2012年3月

2012年3月17日 (土)

「ウィーン研修旅行成果発表演奏会」のお知らせです。
この演奏会はウィーン研修にて研鑽を積んだ成果をみなさんに披露させていただく演奏会となっております。
皆様のご来場をお待ち申し上げます。


「ウィーン研修旅行成果発表演奏会」

日時:2012年4月3日(火)15:00開演(14:30開場)
会場:洗足学園 前田ホール
入場料:無料


増村 萌子(学部2年)
ブラームス/ソナタ 第2番より 第1楽章


樫村 理沙(学部4年)
ラヴェル/「鏡」より 第4曲 道化師の朝の歌


明円 茜(学部2年)
プロコフィエフ/ ソナタ 第6番より 第1楽章


藤舘 静香(大学院修了)
ラヴェル/「夜のガスパール」より オンディーヌ


石澤 優花(学部3年)
ブラームス/ソナタ 第3番より 第1楽章


※学年は4月からの新学年のもので掲載しております。


Photo

2012年3月13日 (火)

ウィーンから帰国して1週間以上経ちましたが、未だにウィーンの空気、建物、感動などが甦ってきます。また行きたいです。
さて、学生たちから「ウィーン研修旅行を終えて」という題で、報告書を提出してもらったものを数名ほどご紹介します。


☆Oさん☆
今回初めてウィーン研修に参加させていただきました。
ウィーンには音楽をやっているからには絶対に行きたいと思っていたので、本当に行けてよかったです。
空気や建物、耳に入る音など、その中にいるだけでも全てが日本と違い、また全てにおいてスケールの大きさを実感しました。
音楽家に縁の深い場所にもたくさん行き、それだけではなく、空や森や草原など自然を目にしたり、宮殿や教会などに足を運び、また土地にしみこんだ宗教の姿を見て、本を読んだり、机の上での勉強では絶対にわかりませんでしたが、クラシックという壮大な音楽が生まれた理由がわかった気がしました。
今まで作曲家のことも勉強して知識としては理解していましたが、実際に演奏した場所や、曲を作り生活していた家に行き、自筆の手紙や楽譜を見たり、デスマスクやライフマスクを見て生きていた頃の表情や音楽を作り演奏する姿を想像し、音楽家が多く眠る墓地に行ったことで、文字の上での偉人してしか感じることができなかった音楽家を、自分たちと同じように生きていた一人の人間であることを感じることができたので、それが心の底から嬉しく感動しました。
また、教会でミサを受けた時に、パイプオルガンの演奏がありました。教会は石造りで、天井が高く、冬なので深々と冷えた空気の中、オルガンの音が壁や天井、床などあらゆるところから響き渡り、特に低音が本当に地の底から、体の芯から響いてくるような、鳥肌が立つほど音を体で感じた感覚は絶対に忘れられません。
それから、土地によって感じることが全く変わることもわかりました。プラハに行く途中森があり、白樺の枯れた感じや、晴天なのにも関わらず雪が残る深緑の暗い森を目にして、北欧の作曲家の音楽がこうした風景の中生まれたことがとても納得でき、ウィーンだけでは感じることができなかったこの気持ちを忘れたくないです。
他にもたくさんのことを見聞きして、その空気の中でしかわからないことを実際に感じることができたので、今後この経験を活かし、更に広く深く音楽を掘り下げて考え、演奏に結び付けていけたらと思います。


