受けられるので、次回から演奏だけに集中せず声を出すことも積極的に授業に採り入れていきたいと思う。

授業担当:市川香里

2015年10月17日 (土)

「呼び掛けと応答、循環」要素による音楽づくり2 〜尺八を使って〜

 

担当:山口賢治  実施日:2015年10月14日

 

概要:前回(10月7日)のワークショップ

「呼び掛けと応答、循環」要素による音楽づくり 〜声、手拍子、トーンチャイムを使って〜

について、同様の方法論に基づき、楽器を用いて音楽づくりを行った。この授業では尺八を用いた。但し、通常では尺八の場合、楽器に習熟していないと発音が困難である。そこで、下記の写真に示すリコーダーのヘッド形状をしたアダプターを装着した練習用尺八を用意した。これにより誰でも音を容易に出すことが可能となる。また尺八を用いるメリットとして、尺八の基礎音D、F、G、A、C(一尺八寸)は音階上に半音を含まないため、ランダムに音を配置しても、偶発的に音楽的な旋律線や和音が得らやすい。

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実施内容

音楽づくりの素材として、前回の基本テーマを変形して

【基本テーマ】

呼び掛け「○○ちゃん、遊っびましょ。」→応答「あとで、」→ブリッジ 「尺八吹奏」

として、これを発展させて様々な音楽づくりを試みた。


YouTube: 「呼びかけ、応答、循環」要素による音楽づくり2

以下に動画の説明をする。

① 円陣を組み、基本的テーマを受け渡す。ブリッジ部分は全員でC音を吹く[0:00~]

② ブリッジ部分の吹く音程を各自任意に選ぶ。吹くたびに音程を変えている。和音の構成音(D、F、G、A、C)は変わらないが、音の重なり方が毎回ランダムに変化するので、微妙な響きの違いを聞くことができる。[0:25〜]

③ ブリッジ部分の尺八発音を常に3名とし、順番に音を重ねる。各人は出す音程を予め定めてあり、自分が吹く番が回ってきたら、定められた音をロングトーンで吹く。これは同じ音程が2名以上で重ならないようにし、常に3和音の響きを発生させるための工夫がしてある。[1:08〜]

④ ③のロングトーンをトリルにする。[1:48〜]

⑤ ④の呼び掛けと応答の部分を声でなく、尺八に置き換える。[2:20〜]

⑥ Aが呼び掛けのテーマを吹きながらBに近づく。Bはそれを受けて応答のテーマをAに向かって演奏する。次にAとBが任意の音程でブリッジを演奏する。さらに続けてBは呼び掛けのテーマを吹きながらCに近づく。Cはそれを受けて応答のテーマをBに向かって演奏し、BとCでブリッジを演奏。これを繰り返す。[2:57〜]

⑦ ⑥を2組同時進行で行う。ひとりの人Eが二人から同時に呼びかけられてしまったら、Eは2回誰かに呼び掛け演奏を行う。これにより2組同時進行に戻すことができる。[3:41〜]

⑧ ⑦を基音が異なる尺八で行う。ここではD、Es、Eの3種類の尺八が混在している。[5:03〜]

⑨ ⑧の場合、音の重なりが複雑になりすぎたので、メトロノームに合わせて演奏している。[7:28〜]

 

まとめ:楽器を使った一例として尺八を用いたが、鍵盤ハーモニカでもまったく同様の試みが可能である。何故なら鍵盤ハーモニカの黒鍵のみを使用すれば、その音の配列は一尺七寸管の尺八の基礎音と一致する。一尺七寸管はあまり普及していない長さの楽器なので、数多く揃えることは困難であるが、リーダーやサポーターが一尺七寸管の尺八、参加者が鍵盤ハーモニカの組み合わせは可能である。機会があれば、この組み合わせも実施してみたい。

その他の楽器でもこの方法論の応用の可能性はある。但し、この方法論を活用する上での注意点は、使う音の事前設定にある。各自がランダムに音程を選択しても全体として音楽の形になるように音や演奏法の選択枠を計算して設定することが必要である。尺八を用いる場合は、この点で音や演奏法の選択枠の設定が容易にできることにある。

この日の授業には外部の人の参加が2名いた。一人は本学出身者でかつて在学中に邦楽ワークショップを受講していた経験者、もう一人はその人の連れで楽器は何もやっていない人。普段の授業では音楽を専門にする学生ばかりを相手にしているので、これは特殊な状況といえる。今回は一人だけだったが音楽的訓練をほとんど受けていない人が加わって、一緒に受講してくれる貴重な機会となった。音楽にあまり習熟していない人がどのような反応を示すのか、どの程度理解してくれるのか、ワークショップに加わって一緒に楽しんでもらうことができるのかなどについて知ることができた。最初は戸惑いながらも、笑顔を覗かせながら最後まで受講してくれたので、成果はあったと判断している。