10月30日は声楽科のTさんによる「日本の歌で遊ぼう」のワークショップでした。
Tさんは日ごろから邦楽ワークショップの授業に積極的にとりくんでくれて、ワークショップ案も早くから念入りに考えて実施にいたりました。
そのためにとても落ち着いて、良く考えられたワークショップでした。
通常では、参考音源を最初に聞かせてから音楽づくりをさせるのですが、今回は最後に題材にした詩を、違う歌手、アレンジでうたわれた音源を聴かせるという、逆転の工夫も新鮮で工夫が見られました。
以下Tさんの報告書です。
授業担当 吉原佐知子 記
ワークショップ名
日本の歌で遊ぼう(邦楽を用いての音楽作り)
ワークショップリーダー
声楽コース
実施日
10月30日
対象
大学生7名
使用楽器
琴、声
題材
さくらよこちょう(別宮、中田)
授業目的
あまり触れる機会の少ない日本歌曲に触れると共に、日本語の持つ様々な要素や雰囲気を感じ取る。
感じ取ったことを音楽概念に当てはめて表現する。表現をすることで何気無く毎日使っている日本語にもっと興味を持って欲しい。
アイスブレイク
軽い体操と発声練習、簡単な発声概論(10分)
発展
①題材から歌詞の一部を抜き取り、その部分の日本語を分解し、単語ずつに分け、ひとつひとつの単語がどのような性質、特徴を持っているのかを考える(10分)
②その性質、特徴、雰囲気をいくつか発表してもらい、分解した言葉に当てはめて表現の仕方を考え、一文ずつ読んでもらう(15分)
例)元気なイメージ、ふんわりとした感じ、など
↓
強弱は?速度は?高低は?
↓
重ねたら効果が出る?
③グループに分かれて①②でやったことを工夫して表現の仕方を考え、声のみで発表する。その後、琴や三味線も用いた音楽を作る(10分)
YouTube: 10/30 邦楽ワークショップ 日本のうたで遊ぼう
④発表(5分)
YouTube: 10/30 邦楽ワークショップ 日本のうたで遊ぼう
YouTube: 10/30邦楽ワークショップ 日本のうたで遊ぼう
まとめ
さくらよこちょうを聞く(別宮さん、中田さんどちらも)。
自分達の演奏との違いや、別宮さんと中田さんの曲の違いを発表。(10分)
同じ歌詞なのに全然違うことを理解してもらえたら嬉しい。
またドイツ歌曲を例に、言語は違えども、言葉が曲にとってどれだけ大事なのかということが少しでもわかってもらえたらと思う。
反省点
アイスブレイクで折角身体を動かしたのに発声のことは概念しか伝えられず中々実践までいかなかった。
アドリブで話すことが多く焦ってしまい、学生に伝わったかどうかの確認が疎かになってしまった。
また、普段声楽のレッスンを受けていない学生に音楽要素を取り入れて読ませるという点において、難しかったという声があり、自分が手本を聞かせるべきであった。
感想
全体的には良い出来であるワークショップだったと思う。所々に反省点はあるものの、学生から、新たな発見があり自分の専門にも活かせそうだ、という感想を聞けただけで有意義なワークショップであったということが分かった。
私は声楽コースなので、詩を分解して考えることが身についている。普段はイタリア語やドイツ語、フランス語が多いので中々日本語の詩を考える機会がなく、今回のワークショップは私にとってもとても有意義な時となった。
教職を取っているため、教えることは好きである。生徒や学生と対話しながら音楽作りが出来たことはこれから先の自分にとって、物凄い経験値になると思う。
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