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2017年9月

2017年9月24日 (日)

9/24オープンキャンパス スペシャルイベント

『発声クリニック〜リズムセッション』無事終了しました❣️

発声クリニックでは、主に身体における呼吸の仕組みを知り、私達自身が楽器である事を意識して歌う事を学びました。

続いて、ボディ・パーカッションの体験では、4つのパートに分かれたパターンの楽譜を、初めて見た楽譜なのにもかかわらず、直ぐに演奏する事が出来たことに驚きました。

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最後には、色々なリズムの伴奏で歌った「ドレミの歌」では、マーチからボサノバ、サンバへと変わるリズムを感じながら、身体を使った発声を目指してしっかり歌う事が出来ました!

次回オープンキャンパスは10/22『アクティング』演出家 北澤秀人先生、クロスオーバーな活躍を続けるソプラノ 鵜木絵里先生によるスペシャルイベントです。是非お出かけ下さいませ。

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2017年9月21日 (木)

【大学院声楽コース プロフェッショナル特殊研究】

〜オペラ演出の巨匠 ミヒャエル・ハンペ氏をお迎えして

9月30日(土)18:30より 前田ホールにて、モーツァルトのオペラによる『オペラパレット』を公演します。海外の著名な教授陣をお迎えし、大学院生が本来なら海外でしか受けることの出来ない貴重な指導を日本に居ながらにして受け、その成果を皆様にご披露するものです。
今年度は世界的に活躍をなさっているミヒャエル・ハンぺ氏をお迎えして、一週間のワークショップの成果をご覧いただきます。ミヒャエル・ハンぺ氏の貴重な解説とともに、大学院生の情熱溢れる演奏を存分にお楽しみください。

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ミヒャエル・ハンペ Michael Hampe1935年

ハイデルベルク生まれ。チェロと演劇学を専攻後、65年よりチューリッヒ劇場の副 監督、バイエルン国立劇場の監督とバイエルン国立劇場の演出家、マンハイム国立劇場 の総監督を経てケルン市立歌劇場の総監督、ドレスデン音楽祭総監督を歴任。演劇の 演出やテレビドラマに俳優として出演するなど幅広い活動の後、オペラ演出家としての 頭角を現わし、ミラノ・スカラ座、コヴェント・ガーデン、パリ・オペラ座、サンフランシスコ、ミュンヘン等世界の一流オ ペラハウスで演出。また有名な国際フェスティバル(ザルツブルク、エディンバラ、フィレンツェ、ペーザロ)でも活動し ている。故ヘルベルト・フォン・カラヤンと長年に渡って共同作業を行ってきたハンペの演出は、“オペラに於ける音 楽と舞台とは切っても切り離されないもの”と考え、正攻法で細部にいたるまで緻密に計算されたものである。教育 活動にも熱心で、舞台のあらゆる分野に関して後進の養成を推進するための活動も継続している。ケルン音楽大 学教授として、国内および海外の数々の大学やアカデミーでも教鞭を取っている。また、ドイツ舞台技術協会の副 会長を務めたこともあり、パリ・オペラ座(バスティーユ)や東京の新国立劇場の新建築、また古い劇場の改修や改 築の際には各地からその助言が求められる立場にある。その豊富な知識と経験をもとに、これまで劇場における 芸術上、学問上、また経営上の基本的な問題点に関してさまざまな形で発表してきており、それらは「ケルンのオペラ1975-1995」や「劇場のすべて-講演と論文」といった書籍にもなっている。(両方ともケルンWienand出版)本 年、最新刊「オペラの学校」が出版された。(水曜社)

2017年9月20日 (水)

ボディ・マッピングから変更になりました、9/24オープンキャンパス スペシャルイベントの内容をお知らせします。

とかくリズム感がない、と言われがちな私達声楽家(特に私だ!)にとって、ボディ・パーカッションは挑戦かも知れません😅
でも石井喜久子先生にお話しを伺っていて、なんだかとても楽しそう❣️
legatoを求めながらも腹の底にボディ・パーカッションのリズムが潜んでいたら?
もう遅れてるなんて言わせないぞっ😜
皆様も是非ご参加お待ちしております💝

                                                                                塩田美奈子

オープンキャンパス スペシャルイベント
9/24(日) 14:40〜 シルバーマウンテン2階

『発声クリニック&リズムセッション』
講師: 塩田美奈子(声楽)
        石井喜久子(打楽器)
        小嶋貴文(ピアノ)
“発声のしくみ〜ボディパーカッション”

歌う為の正しい姿勢とは? 身体を楽器として響かせて歌うには? リズム感はどうやって身に付けるの?
声楽を目指す者にとっての小さな疑問が解決すれば、大きな進歩が見えてきます!

