◆テーマ:尺八ワークショップ 〜尺八にチャレンジ 民謡音階を使って〜
◆実施日:2016年4月27日
◆担当:山口賢治
◆概要
尺八体験のためのワークショップを実施した。尺八は発音が最も困難な楽器のひとつと言われており、音楽づくりへの活用が箏に比べて遅れている。そのためアダプター付き尺八を使用し(写真)、発音の困難を避けつつ、誰でも尺八が奏でる旋律を楽しみながら体験できるワークショップを考えた。尺八アダプターをつけると、アゴの角度を調整し歌口に吹き込む息の入れ方を変化させることができない。そのことにより尺八の大きな特徴であるメリやユリなどの音程、音色を変化させる奏法ができなくなってしまう。しかし、そうした制限があっても、尺八の特質や表現法を知ってもらえるための方法論を試みた。
今回、下記の2点の音楽的特質を取り上げ、簡単なアドリブ演奏を試みた。
① 尺八の基礎音が有する音階(民謡音階:DFGAC)とその音階がつくる旋律
② 尺八の運指による様々な技法と表現法
◆実施プログラムの流れ
1、尺八の音の出し方、構え方の説明と実習
2、日本の伝統音楽の音階と尺八の基礎音の解説
3、アドリブ演奏
ピアノ伴奏を伴いながら4小節ずつのアドリブ演奏回しを骨格に、様々な奏法の解説と試奏を行った。今回取り上げた技法は、連続音の運指による処理、スリ、コロガシ、押し指、コロコロ、アタリ。これらの技法を組み込みながら尺八らしい旋律を体験してもらった。
4、尺八の基礎音と様々な運指による技法を駆使した曲の見本演奏
「深山ひぐらし」福田蘭童 作曲
◆まとめ
竹の尺八を持参した学生がおり、積極的な参加姿勢が見られたことが嬉しかった。また、持ち回りで学生にピアノ伴奏をして貰いながらアドリブ演奏を行ったので、音楽的に楽しい雰囲気を保つことができた。初心者の場合、尺八の音が充分に出ない時が多々有り、その際に生じる気まずさや白けた雰囲気を避けたり和らげる効果もあったと思われる。今回のワークショップは今後、尺八を使った様々な試みを展開していくための基盤となる。
コメント