「津軽三味線」山中信人 先生(7月28日)
毎回ゲスト講師をお呼びして、各テーマごとにレクチャーコンサート形式で行われる授業が「邦楽サウンド論」です。前期最後は山中信人 先生による「津軽三味線」です。
津軽三味線の元祖は門付芸から始まり、その頃の楽器は恐らく中棹三味線を使っていたようです。その後、人が集まっての唄会で民謡の伴奏として大勢人の前で演奏するようになると、大きな音量が要求されるようになり、義太夫で使われる太棹三味線が使われるようになりました。様々な工夫がなされ撥や駒や奏法などが独自の進化をとげた結果、今の楽器になっていきました。
津軽民謡の特徴として、唄い手が自由な長さで節を歌う即興的な要素が強かったため、それに合わせて津軽三味線の演奏も即興的要素が進化しました。はじめは唄の前奏部分が短く演奏されていましたが、奏者の腕の競い合いによってだんだんと前奏部分が長くなり、やがて唄から独立し、器楽としての現在の津軽三味線に繋がります。
津軽三味線の豪快かつ繊細な演奏を目の前で惜しみなく聴かせていただきました。
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