★どなたでもご自由に参加できます

2017年9月14日 (木)

オペラ「ヘンゼルとグレーテル」



16日、17日に多摩美術大学 × 洗足学園音楽大学 コラボレーション上演、オペラ「ヘンゼルとグレーテル」が上演されます。

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去年から始まったコラボレーション企画。
洗足学園音楽大学声楽科オペラ実習と多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科3年の舞台美術ゼミ、照明ゼミ、衣装ゼミの学生による合同上演実習です。

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美術と音楽という2つの異なる芸術を学ぶ学生たちが協力しあい、1つの舞台を創ります。
多摩美術大学の学生たちは舞台セット、小道具、照明などを担当。洗足学園の学生がオペラのそれぞれの役を演じ歌います。
舞台を創るにはたくさんの人の力が必要である事を学びながら、お互いをリスペクトし、上演に臨みます。
是非学生たちの姿と作品をご覧になってください!
(チケットは全日程完売しております)

多摩美術大学 × 洗足学園音楽大学 コラボレーション上演
オペラ「ヘンゼルとグレーテル」

なお、本学講師で演出の家田淳が詳しい記事を書いておりますので是非ご参照下さい。 ヘンゼルとグレーテル グレーテルが魔女になる

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2017/09/16 (土) ~ 2017/09/17 (日)
多摩美術大学 上野毛キャンパス 演劇舞踊スタジオA
9月16日(土)15:00(Aキャスト)
9月17日(日)13:00(Bキャスト) 16:00(Cキャスト)

出演
ヘンゼル:原芽衣(A)石黒加那子(B)青木瑠子(C)
グレーテル:矢口美乃里(A)谷真里映(B)南絵里子(C)
魔女:縣雅美(A)川崎麻衣子(B,C)
お父さん:豊島雅弘(A)松本拓人(B,C)
お母さん:長岡杏佳(A)駒谷成美(B,C)
妖精:清水千遥(A)黒澤七茜(B)米田佐和子(C)

指揮: 久世 武志 (洗足学園音楽大学講師)
演出: 家田 淳 (洗足学園音楽大学講師)

ピアノ:
井向 結 
岡崎 渚沙


【多摩美術大学】
美術:
有馬 華穂 石橋 侑紀 伊従 珠乃 鈴木 あさひ 星 祐貴子

美術製作:
太田 空見 加藤 萌 今野 彩花 山本 果歩 渡邊 悠

美術指導:
金井 勇一郎 阿部 宗徳 岡田 透 古口 幹夫 田中 義彦

照明:
小俣 夏海 加藤 芙悠 齋藤 桜子 三澤 真由

照明指導:
成瀬 一裕

衣裳:井上 昌美 海沼 康太 桐原 梓実 後藤 瑠里 里見 柚香 山下 純奈 吉村 咲輝 佐々木 瑛里

衣裳指導:
桜井 久美 牛尾 卓巳 遠藤 笑子 三浦 洋子

舞台監督指導:
八木 清市

制作:(洗足学園音楽大学)
島田 萌衣 荻野 妃奈 橋本 湧

〜あらすじ〜
ドイツの深い森に貧しいほうき職人の夫婦と、その2人の子供ヘンゼルとグレーテルが住んでいた。
ある日、お母さんの言いつけで野いちごを摘みに出かけたヘンゼルとグレーテルは森の奥深くに迷い込んでしまう。そこで2人が見たのは、なんとお菓子でできた家だった。喜ぶ2人。しかしそこは子供を食べてしまうという恐ろしい魔女の家だった。

フライヤーデザイン:
佐々木 瑛里
小沼 あみ

企画:
多摩美術大学 演劇舞踊デザイン学科

2017年9月11日 (月)

〈授業紹介①〉

初めまして!
「ドイツ歌曲研究2」を担当している馬場由香です。
この授業は、通年授業で大学3・4年生が履修できます💕
ドイツ語が全くできない学生も楽しく学べるように工夫しています。

今日は後期最初の授業💝

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前期から勉強しているドイツ歌曲のシューマン作曲「リーダークライス」のドイツ語の発音練習を一生懸命に頑張っているころです。
久しぶりにもかかわらず、きちんと発音が出来ていてビックリ
最初のころは、なかなか上手に発音が出来なかったのに💦
みんな上達していて嬉しいです。


