2013年12月17日 (火)

邦楽器で世界の音楽に触れる

11月13日はクラリネット専攻3年生のKさんによる

「世界の音階」によるワークショップでした。拍の長さやリズムに着目したアイスブレイクの後、世界のいくつかの音階をピックアップして、まずその音階を聴かせてどんなイメージがあるかを話し合ってから好きな音階を選んでメンバーを替えて2回音楽づくり行いました。

箏になじみのない学生だからこそ、難しく考えずにかえって自由にその音階で楽しく音楽づくりをしてくれていると感じました。

また箏だからこそこの音階に着目したワークショップができると気付いたKさんにも感心しました。

Kさんの報告書は以下です。

授業担当 吉原佐知子 記

 

■テーマ
邦楽器で世界の音楽に触れる

■実施日
11月13日

■担当学生
管楽器専攻学部3年

■使用楽器
異なる調弦に合わせた3種類の琴

■実施想定対象
ある程度音楽に対する知識を有する高校生以上の生徒。

■実施概要・目的
・拍の長さの変化による音楽の種類と傾向が有ることに触れる。
・異なる調弦(今回はアメリカ,中近東,エジプトよりスケールを拝借)による印象の違いを楽しむ
→拍の長さによる傾向の変化+世界の異なる調弦による変化+日本の邦楽器である琴=…組み合わせを変えればいくつもの新しい音楽作りを楽しむことができるのでは?という発見をする事が大きな狙いである。

■実施プログラム

①拍の長さを意識した手拍子によるアイスブレイク
→どのような拍の取り方があったか発言をしてもらう
ex)短い、はねてる、重たい、音を引きずるetc…

→発言があったリズムを大雑把に4パターンに分類した後、そのリズムの傾向を解説
・たん たん たん/ロックやラテンに見られる歯切れのよいリズム
・たー たー たー/ボサノバに見られる音を引きずるリズム
・たーん たーん たーん/バラードやジャズにみられる半円のスキップ移動をするリズム
・たっ たっ たっ/タンゴにみられる短いスキップで進行するリズム

→上記の傾向を踏まえた上でもう一度アイスブレイク

[結果:意識のかけかたの違いによってただの手拍子なのにボサノバ感がでたりワルツの様に聞こえたのが面白かった]

②世界のスケールに触れる
→あらかじめ用意しておいた3ヶ国のスケールに調弦した箏の音を聞いてもらい、そのイメージを述べてもらう(この際どの国のスケールかは隠して行った)

ex)アメリカよりブルーススケール/ジャズっぽい、酒場、西部劇
中近東よりペルシアンスケール/あやしい、蛇が出てきそう、沖縄っぽい(?)
エジプトよりエジプシャンスケール/冷たい印象、ファラオ、砂漠、あやしい
etc…

[結果:どの国のスケールか言ってないのにも関わらずなんとなくその国の印象を言い当てるような発言が多く、やはりその国特有の音階にはその国の雰囲気が盛り込まれているのだと思った]

→次に先ほど聞いてもらったスケールの国ばらし

→グループを2つに分け音楽作りをしてもらう

③音楽づくり1
→ブルーススケールチームとペルシアンスケールチームに別れて音楽づくりをしてもらう
この際、授業前半で行った拍感の違いを意識しながらパターンや即興で音楽作りをお願いしたいと説明。

[結果:ブルースチームは軽快なジャズのパターンを重ね酒場の様な雰囲気に。ペルシアンチームはあやしげな雰囲気の曲になり調弦による違いが顕著に出た。]

→チーム代表者に相手チームの感想を述べてもらう。ワークショップリーダーからもチームごとに感想を述べた。

2013.11.13 邦楽ワークショップ
YouTube: 2013.11.13 邦楽ワークショップ



④音楽作り2
→グループを入れ替えエジプシャンスケールチームとブルーススケールチームに別れて音楽づくりをしてもらう

2013.11.13 邦楽ワークショップ 世界の音階
YouTube: 2013.11.13 邦楽ワークショップ 世界の音階

2013.11.13 邦楽ワークショップ エジプト音階
YouTube: 2013.11.13 邦楽ワークショップ エジプト音階



[結果:エジプシャンチームは砂漠の中を静かにあやしく進んでいく様な雰囲気の曲に、ブルースチームは音楽作り1でのブルースチームとは違い少し落ち着きのあるジャズ風な曲になった。]

→チーム代表者に相手チームの感想を述べてもらう。ワークショップリーダーからもチームごとに感想を述べた。

⑤まとめ
→感想を述べて授業概要・目的がなんだったのかを解説した


■感想
スケールの違いによる音楽の違いが楽しめた。各国のスケールから受ける初見での印象がなんとなく的を射ていたのが面白かった。
最初に行ったアイスブレイクでは今までのワークショップでは工夫して身体のどこから音をだすか?という点を考えることが多かったように感じていたので今回は拍を意識してのアイスブレイクを行ったが、手拍子だけでもボサノバやロックに聞こえるのが新しい発見だった。

反省点は少し詰め込みすぎたかな…という点です。拍の長さによる音楽作りのワークショップか音階の違いによる音楽作りのワークショップかどちらかに絞れば良かったかなと思います。でも履修者の皆さんがとても協力的で板書を使いつつスムーズに授業進行が出来ました。ありがとうございましたm(_ _)m

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