2017年5月17日 (水)

スティーブ・ライヒ 作曲「クラッピングミュージック」を基にした音楽づくり

■テーマ

スティーブ・ライヒ 作曲「クラッピングミュージック」を基にした音楽づくり

 

■担当:山口賢治   ■実施日:2017年5月17日

 

■ねらい

音楽づくりにおいてパターンミュージックは基本的な手法のひとつである。この手法による音楽づくりを進めていく上で、音楽の持続性を保ち音楽的質を高めるためには、様々な音楽的要素(音形、リズム、強弱、音色、表紙、組合せなど)を展開し、構造化することが必要である。ワークショップリーダーはワークショップ参加者の音楽的レベルに合わせて、音楽を展開させるための仕組みや手順を提示し、導く役割が求められる。今回はスティーブ・ライヒ 作曲「クラッピングミュージック」について作品構造の検討し、さらにその構造を利用した音楽づくりを一例を示した。

 

■使用楽器:手拍子、ボディーパカッション、トーンチャイム

 

■実施したプログラム

1、パターンミュージック(ミニュマルミュージック)について説明した。

 

2、4/4拍子で、一小節単位の繰り返しで、手拍子やボディーパカッションによる音楽づくりの復習を行った。音形パターンをくり返すことにより、音楽的周期や秩序が生じることを確認した。

 

3、同じ状態が続くと飽きて来るので、演奏者は音楽の状態の変化を求めるようになる。そこで、音楽の状態を変化させるにはどのような音楽的要素(リズム、強弱、周期、音色、速度など)に着目し、変化させれば良いか、学生に考えてもらった。学生からの意見をもとに様々な試行演奏を行った。

 

4、音楽的状態変化をシステマティックに行う方法の一例として、 スティーブ・ライヒ 作曲「クラッピングミュージック」を鑑賞し、作品構造を解説した。この作品は手拍子による作品で2つのパートに分かれている。6拍で一小節のリズムパターンが基本モチーフとなっている。手拍子1は終止この基本モチーフが繰り返される。手拍子2は繰り返しのモチーフを順次変化させていく。手拍子2のモチーフの変化は、基本モチーフを半拍づつスライドさせたリズムとなっている。指定のテンポよりも遅くして「クラッピングミュージック」を実際に演奏してみた。

 


YouTube: Steve Reich - Clapping Music (Scrolling)

 

5、「クラッピングミュージック」は演奏が難しい場合もある。そこでもう少し容易に演奏ができるようし、また声やパーカッションとの組合せにも可能となるように、「クラッピングミュージック」の構造を借用し、下記の楽譜を作成した。リズムパターンに”せんぞくだいすき(洗足大好き)”の言葉を当てはめた。

Gakuhu

 

 

 

 

 

 

 

 

 gakuhu.pdfをダウンロード

6、メトロノームに合わせて、声による楽譜の演奏を行った。各パートの分離を明確にさせるためパート別に高い声と低い声にする工夫を行った。言葉の要素を加えることにより、繰り返しの変わり目のところで言葉の語呂が変化し、面白い効果が生じた。例えば楽譜の④から⑤に移るところで”せんぞだいすき(先祖大好き?)”となり演奏しながら笑いが出た。

 

7、さらに楽譜の中の赤☆部分で手拍子を入れた。演奏テンポも遅い場合、早い場合を試した。

 

8、音楽的な響きを広げる目的で、トーンチャイムをひとり2本持ち、赤☆部分でトーンチャイムを打つことにした。”せんぞくだいすき・”の言葉の”せ”の部分で2本の内どちらか好きな方のトーンチャイムを鳴らし、”だい”のところでは2回任意の選択で鳴らすこととした。トーンチャイムは移調の限られた第2旋法(G A B♯ C C♯ D♯ E F♯ G)を用意し、この中から適当に選んでもらった。トーンチャイムをいれることで音楽的変化の幅が広がり、複雑で豊かな音響が得られた。

 

9、3グループに分けて演奏した。Aグループは楽譜の上のパートを終止演奏、Bグループが下のパートを担当し、同じく下のパートをCグループはBグループ4小節遅れで演奏した。最初は基本モチーフがユニゾンで奏され、やがてこれがバラけて複雑な響きとなり、再度基本モチーフのユニゾンに収斂されていく過程が聴き取れ、これも面白い効果が得られた。

 

■まとめ

今回は実施したプログラムの8でトーンチャイムの選択を移調の限られた第2旋法としたが、トーンチャイムの選び方を工夫することにより、今回とは別の響きや音楽的効果が得られることも考えられるので、今後の検討としたい。

今回、とても興味深いサウンドとなったがビデオに記録を行っていなかったことが残念であった。

参加学生については全員が前向きでスムースに授業を進めることができた。

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