2013年5月28日 (火)

オリジナル楽譜で音楽づくり

今回は図形楽譜をテーマに、図形楽譜読解からオリジナル楽譜の作成、演奏までをグループディスカッションに重点をおいて行いました。

授業担当:中香里 記

『オリジナル楽譜で音楽づくり』

実施日:2013年5月22日
対象:大学生13名
使用楽器:箏、三味線、笛、鼓、打楽器など
目的:図形から音を連想し演奏に繋げる。音の解釈の幅を広げる。グループ実習での交流をさらに深める。

1、アイスブレイク
①黒板に曲線を書いて声で表現する。②二分割して上下で同時進行してみる。
③それに好きな図を学生に入れてもらい声とボディ・打楽器を使って表現する。

2、図形楽譜を読む
①2グループに分かれ、既成の図形楽譜(2種類)をどう読解するかディスカッションする。そのあと声と体・打楽器で演奏してみる。
②図形楽譜を交換して読解法をグループごとにディスカッションし、好きな邦楽器を準備して声・打楽器とともに演奏。

3、オリジナル楽譜の作成・読解
①個人で好きな図形を書き、それをグループ内でつなげて一つの楽譜を作る。
②作成した楽譜をどのように楽器で表現するか話し合う。→奏法や調弦、音楽づくり要素も入れられるようアドバイスをしました

4、発表

グループ①


YouTube: オリジナル図形楽譜①

グループ②


YouTube: オリジナル図形楽譜②

グループ①は「美術の歴史」という壮大なテーマをつけて、まるでメロディーが楽譜に書いてあるかのように流暢な音楽を聴かせてくれました。邦楽器の様々な奏法を積極的に採り入れた点もすばらしかったです!本番ではやっていませんでしたが三味線の斬新な弾き方を学生さんが開拓していたので、ぜひ次回実践してほしいと思います!一方のグループ②は全員が順番に指揮者となって時間軸を担当し、箏の調弦も無調、打楽器や笛を駆使しての個性あふれる音楽でした。打楽器を箏爪で軽くたたく新たな方法も採り入れて、お互いの音を聴きながら音楽づくりしているところもよかったです。

今回はグループ実習に重きをおき、学生たちでの話し合いの時間を多くとったため、自発的に音楽づくりしようという意識がより高まったように思います。また、学生同士でお互いの良いところを音楽づくりでどんどん採り入れて活用していたのがすばらしいと思いました!好きな楽器を使っての音楽づくりだったので、鼓や笛なども積極的に採り入れて生き生きと音楽を楽しむ姿がうれしかったです。リーダーとして活躍する洋楽の学生さんも出てきて、とても頼もしく感じました。

上:グループ①図形楽譜、下:グループ②図形楽譜

Photo Photo_2

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コメント

この授業では、音楽の可能性を考えさせられました。
五線譜以外の楽譜は様々存在しますが、そもそも楽譜の意義は音楽を記録する為に記号化したものであり、その記号化をどこまでできるか、そして誰が見てもすぐ演奏できる楽譜にするということが今回の自分の課題でした。
有難いことに音大生ばかりの授業なので、私が書いた意味不明な線の羅列を即興演奏して下さったのですが、私はどのように演奏して欲しいと思って書いたのではなく、頭の中で描いたイメージをそのまま神に書いただけなのです。
それをどのように演奏するかは奏者次第で、違う人が演奏したら全く別の音楽に聞こえたかもしれません。
邦楽器でこの楽譜を演奏するメリットは、元々邦楽の楽譜が五線譜ではなかったこともあり、どのように演奏すれば良いかが分かりやすいという点でした。
鍵盤楽器はポルタメントがつけられない、歌うには難しい、西洋の弦楽器では演奏するまで至らない。
このオリジナル楽譜はきっと子供の方が何も考えずに色々なことをやってくれてもっと面白い楽譜、演奏になると思います。
子供達に負けじと壁を壊してこれからも音楽の可能性を探っていきたいです。

最初みた時はこんなもので音楽ができるのかと戸惑いましたが、自分の好きな様に楽譜を解釈して音楽をつくることがたのしくなりました、
みんながいろんな捉え方をして音楽を奏でるので、事前にいろいろ相談しながらやらないとキメのところでばらばらになったりしてしまうのが、大変だなと感じました、

直感で書き上げた譜面。
グループ全員のを組み合わせてまず思ったことは、とても古いピアノの譜面等を初めて見た時の感覚に似ていました。

新しい書体のものを読み解く楽しさ、グループ全員思い思いの解釈。

一人一人の性格を感じる楽しい授業でした。

直感から出てきた図形がみんなの発想力によって音楽となるその過程がおもしろかった