私の簡単なプロフィール
洗足学園音楽大学卒業、同大学専攻科修了、同大学オペラ研究所修了。
その後、渡独しドイツ国立シュトゥットガルト音楽大学大学院声楽科・リート科を修了。
母校である洗足学園音楽大学で声楽講師をしています。

2017年9月 9日 (土)

講師紹介② 鵜木絵里(ソプラノ)

はじめまして。今年の9月から講師になりました鵜木絵里(うのきえり)と申します。新任の自己紹介も兼ねて、ブログのバトンを高田先生から引き継ぐ事になりました。どうぞよろしくお願いいたします。

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ともかく私が毎日考えている事といったら体調面しかありません。朝起きて喉がヒリヒリしていない事に感謝する事から始まります。声楽家は体が楽器です。どんなに素晴らしい歌手も風邪をひいてしまったり、体調を崩していたらベストの音楽を届ける事が出来ません。ウィルス性のものに関してはこまめに手洗いとうがいをする、腸内細菌を鍛えるなどが一般的予防法ですね。でも乾燥や冷えによって体調が悪くなる事もあります。よくありませんか?朝起きたら喉が痛くなっていた、なんて事。あれはもう悲劇です。一番恐れている事態です。寝ている時は無抵抗です。この時間にいかに風邪を引かないか。今日はこの乾燥による風邪予防の「個人的三種の神器」について書こうと思います。

一つ目。私はこの10年以上、一年を通して寝る時は大きめの使い捨てマスクをしています。ふんわり装着すれば息苦しくありませんし、自分の蒸気で気になるホウレイ線もしっとりするので妙齢な女性にはおすすめです。朝起きてマスクが外れている、そんな事しょっちゅうです。ある時は顎に当てていたり、目だったり、もちろん手に握りしめている事もよくありますし、布団と共に丸まって行方不明な時もあります。それでも寝る前にふんわりと付けるマスク、これが気持ちの上で大切なのです。

二つ目。季節の変わり目には日本手ぬぐいを首に巻いて寝ます。ぐるぐる巻きは苦しくなります。一回ふんわりと巻いて首の前で緩く結ぶ。タオルだと厚みで苦しくなったりしますので日本手拭いがおすすめです。こうすると喉が冷えなくて寝ている間の危険な時間をやり過ごせると思うのです。

三つ目。レッグウォーマー。これです。夏こそです。夏用のパジャマでも足首はレッグウォーマーです。通年で愛用しているのはダンサーが付けるかかとが出て足の甲まで覆えるタイプです。フラッシュダンスみたい、と思う私は古いのでしょうか。

おまけ。体調と関係ないかもしれませんがアイマスクです。これも朝起きると7割方はずれていますが(駄目じゃないか?)、地方に宿泊する時など、慣れないホテルでもぐっすり寝たいときはこのアイマスクさえあれば夜は漆黒です。深い睡眠こそ体調回復の有効な手段です。

どうでしょう?個人的三種の神器プラスワン。声楽家でなくても体調管理には有効だと思いますので自信を持っておすすめ致します!そして想像してみてください。レッグウォーマー、手ぬぐい、アイマスク、使い捨てマスク、これらを装着して寝ている人を。自分でもたまに、ワタシ面白い?と思う時がありますがこれさえ付けていれば安心して朝を迎えられるのです。

「あぁ良かった。今日もアタシの喉はヒリついてない」

2017年9月 8日 (金)

ボディ・マッピングって何だろう?①

初めまして、
声楽コースでは基礎演習の授業内でボディ・マッピングを担当している
ナガイカヤノ(長井芽乃)です。

ボディ・マッピング?
聞いたことないな、いったいどんなことをするのかな?
と、早速インターネットで検索されたかもですね。

私が皆さんにお伝えしているのは、
「コナブルのボディ・マッピング®」と言って、
音楽に特化している『音楽身体教育』です。

簡単に説明すると、
「歌う時のカラダについて具体的に知ってもらう」
そして
「それを活かして自分らしい音楽の表現をできるようにする」
このような内容のお手伝いをしています。


毎朝、毎晩、そして練習の時にも
自分のカラダは見ているし、
教えてもらわなくても知っているはず。
でも、いざ歌おうとすると、
うまくいかない、すぐに疲れる なんて感じてはいませんか?

もしかしたらそれは、皆さんの脳内に描かれている
ボディ・マップ(身体地図)がうまく繋がらない結果なのかもしれません。

ボディ・マッピング(身体地図作り)を行うことで、
繋がりが悪くなってエラーを起こしている部分を修正すれば、
問題なく、本来の実力を発揮できる!

