« 2012年6月 | メイン | 2012年8月 »

2012年7月

2012年7月28日 (土)

「津軽三味線」山中信人 先生(7月28日)

毎回ゲスト講師をお呼びして、各テーマごとにレクチャーコンサート形式で行われる授業が「邦楽サウンド論」です。前期最後は山中信人 先生による「津軽三味線」です。

津軽三味線の元祖は門付芸から始まり、その頃の楽器は恐らく中棹三味線を使っていたようです。その後、人が集まっての唄会で民謡の伴奏として大勢人の前で演奏するようになると、大きな音量が要求されるようになり、義太夫で使われる太棹三味線が使われるようになりました。様々な工夫がなされ撥や駒や奏法などが独自の進化をとげた結果、今の楽器になっていきました。
津軽民謡の特徴として、唄い手が自由な長さで節を歌う即興的な要素が強かったため、それに合わせて津軽三味線の演奏も即興的要素が進化しました。はじめは唄の前奏部分が短く演奏されていましたが、奏者の腕の競い合いによってだんだんと前奏部分が長くなり、やがて唄から独立し、器楽としての現在の津軽三味線に繋がります。

津軽三味線の豪快かつ繊細な演奏を目の前で惜しみなく聴かせていただきました。


YouTube: 「津軽三味線」山中信人 先生(7月28日)


Sa3e0160


2012年7月24日 (火)

洗足学園大学 夏の音楽祭 邦楽コンサート 〜アンサンブルの可能性〜 (7月22日)

7月22日、大学講堂にて16:00より洗足学園大学 夏の音楽祭 邦楽コンサート 〜アンサンブルの可能性〜 がありました。現代邦楽コースの学生、院生に加えて卒業生、他コースの学生の応援を得て、無事終了しました。動画は津軽三味線講師の山中信人 先生 作曲による初演作品「あいの風」です。津軽三味線2挺と中棹、細棹それぞれ1挺ずつによる四重奏曲でこのコンサートのために書き下ろしていただきました。各三味線の音色の違いやアドリブバトル、緊張感溢れる音のやり取りが面白いです。


YouTube: 「あいの風」山中信人 作曲


当日配布のプログラムは下記からダウンロードできます。
natsuon.pdfをダウンロード

2012年7月21日 (土)

「日本と世界の音楽を聴く」藤本草 先生(7月21日)

毎回ゲスト講師をお呼びして、各テーマごとにレクチャーコンサート形式で行われる授業が「邦楽サウンド論」です。
本日は公益法人日本伝統文化振興財団理事長の藤本草 先生にお越し頂きました。

箏曲「六段」はグレゴリオ聖歌「クレド」が原典ではないかとの興味深い説についてお話いただきました。
「六段」と「クレド」の曲の構成や拍数が一致している点をあげ、実際に陽旋法での調弦で「六段」と「クレド」の同時演奏を聴き、歴史的な経緯を踏まえて様々な角度から検証されました。

Pict0015

キリスト教が日本に伝来し際、賛美歌を歌うために箏が伴奏がつけられたが、その後キリシタン禁止令が江戸幕府から発布されたため、伴奏部分のみが残り、それが「六段」の原典になったのではないかとの説が現在話題になっています。(皆川達夫 説)

現在の箏曲の祖である賢順が「クレド」に箏の手付けを行い、筑紫箏に伝わる「すががき」となって歌がなくなり、後年になって八橋検校によって陰旋法に改められ現在の「六段」となり八橋検校の作曲とされました。しかし北島検校 作曲説も近年有力になっているそうです。

箏曲『六段』とグレゴリオ聖歌『クレド』 監修・解説・指揮:皆川達夫(音楽学者、中世・ルネサンス音楽史)はこちら。
http://search.japo-net.or.jp/item.php?id=VZCG-743


Pict0014

2012年7月19日 (木)

「琵琶の音楽」田原順子 先生(7月14日)

毎回ゲスト講師をお呼びして、各テーマごとにレクチャーコンサート形式で行われる授業が「邦楽サウンド論」です。

筑前琵琶奏者の田原順子 先生をお招きしての授業です。
先生ご自身の演奏による「那須与一」や様々な貴重な音源を聴きながら楽しいお話をしていただきました。


YouTube: 「琵琶の音楽」田原順子 先生(7月14日)