☆Fさん☆
ウィーンへは生まれて初めて訪れました。音楽で溢れる憧れの国で、市内観光だけでなく音楽鑑賞にレッスン、そして本番と充実感溢れる毎日。気がつけば9日間は、風のように過ぎて行きました。
石造りの統一感ある建物に囲まれた街並みは、日本とはまるで別世界。頭の中は自然と大好きなシューベルトの旋律で埋め尽くされました。同時に今、自分が立っているこの場所から数々の有名な作曲家達が曲を作り上げていったのかと思うと高揚感で胸が一杯になりました。
日々刺激ある研修でしたが、その中でも国立音楽大学でのマーティン・ヒューズ先生によるレッスンは非常に印象深く残っています。テクニック面のみならず音の質、音の色、感覚的な表現や歌い方を非常に分かりやすく御指導いただきました。
西洋音楽を中心に学ぶ私達学生にとって、ただ目の前の課題をこなすだけでなく生の音楽を聴くことやアナリーゼをしていく事は勿論重要ですが、更に深く学ぶ為には、その音楽が生まれた地へ足を運び、その地の価値観、空気感、世界観を実際に肌で感じる事が大切なのではないかと今回の研修を終えて感じました。
この様な貴重な場に参加出来た事に感謝すると同時に、これからの学生生活に生かしていきたいと思います。


☆Kさん☆
私は、昨年に引き続き今年もウィーン研修旅行に参加させていただきました。
マーティン・ヒューズ先生によるレッスンでは、音の響きを大切にすることを中心に、力を抜いた弾き方、テンポや音楽の作り方などを教えていただきとても勉強になりました。その後行われたオーバラーテアターザールでの演奏会では、べーゼンドルファーの豊かな響きを楽しみながら演奏することができ、良い経験となりました。
また市内観光では、偉大な音楽家達が生まれ、過ごした、その同じ場所を自分の足で実際に歩いていることが嬉しく、またそれが不思議でもあり、感慨深かったです。
コンサートやオペレッタ、ピアノリサイタル鑑賞など、音楽の都ウィーンの地で、さまざまな素晴らしい音楽に浸り、また王宮礼拝堂や教会では、パイプオルガンの荘厳な響きと共に奏でられる美しい歌声を聴き、感動しました。
宮殿や美術館を巡ることで、ヨーロッパの歴史や文化にも触れることができ、とても充実した11日間でした。
この研修旅行で経験したこと、感じたことを、自分のものとして取り入れ、今後の演奏に生かしていきたいと思います。


☆Mさん☆
この研修旅行で、日本とオーストリア(ウィーン)の違いと、自分の物の見方、考え方がとても狭い範囲でしか無いことや、結果を知らないのに最初から勝手に決めつけていることに気がついた。
例えば自由行動で、どこかのお店に入り、店員と会話をするときや、たまたま同じ道を歩いている人と接するときなど、私の考えでは全く相手にもされないだろう、日本人なんて所詮相手にされないだろうと強く思っていた。しかし、実際その場を経験してみたらそんなことはなく、むしろ日本人より陽気に会話をしてくれたり、理解をしてくれようとしているのが伝わってきた。確かに相手にされていない面もかなりあるのかも知れないが、少なくとも私は海外に対するイメージが変わった。
他にも、食事は日本と違ってどんなものが出てくるのか、内心では怖かった。それもマイナスイメージばかりが強く、勝手に私の口には合わないものが多いだろうと思っていた。しかし、また実際に経験してみると全くイメージが変わった。
日本でクラシックのコンサートと言うと、少々お堅いイメージをもつ人が多いと思う。これもやはりウィーンでは違い、一般人が日本で言うちょっと映画を観に行こうか、というような感覚でコンサートに足を運んでいるんだろうと思った。それが私のなかで一番驚いたことだ。一般人が音楽に対する興味が強いウィーンは、やはり音楽をするのに物凄くいい環境だと思う。一般人があまり振り向いてくれない場所で音楽をやっていても、つまらないと思う。
とにかく音楽の都であるウィーンの空気、街並み、風景、人々など、沢山肌で感じることが出来、少しでも音楽に近づけたような気がした。