しかも、それは苦しい思いをして「鍛える」とかではなくて、
脳内の回路(ボディ・マップ)を修正して、
アップデートしてあげるだけなのです。

えっ!
具体的にどんなことをするの?
って、気になって、早く知りたくなってきましたか?

その方法はたくさんありますが、一気に知ることには無理があります。
新しい情報は、古い情報に邪魔をされて
なかなか理解できないこともあります。

ですが、「カラダの構造を知る」だけでも
ゲーム感覚で行える「ワークをする」など、
何だこんなことでよかったのかぁ・・・
なんて、笑えてしまうような内容であったりもします。

なので、こちらでは数回にわたり
少しずつ紹介していきたいと思っています。


もし、このブログで興味を持たれて
少しでも早く知りたい!
と思われた皆さまは

演奏者のための はじめてのボディ・マッピング
演奏もカラダも生まれ変わる
ナガイカヤノ著
ヤマハミュージックエンタテインメント出版

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こちらをお読みになって
いち早く、たくさんのヒントを得てくださいね。


では、次回もお楽しみに!



●ナガイカヤノ(長井芽乃)→ http://www.body-map.net


●コナブルのボディ・マッピング®→ http://www.body-map.net/BodyMapping.html


●演奏者のための はじめてのボディ・マッピング
演奏もカラダも生まれ変わる
ナガイカヤノ著
ヤマハミュージックエンタテインメント出版
→ http://www.ymm.co.jp/p/detail.php?code=GTB01094335

2017年9月 6日 (水)

9/24オープンキャンパス『発声クリニック&リズムセッション』

9/24オープンキャンパス スペシャルイベントの内容が変更になりました!

『発声クリニック&リズムセッション』
〜皆さんはリズムに合わせ動きを付けて自由に歌えますか?実はこれが出来れば驚くほど歌が上達するのです!〜
誰もが知っている「ドレミの歌」など簡単な曲を使って体験してみましょう。

講師 : 塩田美奈子、石井喜久子
伴奏 : 小嶋貴文

お申し込みは 洗足学園音楽大学HPより 9/13(水)申込締切です。

お待ちしています!

2017年9月 3日 (日)

講師紹介① 高田正人(テノール)

2017年から講師になった高田正人です。どうぞよろしくお願いします。

このブログに講師たちが普段思っていることを書いていこうというリレー企画が提案されまして、トップバッターとして僕から書いていこうと思います!

これからこのブログにも、時々顔を出すことになると思いますのでどうぞよろしくお願い致しますhappy01

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自己紹介がてらに何か書こうと思います…が、はてさて、、(笑)

ちょっと固い話になりますが… 洗足学園音楽大学に就任して以来この5ヶ月、自分がこの学校でできることは何だろうと考えてきました。

僕のこれまでの歌い手人生の経験で一番人と違っているのはきっと、イタリアとニューヨークの双方に留学経験がある、ということでしょう。

今の時代は多くの人が簡単に留学するようになったので、留学経験があるというのは特に珍しくはありませんが、ヨーロッパとアメリカという、全くタイプの異なる国に両方留学している人は少ないと思います。

イタリアではピアチェンツァ国立音楽院に2年通い、ニューヨークではメトロポリタン歌劇場のコーチとジュリアード音楽院の先生に教えを受けました。

そこで感じたヨーロッパとアメリカの音楽教育の違い、オペラの在り方の違い、というものに大きな刺激を受けたし、それ以降はその2つのフィルターを通してオペラの世界を見るようになりました。ので今日はその違いの話を。

イタリアではオペラは伝統芸能です。そして自分の国で生まれたお家芸です。その中でのオペラ歌手というのは「職人」に近いように思います。修業時代には良い声を出すためにどうしたらよいかを徹底して学びます。

まずはVocalizzo(発声練習)です。これに非常に時間をかける。先生によっては1年以上発声しかやらない先生もいる。声の準備ができるまではオペラアリアなんて歌わせてもらえません。

先生の家に住み込みのようにして毎日のようにレッスンを受ける人もいます。

それってちょっと日本の職人の徒弟制度に似ていると思いませんか?