この授業の受講生のひとりがフェイスブックに記事を出しましたので、下記に引用します。

昨日、琵琶奏者田原順子さんの琵琶についての講義と実演を聴きました。繊細な音と野太い音が琵琶から紡ぎ出され、しびれました。平曲にみられる古典的な奏法が現代ではリズムのある奏法に変化している様子を聴かせて戴きました。更に、検校制度で受け継がれた琵琶が明治以降一般化した時に従来とば違う琵琶演奏が始まったとのことで、般若心経などの仏教経典に琵琶を手付けした例などを聴かせて戴きました。これがやけに明るい調子で、リズムもあり聴いているとお経に併せて踊りたくなりそうな感じでした。琵琶の違う一面を垣間見せて戴きました。

「那須与一」は洗足学園音楽大学 伝統音楽デジタルライブラリーにアップしてあります。





YouTube: 琵琶演奏 「那須与一」 ~伝統音楽デジタルライブラリー

169349_323501434408538_570006118_o


2012年7月 7日 (土)

上達するための尺八奏法講座 山口賢治 先生

「何事も基礎が大事」「歌うように吹いて」と良く言われる言葉ですが、尺八のおける基礎とは具体的にどんな訓練をすれば良いのか、歌うとは具体的にどうすれば良いのかについて集約して訓練を行う講座です。

今日は雨の中、宇都宮線の信号故障のトラブルがありながらも遠くから来校してくれる熱心な受講生がおりました。
基礎的な訓練法は今日までとし、次回からは実際の作品を教材に尺八アンサンブルの演奏について学びます。
皆さん初回に比べて少しずつ良くなってきています。
Pict0011


「三味線の音楽」木村陽子(伶香能)7月7日

毎回ゲスト講師をお呼びして、各テーマごとにレクチャーコンサート形式で行われる授業が「邦楽サウンド論」です。

本日はかつて現代邦楽研究所の研究生でもあった木村陽子(伶香能)先生です。普段はアメリカ在住ですが、6月終わりから7月半ばくらいまで日本に戻り、ご主人でチェリストの玉木光 氏と共に演奏ツアーをしていました。
今日は組歌から現代邦楽まで三味線の音楽の歴史についてレクチャーしていただきました。
授業が終わっても熱心な研究生に囲まれて質問攻めに合い、大変に好評でした。




YouTube: 邦楽サウンド論「三味線音楽」木村伶香能 先生


Pict0002

 

2012年7月 3日 (火)

現代邦楽研究所の卒業生の活躍4

上級科卒業のKoto-Akikoさんがライブを行います。

ライブ「哀しき魅狐は現世に泡沫の夢を見る」

邦楽器によるライブ「哀しき魅狐は現世に泡沫の夢を見る(かなしきみこはげんせいにうたかたのゆめをみる)」は、Koto-Akikoのセルフプロデュースです。魅狐・玉藻前が現世に見る一時の夢をお楽しみ下さい。

日時 2012年9月12日(水) 開場18:30~ 開演19:00~
場所 ティアラこうとう(江東公会堂)小ホール
Ticket 2000円(全席自由)

「 海鳴り 」石井由希子作曲   
「 那須野 」山田検校作曲    
「 六連星 」長沢勝俊作曲   
「 雅俗四響 」 和田薫作曲 

詳しくは下記のページをご覧下さい。
哀しき魅狐は現世に泡沫の夢を見る

ブログはこちら
音奏 oto-kanade

O0400028312061138352










 

現代邦楽研究所の卒業生の活躍3

4期生の松本愛子さんが箏三絃リサイタルを開催します。

2012年8月25日(土) 13:30開演 福生市民会館小ホール
賛助出演 箏:権藤悦子/酒井高子/関美保子/森由幾子 
     尺八:木藤青山/高橋慧山

1部
「青葉の賦」 川崎絵都夫 作曲
「春三題」  長澤勝俊 作曲
「壱越」   山本邦山 作曲
「秋風幻想」 深海さとみ 作曲
「北国雪賦」 長澤勝俊 作曲

休憩後の2部はお楽しみとのことです。

助演者の中の酒井高子さん関美保子さん森由幾子さんも現代邦楽研究所でかつて学んでいたメンバーで、現在「遊楽音(ゆらね)」というグループを組んで定期的に演奏活動を続けています。

お問合せ:電話 042ー551−3896(松本)
Photo


Photo_2


フォトアルバム

プロフィール

フォトアルバム

ブロッガー

Powered by Six Apart