☆Hさん☆
この10日間、本当にあっという間でした。
生まれて初めてのヨーロッパは見るもの全てが新鮮に映りました。市街地に着き地下鉄から地上に出て、夜のオペラ座やウィーンの街を見たときの感動は一生忘れないと思います。
美術館や教会、伝統あるカフェに行ったり作曲家たちが生前住んでいた家などを観光して「こんな街で生まれ育ったんだな」「こういう暮らしの中でたくさんの曲が生まれたんだな」と、言葉ではうまく言い表せられないけれど来てみなきゃ知り得なかったことを学ぶことが出来ました。
また、この研修旅行を通して普段あまり関わることがない先輩や後輩たちと交流を持てたことも私はとても嬉しかったです。
ウィーンでたくさんの音楽を聴いて、見て、感じて、行って良かったなと心から思いました。
今回引率して下さった先生方をはじめ、お世話になった全ての人に感謝して、これからもっともっと練習をして自分の音楽を作り上げていきたいです。


☆Mさん☆
ヒューズ先生のレッスンでは、先生ご自身の中に流れている音楽や先生の奏でる繊細な音を間近で感じることができ、感激しっぱなしの1時間でした。
先生は歌い方やフレーズのことなどを丁寧に教えてくださり、先生が感じる歌い方やため方、声部の出し方、アーティキュレーションなど、言われることすべて共感でき、弾いていてすごく気持ちがよかったです。
歌い方やフレーズのことだけでなく私の弱点も指摘してくださって、いまの自分に必要なことに改めて気づくことができ、これからの自分の音楽をもっともっと幅広いものにしていかなければならないと思いました。時間を忘れるくらい充実していて、とても刺激的なレッスンで気合いが入りました。
ウィーン市内の観光では、日本とまるで違うきれいでかわいい建物に感動しました。ウィーンではだいたい晴れでしたが、雨がふったり雪もちらほらふったり曇ったりコロコロ変わる天気でした。ベートーヴェンの「田園」も、嵐が来たり、パッと晴れたりするように、その土地の気候とかも曲に関係しているのかなぁと思うと、何もかもが貴重な体験になりました。
モーツァルトハウスや、シェーンブルン宮殿などに行ったときは、当時の偉大な作曲家と同じ場所に立って同じ風景を見ていることが、タイムスリップしたような感覚で、言葉では言い表すことのできない不思議な気持ちになったし、とても感動しました。
テレビや雑誌を見ながらその土地の風景を見ることはできても、その土地の文化や空気、雰囲気などはその土地に行って初めて感じられるものなのだと強く感じることのできた旅行になりました。
いつかまたクリスマスに行ってみたいです。

2012年3月 1日 (木)

九日目(最終日)は、マインハルト・プリンツ先生のレッスンを受講しました。ヒューズ先生のレッスン室の場所と校舎が変わりまして、新校舎でのレッスンとなりました。こちらはまだ真新しく、設備が整っておりました。また、プリンツ先生は日本語が流暢でレッスンも日本語で行い(たまにドイツ語も交ぜて)、学生にとっては、親しみやすかったのではないかと思います。レッスンもとても丁寧に教えてくださっていたそうです。夜は、コンツェルトハウスでニコライ・ルガンスキーのピアノリサイタルを聴きました。最後の研修にふさわしく、お手本のような演奏が聴けて、学生たちはすごく満足をして、研修を終えたように思います。

さて、本日で研修旅行は終わりですが、学生たちは何を得て、今後どのように活躍していくか、それが楽しみで仕方がありません。それぞれがこの研修旅行で得たものを、自分たちなりに解釈をし、実行をしていく、それが故にこの研修旅行の意義があると思います。

これから、学生たちには「研修旅行を終えて」という報告書を提出してもらいます。3月13日以降、学生たちからの報告書(数名)をupいたします。また、写真も随時upしていきすので、研修は終わりましたが、 今後とも「ピアノコース・ウィーン研修旅行2012」のブログをご拝読していただきますよう、よろしくお願いいたします。

最後に、ここまでご指導・引率をされた杉本先生、鳥羽瀬先生、小嶋先生、またこの研修旅行にご協力していただいた岡部さん、岩切さん、アルトマンさんにこの場をお借りしまして、御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

また来年度も実りのある研修旅行にしていきたいと思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

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