先生の教え方も手を変え品を変え、という訳ではなく、一つのことを毎日じっくり、という感じ。少しでも声がずれたらやり直しです。地味か派手かで言えばかなり地味(笑)

でもそこから美しい声が生まれる。

イタリアにはベルカントという「正しい声」が伝統的にずっと存在していてそれを体現することが大事なのです。聴衆もそれを求めている。そしてその頂点にミラノのスカラ座があります。

イタリアで求められているのは「徹底的に磨かれた声の魅力」です。

一方でニューヨークではオペラは舞台芸術であると同時にエンターテインメントであります。もちろん芸術であることに変わりはありませんが、それは最高の娯楽であり珠玉のエンターテインメントでもあるのです。そこに人が集まる。

ということは、オペラ歌手になるという事は最高の舞台パフォーマー・エンターテイナーになる事を意味します。

その為にはもちろん歌が歌えなくてはいけませんが、それ以外にも舞台人としての立ち居振る舞い、芝居、容姿、自分をどう「魅せるか」ということが必要で、それを徹底して磨きます。

例えばコンサートで舞台の袖から出てピアノのところまで歩く、その歩き方、間の取り方、前奏の引き出し方、そんなことも勉強します。声を出す前の話です。

それだけではありません、どうやってファンを増やすか、どうやったら仕事がもらえるか、を学生のうちから考えます。

学校では魅力的な履歴書作り(ニューヨークらしい!)の指南もあるし、学生のうちからメトロポリタン歌劇場のロビーで富裕層のおじさんに名刺を渡し、「今度ジュリアードでコンサートがあるから来てください」なんて売り込みをしたりもします。凄くないですか?日本でそんなことやっている音大生が何人いるでしょうか?(お国柄ももちろんありますが…)

一言でいえば…

自分を魅力ある商品にしていくこと

これが僕がニューヨークで感じた音楽学校でのオペラ歌手教育です。その人たちが創る舞台をワクワクしながら観客は見に来る。そしてその頂点にメトロポリタン歌劇場が立っているのです。

ニューヨークで求められているのは「徹底的に磨かれたエンターテインメント」です。

では日本はどうなのでしょう。どちらの国に近い教育をしていて、どちらの国に近い舞台を作っているのでしょう。

僕は芸大の時に「とにかく良い声を出すことだよ。歌手の声は美味しい蜜と一緒だからね。良い声が出ればいろいろな蝶(観客)が自然と集まってくるんだ。」と先生に言われました。

これはイタリア的な考え方ですよね。

これはこれで素晴らしいことだと思います。日本人は職人気質ですから、一つのことをコツコツやるのにも向いている気がする。

しかしです、観に来る人々はどうでしょう。

オペラは日本で生まれたものではありません。歌舞伎のようなお家芸ではないのです。

そうすると見に来る人は「海外で生まれたものを楽しみに来る」、というワンクッションある物の見方をします。そこには娯楽性を求めてやってくる人もたくさんいます。エンターテインメント性を求めている人も大勢います。もちろん大前提として良い声を楽しみたい。でも同じくらいお話やお芝居やビジュアルも楽しみたい。それが日本の観客だと思うのです。

ということはちょっとアメリカ的エンターテイメントな部分も求められているという事です。

それを最近の作り手も分かっているから、最近は昔よりも声以外の部分も考慮してキャストを選ぶ。お芝居ができる人、動ける人、容姿が役に合っている人。

それを早いうちから分かっていないとこの世界でこれから生きていくのは大変でしょう。

大学ではイタリア的に勉強してきたのに、舞台の作り手や観に来る方はアメリカ的、だと少なからず不幸な齟齬が出てきます。それは日本だけの話ではありませんが。

良い声を磨くことはもちろん必要です。しかしそれにプラスアルファで、もう少しお芝居を始め総合的に自分を魅せる力や人間力も大学のうちから学んでいかないとこれからの時代は大変だと思うのです。この視点を持っている教育機関は意外と少ない。

これまでこういう部分は個人に任されていました。気づいてる者だけが気づき、センスある者だけが残って来た。でもそれは歌を教えるように、学校機関でもまた教えられる事です。

洗足学園声楽コースのキーワードは「伝統と革新」。この言葉はまさに今書いてきたようなことにピタリと合致すると思います。

日本という国は「職人的なものを評価する気質」と「エンターテインメントを求める気質」が混じり合った国です。

その中でイタリア式とアメリカ式の良いところ取って、日本人の強みを生かしてしなやかに力強く世界や舞台に出て行けるような歌い手になる。伝統と革新。そのお手伝いをするのが我々の役目かなと思っています。

洗足の学生たちはその素地を十分に持っていると思います。

えーと、、最初から少し固い話題だったでしょうか…。そしてツイッター世代には文章が長すぎたでしょうか…(笑)

でも常々考えてきた「今のオペラ界とそれに求められている教育」ということだったので最初に書いておきたかったのです。すみません(笑)

きっと次の先生が面白い話を書いてくれると思います!バトンを渡しますー。

次は…鵜木先生かな?よろしくー(笑)papersun