4月30日は吉原による、箏の特殊奏法の習得を目的とした、「砧」を使ってのワークショップでした。
「砧地」とは古来より日本に伝わる布を川などで打つ作業を象徴する、シンプルな音型です。今回はそれをベースに鳴らした上で、箏のたくさんある特殊奏法を伝授し、その奏法を入れ込んで作品をつくりました。
流れは以下です。
1、箏の特殊奏法の練習
・合わせ爪(ここで砧地練習、五十 十~)
・すくい爪(ここで砧地練習、二ス~、七ス~)
・平爪、かき手、割爪
・流し爪、弾き連、グリッサンド
・トレモロ、裏連
・すり爪、散らし爪、輪連
・かけ爪各種
・押し手各種
・スタッカート、ハーモンックス、ピチカート、無調音 etc.
2、砧地の上で参考楽曲として、吉原が宮城道雄作曲「砧」を演奏して聴かせる。
3、1で習った特殊奏法を使って、パターンをかさねたり、即興でメロディをつくったり、対話したり、全体ワークショップ
4、2つのグループに分かれて箏のみで「砧」の音楽つくり
5、全員で他の楽器を加えて「砧」による音楽つくり
以上でした。
この日は箏を使って二度目のワークショップでした。学生たちはつたないながらも果敢に習ったばかりの技を駆使して音楽づくりをしてくれました。
砧というシンプルで単調な音型は音色に特化した邦楽器ならではのものなので、ピアノなどではさまになりませんでした。そういう点においても邦楽器の良さを学生たちに気付いてもれえたら嬉しいです。もっとしっかり音が出せるようになったら、さらに良い作品が出来ると思うので、今後のワークショップでもなるべくたくさん邦楽器に触れて、なじんでもらえるようにしていきたいと思います。
授業担当:吉原佐知子 記
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