■テーマ
声、ボディーパーカッション、ピアノによる音楽づくり
〜山根明季子 作曲「水玉コレクション」を参考に〜
■担当:山口賢治 ■実施日:2017年7月6日
■概要
パターンミュージックのヴァリエーションとして 山根明季子 作曲「水玉コレクション No. 6」の構造形式を流用して音楽づくりを行った。
YouTube: Dots Collection No 06 - Akiko YAMANE 《水玉コレクションNo.06》山根明季子
リズムや音列を動機単位として反復循環させるパターンミュージックの概念を発展させて、音響ユニットを単位として、漸次紡ぎ出される音響を変容させる音楽づくりを試みた。
│A│休│A’│休│A’’│休│A’’’│・・・・
様々な音の重なりが全体として音響Aになる過程を体験し、音響Aを変容させながら音楽として導き、構成するひとつの方法論を示すことを目的とした。
■実施プログラム
YouTube: 声、ボディーパーカッション、ピアノによる音楽づくり
① 0:00〜0:34
│ピアノ│休│ピアノ│休│ピアノ│休│・・・・
ピアノが鳴っている枠内に声やボディーパーカッションの音を漸次的に重ねて音響を作った。
② 0:34〜1:48
1人ずつ音を重ねてゆき、全員の音が重なったら、次に1人ずつ抜ける音の変化を試行した。
③ 1:48〜3:26
全員の音が重なった状態から1人ずつ音を変えて少しずつ音響を変化させてみた。
④ 3:26〜4:27
各人が約50%の確率で音を出す(音を出さない)ことにより、音響に変化をつける試みを行った。
⑤ 4:27〜6:10
a,bふたつのグループに分け、aグループのメンバーは音を出す確率を100%→75%→50%→25%→0%、bグループのメンバーは0%→25%→50%→75%→100%と変化させた。全体の響きの動きとしてaグループの音響から始まり、次第にaにbが混じりながらaの響きが減じてゆき、最終的にbグループの音響に収斂する様を意図してみた。
⑥ 6:10〜9:40
│A│休│A’│休│A’’│休│A’’’│・・・・の響きの中で、一人のみ独立して自由に声を出す声部を加えた。
⑦ 9:42〜
言葉による応答の要素を加味した。前の人から投げかけられた言葉に対して、次の人にその言葉に対する応答を回していくこととした。
■まとめ
今回の試みでは音響を単位として音楽をつくったが、参加者が10名のため、もう少し参加人数が多いと、より音楽的効果が音響群として表出するのでなないかと思われた。音響をつくる際に、ピアノの和音の性質や音響を構成する各人の発音の発想の共通のベース(例:怖い暗いなどの抽象的なイメージ、鳥のさえずりなどの具体的な題材)をコントロールすることにより音楽の性格が様々な様相を示せるのではないかと感じた。
授業の最初は学生に戸惑いが感じられていたようだが、こちらのコンセプトを理解してくれてからは様々なアイディアを出し合うようになり、最後は大いに盛り上がった。今度はこの方法論を活用して楽器を使った音楽づくりに挑戦してみたい。
この授業はとても現代的で素晴らしいと感じました。上の動画もそうですが、これからの音楽に欠かせないと思いますし、これを生活音などでやってもさらに面白いものが出来上がるのではないかと思いました。休符が音楽にきこえる音楽ほど美しいものはないと感じることの出来る動画でした。授業の方もそのまま煮詰めていけばもっともっと形になる音楽ができるのだろうなと思い聞いておりました。これからの時代はきっとポップスにも多様されるのではないかなと私は思っているのですがいかがでしょうか。