9月11日は学生によるワークショップの第1回目でした。
担当は現代邦楽コース3年のKさんによる、「謡曲にチャレンジ」のワークショップでした。
ただ謡曲を伝授するだけでなく、それをもとに音楽づくりをしてほしかったのですが、どうやって謡曲をもとに音楽づくりをすればいいのか、リーダー自信が理解していないうちにワークショップをはじまてしまった上に、準備期間が1週間しかなかったためにワークショップ全体がいきあたりばったりでたくさんサポートをしました。
結果、学生は独自の歌詞を作って唄った後、その歌詞をもとに音楽づくりをしてくれ、なんとか日本の唄による声のワークショップができました。
Kさんは三味線専攻なので、次回は是非三味線でもワークショップをしていただきたいです。
その時は堂々としたワークショップぶりをみせてくれることでしょう。
学生によるワークショップ1回目、お疲れ様でした。
以下はKさんによる授業報告と感想です。
授業担当 吉原佐知子 記
「謡曲にチャレンジ!!」
:ワークショップリーダー
現代邦楽コース-三味線専攻
☆実施日
2013/9/11
☆対象
大学生9名
用意するもの
・自身の声
題材にしたもの。
・羽衣のキリの謡(最後の場面)
☆授業目的
「邦楽の発声にふれたり、自分たちでオリジナルの謡曲を作って謡曲を体験してもらう」
授業の流れ
❶アイスブレイクとして、邦楽の発声を理解してもらうための声出し。(※円になって)【20分:予定】
⒈一声に「ダァ!ダァ!」とお腹から声を出して発声する(ダァという音形がお腹にちからを入れやすい)
⒉今度は一人づつ一声入魂に「ダァ!」発声をする。
⒊羽衣を節ごとに真似して歌ってもらう。
能には中音や上音といった独自の音程概念がある。対象の生徒はクラシックの学生ばかりだったが、みんながんばって真似っこしていた。
❷グループに分かれて「七五七五」の文を作る。
その歌詞を謡曲風に歌詞を発表する。
作品:1グループ目
「みたらしだんご
草だんご
三色だんごに
ごまだんご」
2グループ目
「新校舎
ライトアップで
照らし出す
学費の結晶」
・ここで先ほどのアイスブレイクで体験した羽衣の謡をヒントに、謡曲の音階を付け↑の句を発表してもらった。
・羽衣の謡本のウキや下げの表示を初心者にも関わらず要点をつかんで使いこなしていた(実際、音程の高低を七五七五の文に書き込んでいた模様)
❸さらにアレンジ
先ほど作って発表した謡曲に、さらにアレンジを加える。
目安としては、謡いの型にとらわれないで、自由な発想で作るようにと指示を出した。
❹発表
ユニークなアレンジを発表してくれた。
1グループ目は謡いの下で更にベースとして単語を唱え続けたりとパターンミュージックの導入が見られた
2グループ目は、最後の句を輪唱させた。
❺能の説明
題材に使った、羽衣のキリの仕舞いを鑑賞、能の背景や種類を少しだけ説明。
反省点
・(謡曲独自の)音の幅を短時間で覚えてもらおうと資料の種類を余分に用意したが、それが逆に混乱を招いた。
・能の資料を見せたり、説明を沢山したかったが、時間も合わずそれができなかった。
・そして、それができなかったために、生徒が謡曲をイメージできていない状態で音楽づくりをしてしまった。
・決めておいた授業の流れを変えてしまったり、時間内に授業を展開する事ができなかった。
感想
「学費の結晶」という単語一つだが、音楽(謡曲の謡い)をつけることによってより言葉内容の表現を深くできたと思う。謡曲のあり方を私も自身がまた再び見直す事ができた。
謡曲は音楽というより舞台芸術の庭の芸能であり、音楽的要素を抽出して行う邦楽ワークショップには題材として相応しくないのではと悩みつつ授業案を立てた。だが逆に音楽づくりを最大に活かせ、なおかつ謡曲ならではの「言葉を取り入れた音楽づくり」をする事ができてよかった。
最後に。みんな元気に純粋に取り組んでくれて嬉しかった。声出しも楽しんでいた生徒もいて、ワークショップリーダーとても楽むことができ、やりがいがあった。
女子スポーツジャーナル
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